Tag Archives: 日本

GENJIでSUSHIと未来を考えた

ロンドンでは”SUSHI”が本当にどこでも見られるようになりました。 今ではどこのスーパーでも売ってるし、サンドイッチ屋でも売ってる。 どこでも「見られる」だけで「食べられる」わけじゃないんだけどね・・・
大手サンドイッチチェーンのPret A Mangerの寿司はシャリがあまりにも機械で固められすぎて落下させたらはずむ、との報告まであります(笑、→『ロンドングルメ – 持ち帰り寿司食べ比べ、落ちても崩れぬ固さに絶句』)。
基本的に、世界のSUSHI業界は、少数の本物志向レストランと多数のなんちゃってSUSHIに分かれており、前者は日系、後者は中国・韓国など非日系が経営しているという人が多いと思います(農水省がスシ・ポリス設立してましたね・・・→『なんちゃって日本食レストラン』)。
今日はカリフォルニア・ロールなど寿司ではなくSUSHIとして知られるロール寿司で有名なGENJIをご紹介。 このアメリカではお馴染みの寿司テイクアウェイ・チェーンは日系で、イギリスのManaging Director(社長)を私の友だちYくん(INSEAD卒)がやっています。

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技術やアイデア単体に価値はない

(このエントリーはスティーブ・ジョブスの訃報を聞く前日に書いたのにサーバー・ダウンでアップできなかったものです。 最後に追記をしています。)

技術とか人っていうのはお金があるところと、実際に実験をして実用化したところに残るんですね。 技術は、あるいはアイディアは、発明したところには残りません。
(中略)
技術というのは「食材」で商品というのは「料理」だ、と。技術を売り物にしたって新鮮な魚をただ売りものにしているようなもので、それを料理して初めて商売になる
『デザイナー奥山清行による「ムーンショット」デザイン幸福論』より)

バツグンに面白かったです、このインタビュー。 上記引用した部分のコンテクスト(アブダビでのスマートシティ実証実験の話)は長くなるので、インタビュー読んでみてください。
「技術やアイデア単体に価値はない」例はいろいろ思いつくのですが、現在、勉強中の建築・インテリアの分野からあげてみます。 私はこの分野、勉強を始めたばかりなのでもっと詳しい方、間違いなどあればぜひご指摘ください。
産業革命以降の家具デザイン史(初期は建築家が家具デザインをしていたケースが多いので建築もちょっとだけ)を俯瞰してみると、日本のデザインにインスピレーションを受けたと言われる家具・建築があちらにも、こちらにも登場します。
印象派の画家たちが日本の浮世絵に多大な影響を受けた、というのはよく知られてるけど、デザインの世界もすごい。

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尾崎豊がわからない。

なでしこジャパン、ワールドカップ優勝おめでとう!
佐々木俊尚さんの『キュレーションの時代』はTwitterやFoursquareなどのツールを使ってソーシャルに情報をやりとりする時代の変化を解いた本なのですが、『コカ・コーラCMにみる戦後文化』に書いたように、戦後の日本の社会の空気の分析が非常に面白かったので、今日もそこから。
戦前から続いた農村社会は、戦後に農村が崩壊して都会に膨大な人口移動をもたらす中でも、同じようなムラ社会的構造を生き永らえた。 その中で他者からの「まなざし」(*1)に苦しむ若者の例として2人挙げています。
*1・・・「まなざし」とは人々のアイデンティティーをパッケージ(服装や容姿・持ち物といった見た目の具象的なパッケージと出生や学歴・肩書きなどの属性のパッケージからなる)によってくるみ、そのパッケージで規定することを強要すること。
1人目は『青春の殺人者』という映画の主人公(予告編はこちら)。

『青春の殺人者』のモチーフは、どこにも逃げる場所のない苦しさです。 両親という息苦しい人間関係、成田という閉塞した地方都市、暴走族に溜まり場にされて自由にならない自分の居場所。 安住できる安定した場所だけれども、そこには窒息しそうな空気が充満していて、当時の若者は多かれ少なかれ水谷豊の演じる主人公と同じような閉塞感を抱き、その場所からの脱却を夢想していました。

