Tag Archives: 移民

ForeignerとAlien

『イギリス人医師の見たシンガポール』に続き、イギリス人Aの視点。
彼女の視点が私に新鮮なのは、彼女が今までイギリス以外に住んだことがなく、シンガポールが初めての外国だからでしょう。
シンガポールにいる欧米人は「ボクたち長い旅の途中〜」みたいな、過去に数カ国住んだことがあり、今後も違う場所に移り住む可能性が高い人が多いので、私の周りに彼女みたいなタイプは珍しい。 初めて住む外国だから、カルチャーショックも大きいのでしょう。
今回は患者さん(中国系シンガポール人のおじいさん)に
“Where are you from? Are you a foreigner?”
と言われたことに対し、「”foreigner”とは失礼な!」とぷりぷり怒っていました。
へー・・・ ”foreigner”と呼ばれて怒る人を実際目の前で見たのは初めて。
おそらく、そのシンガポール人のおじいさんは”foreigner”という言葉に何の悪気もありません。 シンガポール人以外 = foreigner、という感覚。 同じ英語の国でも違うんですねー(単にシンガポールがinsensitiveなのかもしれないが)。
私は”foreigner”と言われても(相手に悪気がないことを知っているから)たぶん全然気にならないが、それは在日歴の長い外国人が自らを指して「ガイジン」と呼ぶ感覚と似ていると思う、彼らはほとんどの日本人が悪気なく使っていることを知っているから(もしくは、自ら皮肉を込めているのかもしれない)。

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各国の移民局

夫が面白いことに気づきました。
各国の移民政策は、政府の中のどの省庁が査証発行など管理業務を行っているか見れば類推できる。
考えてみれば当たり前なのですが、「外交」「国防」など専門の省庁が設立され、明らかに分類に迷いがない分野に比べ、「移民」は実にバラエティ豊かな省庁が扱っています(下記、内容に誤りがある場合はぜひ訂正ください)。
まずは移民の国、アメリカ。
Department of Homeland Security(国土安全保障省)・・・9・11後テロリストの攻撃と自然災害から国土の安全を守るために国内組織を統合し創設された組織。 移民の管轄機関は司法省から国土安全保障省に移されました。
Land of Opportunityに夢をふくらませる人にとっては、”Homeland Security”とは萎える名称です。
同じく移民の国、オーストラリア。
Department of Immigration and Citizenship(移民・市民権省)・・・さすが、専門の省庁が設けられています。

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Gated Country – 囲われた国

先週は1週間ロンドンからブラジル人の友人が出張できていたので、何度か一緒にご飯を食べに行きました。
シンガポール在住の友人(フランス人、イスラエル人、アメリカ人、ドイツ人、シンガポール人)に夫(オーストラリア人)と私(日本人)で集まると、アフリカ大陸以外の全ての大陸出身者が一同に会したことになり、そのdiverseなメンバーで同じ話題で盛り上がる、それぞれの視点から会話に参加する、私が一番INSEADに行ってよかったなー、と思う瞬間です(→『世界一国際色豊かなMBA』)。
その中で盛り上がったのが、今後世界ではどんどんGated Communityが増えていくのだろうか?という話題。 Gated Communityとは、ゲートや塀を設けるなどして住民以外の敷地内への出入りを制限することで通過交通の流入を防ぎ、防犯性を向上させた住宅地のことで、アメリカでは富裕層が住むのはもはや常識。 ところが、ブラジルではアメリカを上回る勢いで急速にGated Communityが増えているのだそう。
Wikipedia : ゲーテッドコミュニティー
ブラジルの都市部の治安の悪さを考えると納得。 経済成長に伴い増えてきた新興富裕層がどんどんGated Community内に引っ越しているのだそう。 大きなものになると中にスーパーはもちろんのこと学校まであるので、外に出ずにすべての用を済ませることができ、空港や駅などゲートの外の主要ポイントにはセキュリティに守られたシャトルバスが出るらしい。 庭師やメイドなどはゲートの外の世界から通い、門ではIDを見せ厳しいセキュリティチェックが行われます。
「外の世界の嫌なことからは目をそむけ、外の労働力を利用しながらゲートの世界にこもる生活はどうなんだろうねー、気持ちはわかるけど・・・」と皆で話していたときに、私が最近薄々と思っていたことをぶつけてみました。
「でもさ、シンガポールって国全体がGated Communityみたいじゃん」

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破壊的イノベーター国家?

christensen.jpgシンガポールのmarket place(paragon)という欧米人が多いちょい高級スーパーでレジに並んでいると、私の前にどこかで見た顔の人が。 「うーん、どこで見たんだろう?」としばし悩んで気づいた(右の写真の人)。
・・・と言ってわかる人は少ないと思いますが、HBS(ハーバードビジネススクール)の教授であり『イノベーションのジレンマ』の著者であるクリステンセン教授。 下記のインタビューで、クリステンセン教授がシンガポールに住んでいること(通年ではないと思うが)を知って覚えていたのでした。
CNET Japan : イノベーションのジレンマに陥る優良企業たち
インタビューの中で私が面白いと思った箇所は以下。

