Tag Archives: 橘玲

「絶え間ない幸せの泉」と「自分の周り」

橘玲さんが『言ってはいけない 残酷すぎる真実』で取り上げていた本『子育ての大誤解〔新版〕上』『子育ての大誤解〔新版〕下』が気になったので原著『The Nurture Assumption: Why Children Turn Out the Way They Do』を読みました。 初めに書いておきますが、邦題の副題「重要なのは親じゃない」はミスリーディングです。 原著の副題「Why Children Turn Out the Way They Do」(どうして子どもはこういう人間になるのか)の方が良いニュアンスです。
1998年という、もう20年も前に書かれた原著の原題は、人間がどういう人間になるのかを決定すると考えられる2つの論派のうちのひとつ、Nature Assumption(遺伝がほぼ全てを決定するという考え方)に対するNurture Assumption(環境がほぼ全てを決定するという考え方)です。 ところが、当時のNurture Assumption派は「環境=親の育て方」の一辺倒だったのですが、これに対し、環境は親だけが与えるものではない、むしろ子どもが育つ同姓・同年代グループの影響が多大、というのがおおざっぱな骨子。 長いですが、興味深い箇所がたくさんありました。

その中で’Relationship’と’Groupness’という言葉が盛んに出てきました。 人間関係を考える上で非常にわかりやすいフレームワークなので今日は’Relationship’と’Groupness’の話です。 邦訳でどう訳されているのかわからないのですが、「関係性」と「集団性」と訳しておきます。
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生保のバイブル

短い東京滞在の最後はライフネット生命保険副社長の岩瀬さん
前日の飲み会に風邪で欠席されたので、成田エクスプレスに乗る前のわずかな時間にオフィスにお邪魔しました。 お互いTwitterやブログ、チャットで近況は知っているので、世間話をして、最新著の『生命保険のカラクリ』を頂戴、献本御礼(もらった本のレビューを書くときは、小飼弾さん風にこう書かないといけないらしい)。
岩瀬さんが生保業界の風雲児としてライフネットを創業される前の私にとっての生保は「絶対買いたくない金融商品」でした。 関西人らしく、自分が購入する商品には”Value for Money”を重視する私が今から7年ほど前に検討した結果は、
1. 投資や貯蓄目的の金融商品としては他の金融商品に劣る
2. 私が死んで経済的に困る人はいないから死亡保障は必要なし
の2点の理由により「自分には必要なし」。
FP3級の勉強(→『FP技能士3級のススメ』)や橘玲さんの『世界にひとつしかない「黄金の人生設計」』などを読んだ結果、高コスト体質の非効率な業界が消費者の利益より業界利益を優先して生み出した限りなく中身が不透明な金融商品だと思ったことを覚えています。
一方、ハーバード留学記で存在を知っていた岩瀬さんが、独立系ネット生保を立ち上げ古い体質の業界に斬り込むことを知り「そう来るか?!」と仰天したのが2年ほど前(これがなければ「HBSで上位5%なんて賢い人だなー」という感想のまま、ブログのヒーローリストに書くこともなく、幸運にも知り合って仲良くなることもなかった)。

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Big Mac指数とミセス・ワタナベ

私は資産(ほとんど現預金)のほぼ全てを前職での給料(当然、日本円建て)を貯金することで積み上げたので、一部の外貨預金を除くとほぼすべて円で所有しています(たとえ株・債券などの有価証券が海外で運用されていても私の持つ日本の証券口座では円でしか換金できないので円の為替リスクがある)。
ところが、
– 時間外ATM手数料負けするような低金利での円での運用(普通・定期預金に限らず国債でも同じ)をしながら高インフレの海外で生活すると資産の実質的な目減りが著しい
– これから海外に住み続けるのであれば、将来的に円で換金する必要がないし当面この資金は必要ではない
– 為替は長期的には国の国力を反映するが数十年先のことなんてわからない、夫とはお互いの出身国の通貨(=日本円、オーストラリアドル)でも居住地の通貨(=シンガポールドル)でもなく、基軸通貨(USドルとユーロ)で資産運用することに合意済
という理由から、円をUSドルに替えるタイミングをはかりながら数回に分けてドル転しています。
先週のThe Economist誌に「Big Mac指数では円は27%過小評価されている」との記事がありました(記事はコチラ↓)。
The Economist:The Big Mac Index – Sandwitched
ビッグマック指数を知らない方はコチラを参照(↓)。
Wikipedia:ビッグマック指数

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シンガポールで資産運用

ご存知の方も多いと思いますが、シンガポールはアジアのオフショア金融センターとして知られ、村上ファンドが拠点を移したことで一躍注目を浴びました。
オフショアの解説はGoogleでたくさん出てくるので省略するとして、個人の投資家にとって一番のメリットは利子、配当金、キャピタルゲインなどの資産運用収益に課税されないことでしょう。
日本、オーストラリアそれぞれにバラバラと金融資産を持っている私たち夫婦は(といってもたいしたことありません、ほとんど貯金です)、シンガポールに一刻も早く資産を移しポートフォリオを作り上げるのが当面の課題です。
日本もオーストラリアも利子、配当金、キャピタルゲイン全てに課税されるので、全く同じ金融商品を買っても(手数料など諸費用が同じと仮定すると)シンガポールに移した方が得なのです。
ただし、これはシンガポールに居住しているから得られるメリットであって、日本に住んでいる限り世界中どこで得た金融収益であろうと総合課税されますのでご注意ください(所得20万円までの免除あり)。

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