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コカ・コーラCMにみる戦後文化

面白そうだったので日本からわざわざ取り寄せてジャーナリスト佐々木俊尚さんの『キュレーションの時代』を読みました。 書籍代より郵送料の方が高かったのに電子書籍版が出ていたことに後で気づいた私。 はー、もうそういう時代になったのね・・・
ソーシャルメディア関連本の中でいち早く出た『Groundswell: Winning in a World Transformed by Social Technologies』(邦題:『グランズウェル ソーシャルテクノロジーによる企業戦略 』)もそうだったけど、こういう本はネット上の事例が多いので、本の中の事例をWebで見ながら読むとより面白いですね。
中でも「コカ・コーラのCMに見る戦後文化」が面白かったので、YouTube画像と佐々木さんの解説を並べてみます。

62年から70年代初頭までは、登場するのはほとんど日本人です。 (中略)
どのCMにも熱烈なアメリカ文化への憧れがあふれていて、その真面目すぎるほどの無条件な純真さは、いま鑑賞してもまぶしくて直視できないほどです。

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モノが溢れる日本の家(?)

ロンドンのイーストにあるThe Geffrye – Museum of the Homeという美術館でAt Home in Japan – Beyond the Minimal Houseという日本の一般家庭の家の中を再現した特別展が開かれていたので見に行ってきました。
オックスフォード大学の民俗学教授が、1年間に渡り関西(神戸・京都・奈良・大阪)の一般家庭を訪れてリサーチした結果をまとめ展示したもので、五感で体験できるようになっており、一般のイギリス人が熱心に見ていました。
この特別展の紹介文冒頭に、

In the West the Japanese house has reached iconic status in its architecture, decoration and style. However, is this neat, carefully constructed version of Japanese life in fact a myth?
欧米では、日本の家の建築・装飾・スタイルはアイコンにまで達したが、その整然と綿密に構成された日本式の生活というのは、実のところは神話なの?

とありますが(副題も”Beyond the Minimal House”となっています)、彼のイギリス的婉曲話法(→『Very interesting = I don’t agree.』)を解釈すると、

日本の家ってもんのすごーーーーくモノが多い

ということを言いたかったようでした(笑)。
こんな写真と共に、家具・小物などで日本の家が再現されていました(写真はこちらより拝借)。

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フォーク並びを活かした社会

イースターとロイヤルウェディング休暇を利用して日本に帰省し、ロンドンに帰ってきたのですがいまだ時差ボケが直りません・・・
歩き出した幼児を連れた長距離フライトがこんなに大変だとは思いませんでした。 昼間のフライトで、かつ(ロンドン – 関空の直行便がないため)パリ経由、機内ではロイヤル・ファミリーばりに手を振り”Hello! Hello!”と愛想を振りまきながら延々と通路を歩く息子にずっと付き合っていました。 エコノミークラスとビジネスクラスの間のカーテンに向かって奇声をあげながら闘牛ごっこするし・・・(ひらひら揺れる大きな布に頭から突進するのがお好き)
さてさて、「子連れに冷たい」と評判な(?)日本、夫と2人でベビーカーを持ち上げるとどこにでも行けるのであまりヘルプを頼むような状況がなかったのですが、たしかにロンドンの方が人は親切ですねー ベビーカーで階段前でおたおたしてると”Do you need help?”と100%声かけられます。
でもフライト中は、息子に向かって手を振る人(老若男女問わず)、「かわいいねー」と勝手に触る関西のおばちゃん、何度も「いないいない ばあ〜」をしてくれた後ろの席の人、親切な人ばかりで助かりました。
一方、日本ではかなり大きな幼児もベビーキャリアに入ってたり、ベビーカーを押してるのに混雑に備えてベビーキャリアも常備してる人が多く、ロンドンでそんな人を見たことがない私は「みんな、すごく周りに気を使ってるんだなー」と。 そんな大きな幼児を抱えて歩くと腰を痛めると思うのですが、周りに気を使う大変さが重さに耐える辛さを上回っているのだそう・・・
母親が「日本は人が多いから」と言ってましたが、ロンドンは少なくとも大阪並みには混んでるんだけどなー

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きっかけはいつも個人的な経験

HelpJapan_TaraJacoby.jpg何か行動を起こすとき、特に大きな行動を起こすとき、きっかけはいつもすごく個人的な経験だと思います。 逆に言うと、自分がすごく揺さぶられるような経験には、大きな行動を起こす種が眠っています。
そこで今回、『プロジェクトPhoenix』を立ち上げた個人的な経験を書いておきます。
私は今回の地震はTwitterで知りました(→『痛みが距離を超えた日』)。 「M8.4」という数字を見た瞬間に(*1)、ただごとではない事態に気づき、次に頭に浮かんだのが”It took a devastating earthquake for Japan to change.”という言葉でした。 なぜか頭に浮かんだのが英語で、このフレーズが10年後くらいのThe Economistか何かの記事になっている様子が瞬間的に頭に浮かびました。
*1・・・ご存知の通り、後にM9.0に訂正されました。

It took a devastating earthquake for Japan to change.