—破壊的イノベーションの原理は国家にもあてはまりますか。
そうですね、私が今シンガポールにいる理由もそこにあります。 シンガポールは日本の経済停滞に対し、破壊的イノベーターと似た立場にあると思われます。
日本が経済大国となった背景には、日本企業が破壊的イノベーターとして貢献したことが挙げられます。 例えば、ソニーは安い小型ラジオを、キヤノンは卓上コピー機を作りました。ローエンドから始まったこれらの企業が今ではハイエンドへと移行し、そして行き詰まりを迎えています。
シンガポールは、過去の日本と同じ境遇にいます。 つまり、ローエンドから始まり、単純な製品の生産拠点として、また安い労動力を武器に海外投資の誘引に成功しました。 しかし今は、ハイエンド側へと移行しすぎています。 シンガポールは、新しい破壊の波をデザインし、生み出さなければなりません。

破壊的イノベーションのコンセプトを知らない方は、以前『次の破壊的イノベーションは何だ?』というエントリーで書いていますが、Harvard Business Reviewのサイトで『イノベーションのジレンマ』のエッセンスの講義ビデオ(英語)が見られるのでこちらもどうぞ(↓)。
HB : Clay Christensen Explains Disruptive Innovation

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華僑の移住モデル

先週の予告通り、一昨日から上海にいます。
全体的な感想は旅が終わってからにするとして、今回の旅で再会した友人たちの話を。
私は上海・北京に多くの友人(ほぼ全員INSEAD同級生)がいますが、大きく2つのグループに分かれます。

  1. 中国にチャンスを見出して移住し、自分でビジネスをしている欧米人(→『果たしてヤジ馬なのか歴史の証人なのか』で書いたような人たち)
  2. 幼少期に香港・台湾から家族ともども北米・オーストラリアに移住し、欧米で教育・キャリアを積んだ後、過去5年以内に上海・北京に移ってきた(香港・台湾出身)中国人

上記2.に属する友人の家族の歴史は華僑の移住の歴史。
祖父母世代、親世代、本人世代、それぞれ時代によって理由は異なりますが、移住を繰り返しています。 迫害を逃れるためなど必要に迫られたものだったり、子供のより良い教育機会を求めるためなどopportunistic(機に乗じた)だったり、その時々でのベストな判断だったのでしょうが、とにかくそのたくましさと軽やかさは何度聞いても感動を覚えます。

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移民の子どもの教育

i_want_your_money.jpgI_want_you.jpg
今週のThe Economistは表紙を見た途端、吹き出してしまいました。
ポールソン米財務長官が”I WANT YOUR MONEY”と読者を指しているこの合成写真、もちろん第一次世界大戦の米軍募集ポスターをパロったものです。
なんか顔まで似ている気がするんですが・・・
今週のThe Economistはまだ読んでいないので、先々週のThe Economistから面白かった記事を。

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漂流し始めた金融移民たち

私たちには、バンカーの友達が多いので、あちらこちらから解雇・リストラの噂が聞こえてきています。
REUTERS:米リーマンとメリルの「激震」、金融業界の雇用に衝撃波
もともと人的流動性の高い業種なので、ロンドン→ニューヨーク→香港、とマーケットを移動することは珍しくもないのですが、数週間ほど前にTemasek(シンガポール政府系投資会社)にいる友人と話したところ、ロンドンとニューヨークから大量に履歴書が送られてきている、と言っていました。 
余談ですが、今回のバンカメによるメリル買収でてっきりテマセックは大損したのかと思いきや、$1.5bil.の売却益とか・・・ 随分投資効率のよい買い物でしたね・・・
Bloomberg:Temasek May Reap $1.5 Billion Gain From Merrill Lynch Takeover
今回の金融業界再編でバイサイドにとっては優秀な人材を確保するチャンスという見方がありますが、彼らもそんなに大量に受け皿はありません。 『景気とMBA』に書いたようにMBAを取りに行く人がいたり、中国人やインド人の中にはこれを機会に故郷に帰る人もいるようです(故郷は中長期的には間違いなく成長するので)。 金融業界から流出し始めた人々が落ち着くまでしばらくかかりそうです(その間に現在の金融業界地図は元の面影がないほど塗り替えられているのでしょう)。
友人の1人(ヨーロッパ系ユニバーサルバンクのM&A部門)は、「(まだ)クビにはなってないけど、去年の年収のうち65%がボーナスだったけど、今年はボーナスなし」と嘆いていました。
まあ、「去年の年収( = 7,000万円)が、ベース分だけ( = 2,500万円)になっちゃった」というレベルの話なので、ちっとも同情はしていないですが、このようにハイリスク・ハイリターンのcyclicalな仕事についている、という認識に立った上で急なダウンサイドに対応できるような生活設計をするべきなんだ、と思います。

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