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優秀な外国人を求める企業募集

シンガポールに引っ越して来て以来、5年も前に卒業したINSEADとの距離が近くなりました。 卒業生を対象にシンガポール・キャンパスで開催される各種イベントに顔を出していたら(→こちらこちら)、そのうち学校から声がかかるようになり、今では受験生のインタビュアーもやってます。
今日は学校のCareer Service(就職課)から頼まれたので、みなさんにもお願いです。
ビジネススクールの就職課は業界ごとに担当者がおり、企業との関係構築、学校の宣伝、オンキャンパスリクルーティング(企業がキャンパスに来て行う説明会・面接)開催、インタビュー(面接)アレンジ、などあらゆる側面から学生(そして卒業生)の就職活動の支援を行います。
企業との関係構築は長期に渡り、まず企業が在校生・卒業生のレジュメ(履歴書)を閲覧しどのようなスキル・経験を持つ学生がいるかを把握、サマー・インターンやフルタイムで企業・学生双方が条件を含め合意したら学生が就業開始、「去年雇ったINSEAD卒業生のパフォーマンスがいい」ということになれば継続的に企業が雇うようになり、複数名募集するようになればキャンパスに来て説明会・面接を行うオンキャンパスリクルーティングに発展します。
伝統的にMBAを雇うコンサルや投資銀行以外にも、若干名でも継続してINSEAD生を雇う企業は着実に増えており、学生と企業双方の希望を聞きながらマッチングさせるのが就職課の仕事。 2007年、INSEAD生の就職先企業はこちらをご覧ください。

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新日本論の必要性

「今まで○○と○○という会社(日本国外でも誰でも知ってる日本企業)でこんなことしていました」と非日本人(教養あるビジネスマンです)に自己紹介をすると、「ステレオタイプな質問でごめん。 日本企業は男性社会なんでしょ? 若い女性が同じような仕事をすることに障害がなかったの?」とよく聞かれます。 特に年輩の人からはこういう質問が多い。
たしかにステレオタイプな質問なんですが、ほとんどの場合、日本企業で海外で一線に立って仕事をしている女性を見たこともないし聞いたこともない、ことから生まれるピュアな疑問だと思うので、私も「また同じ質問か・・・」などと思わずに丁寧に答えることにしています。
「私たち世代は女性も増えてきてると思うし、私は海外事業しか経験がないので、海外の顧客・パートナーにフェアに扱われなかったということはあまりない。 日本企業の問題はそれよりも年功序列だと思う」と。
人によって感じ方は違うと思いますが、新入社員の頃こそ(部で初めての女性総合職だったので)部署内の女性が順番にやっていたお茶当番やFAX当番から外してもらうのに一悶着あったりしましたが、その後はあまり差別を感じずにやってきた、というのが実感。 単に鈍感だったのか、すでに忘れてしまったのかもしれない。
今日の本題はそこではなく、外国人がなぜ上記のようなステレオタイプの疑問を持つようになるのか?という点。
出会ったばかりの頃、夫にも同じような質問をされたことがあるので、聞いてみました。
夫は大学で「現代日本」という授業を趣味で受講していたので、彼の現代日本の知識は大部分そこからきています。 カバーする範囲は広範に渡り、

サラリーマン、財閥/系列、女性の社会進出、学校教育、受験戦争、ヤクザ、暴走族、部落民、在日韓国・朝鮮人、アイヌ・・・

タブーな内容も多いのは、日本特有の事象に焦点を当てたらこうなったんだと思います。

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羮(あつもの)に懲りて膾(なます)を吹く

東京で前職にいたときから思っていたことですが、会社のパソコンからSkypeMessengerをしている人は、日本で働く友人にはほとんどいませんが、日本国外で働く友人にはかなりいます。
在宅勤務の友人やサービスオフィスで働く小規模な会社で働く友人などは、通常の電話と同じように無料のSkypeを利用しています。
前職の財閥系総合商社では、SkypeMessengerなどは一切禁止。 個人用PCの管理者権限はシステム部門が持っているため、全てのソフトウェアはインストール依頼書と一緒にシステム部門にPCを持ち込む必要があり、IT事業部門にいた私は顧客・取引先の製品を自分のPCで試すのも業務のうちなのに自由にインストールできず大変不自由な思いをしていました。 また、社外に持ち出すためには「PC持ち出し申請書」に部長印が必要(事前許可)で出張の多い私はいつも提出し忘れて怒られていました。
企業の情報セキュリティが強化されたのは企業からの個人情報流出が問題となり、個人情報保護法が施行された頃(2005年)だったと思います。 SkypeMessengerのセキュリティ脆弱性についてはわかりませんが、日本の企業が一斉に個人情報保護法の過剰適用に動いた(ように私には見えた)のは、流出があった一部の企業がマスコミのやり玉にあげられ、他の企業が一斉に「羮(あつもの)に懲りて膾(なます)を吹いた」からでは?