このフレーズには

1. 失われた20年を経験しても自発的に変われなかった日本は、結局、こんなひどい惨事を経験してようやく変われたね〜
2. 日本って、あの地震以来、ホンットーに見違えるように変わったよね〜

いろいろな受け取り方ができますが、後世でどう言われるかは、今、まさに私たちがどう動くかにかかっていると思いました。

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遠く離れた私たちができること

もう”あの日”から1週間が過ぎようとしています。
Twitterで話題になっていた松山千春さんの言葉です。

知恵のある奴は知恵を出せ。
力のある奴は力を出せ。
金のある奴は金を出せ。
何もないよ、、って奴は、とにかく【元気】を出せ!

この言葉通り、ロンドンでも多くの日本人がチャリティー・イベントを開催しています。 パティシェのママ友はケーキを焼き、観光ガイドはチャリティーウォークを開催し、音楽家たちはコンサートを開き、手づくりの募金箱をいつも行くカフェに置かせてもらい・・・
一番有名なのはロンドン在住のバイオリニスト葉加瀬太郎さんが毎日ロンドン内各所で行っているチャリティーコンサート。
昨日の朝はBBCのショーに出演され(→「とにかく何かしたい!」という気持ちがにじみ出た素敵なインタビューはこちら)、私も昨日フォートナム&メイソンで急遽行われたチャリティーコンサートに行ってきました。

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痛みが距離を超えた日

3月11日(金)朝8:00(日本時間17:00)、夫と息子をバタバタと送り出し、ひと息つこうとパソコンを開いたのと、携帯SMSの着信音が鳴ったのがほぼ同時だった。
パソコンを立ち上げながら、今送られてきたSMSメッセージを見る、ロンドンに住むINSEAD友達、中国人Yからだ。

Hope all is ok with your family and friends back home.

へっ??????
Tokyo_tower_top.jpg意味がわからず、今開いたばかりのtwitterで最初に目に入ったリンクをクリックしたら右の写真だった(時事ドットコムより)。
何これ???
次々に「M8.4」、「東北」などの文字が目に飛び込み始め、どうやら日本で大地震があったらしいことがわかった。 奈良にいるはずの親と東京にいるはずの弟に電話してみると、どっちもつながらない。
Facebookで「日本は電話がつながらないっぽい。 家族に連絡が取れない。」と英語でつぶやいたところ、世界中の友達から次々に「家族や友達は大丈夫?」とメッセージが入り始めた。
そうこうしている間に、親とは電話がつながり、歩いて帰宅したらしい弟がFacebookにサインインしてきてチャットできた。 家に帰れず職場で一夜を過ごすことにした友人たちが次々とFacebookやGmailにサインインしてくるため、そのたびに無事を確認。

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自由経済を信じない日本

日本で『これからの「正義」の話をしよう – いまを生き延びるための哲学』NHK『ハーバード白熱教室』が人気だったと聞いて、遅ればせながらHarvard iTunes UでMichael Sandel教授の”Justice”の講義を聴いています(全部、無料で聴けます、もちろん英語ですが)。
Harvard iTunes U –> Social Science –> Justice with Michael Sandel
Episode 3(日本語版:『「富」は誰のもの?』)は、政府の課税権(とりわけ、富める者から貧しい者へ所得を強制的に再分配する権利)を扱っていて面白かったです。
私は『国の価値観と個人の価値観』に書いたように、国の価値観と個人の価値観が合っている場所で(特に)価値観を形成する少年・青年期を過ごすことが大事だと思っています。 そして政府の課税・所得再分配ポリシーは国の価値観を明確に体現しているもので、ここが納得できるとその国で概ねハッピーなのではないかと思います。
イギリスは元々、中福祉・中負担の国ですが、キャメロン首相が「膨れ上がった財政赤字を解消し成長を取り戻すために、社会保障を犠牲にして経済成長を優先させる」と宣言し、さまざまなところで補助金が削減され大騒ぎになっています。
Number10.gove.uk : Prime Minister’s speech at the World Economic Forum

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