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正社員の雇用安定がない世界から見て

またもや古い話ですが、去年の大晦日は夫のINSEADクラス同窓会 & 新年カウントダウンがシンガポールで開かれました。
集まった約50人のうち、半分以上はヨーロッパから休暇ついでにやってきていたのですが、再会を喜び近況報告をしていても、ついつい話題は不況の話に。
『MBAの同窓会』で書いたように、MBAという自己投資の成功の証は卒業後の進路なので、ついついお互いの地位・給料を値踏みしたりといったことが起こりがちなのですが、さすがにこの環境下、アグレッシブな雰囲気は身を潜め(雇われ人の中では最も高給取りのインベストメント・バンカーの職が真っ先に危うくなったからですが)、お互いにいたわり合う空気が漂っていました。
それにしても、シンガポール在住者に比べ、ヨーロッパ在住者の暗さが際立っていました。
シンガポールも不況ですが、「アジアは今まで毎年高成長してきたのが、2009年はゼロになるだけで2010年になればまた成長軌道にのるだろう」という楽観的な人が多いんですが、ヨーロッパ(特にイギリス)在住者は悲観的でしたねー
世界的に企業が雇用調整を進めているため、金融以外でもレイオフの話をちらほら聞きました。 不採算部門ごと、支店閉鎖のため、当該部署・支店の人員を全員クビにしたり(一応、「本社のある○○に移らなければ解雇」などオプションも与えられるらしいが)、人件費が高いシニア・ミドルもバッサバッサと斬られるので、もはや「大企業の正社員だから安泰」「高学歴・MBAだから安泰」は全くない世界です。

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Samsungに見る黒船の効果と限界

そろそろ時効かな、ということで書きますが、以下の内容は非常に個人的な体験のヒアリングに基づくので、あくまで一つの例による所感ということで。
私がINSEADを卒業した2004年、韓国Samsungが熱心にキャンパスにリクルーティング(採用活動)に来ていました。 通常、キャンパスにまで来てMBAのリクルーティングを行うのは、戦略コンサルと投資銀行が主。 「インダストリー」と呼ばれるいわゆる「実業」は、L’Oreal、Johnson & JohnsonのようなFMCG(*1)業界が多かったので、Samsungのようなエレクトロニクス企業(しかもアジア企業)は異色中の異色でした。
*1 FMCG・・・Fast moving consumer goods、変化の早い日用消費材のこと。
私たちの代では、10人にオファーを出し、そのうち2人が就職しました。 ベルギー人男性Fとイタリア人女性G。 彼らの職務はソウル本社のGlobal Strategy Groupでのストラテジスト。
このSamsungの人事戦略は去年の日経エレクトロニクスに特集されていたようです。
以下、『独創的な人材の確保がグローバルな競争力の源泉に–韓国Samsung編(最終回)』より

韓国ソウル市の江南駅の近くに建てられた,韓国Samsungグループの超高層ビル群─。このビル群の一角に「未来戦略グループ(Global Strategy Group)」という極めて優秀な人たちで構成される組織がある。メンバーのほとんどが「S(Super)」クラスと呼ばれる外国人である。
世界のMBAトップ10に入る大学の出身者や博士号を持つ人ばかりで,誰もが知る世界屈指の大企業で5年以上の実績を持つ人たちだ。

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絶滅寸前? 駐在員手当

『グローバル富裕層争奪戦』に「シンガポールの人口4.6mil.人中、外国人は22%を占め、1mil.人。」と書きましたが、当然の結果として労働人口に占める外国人の比率も高いです(下、社会実情データ図録「諸外国の外国人労働者」より)。
foreign_worker.jpg
諸外国と比較してもズバ抜けて高い。
そして日本では、「外国人労働者」というと「日本人がやりたがらない3Kの仕事に従事」というイメージですが、シンガポールでは(データはないものの)外国人のうちかなりの人数が高学歴・高度スキル人材です。
身近な職場でのチーム員の国籍はこんな様子。 一応、マネジメントから順に並べてみました。

  • 夫が勤める英系戦略コンサル:インド人、イギリス人、オーストラリア人(夫)、スウェーデン人、中国人
  • 私が最近一緒に仕事をした米系VC:オーストリア人(米国グリーンカード保持者)、イラン系アメリカ人、ロシア人
  • 友人が勤める米系戦略コンサル:シンガポール人、ドイツ人、フランス人、インド系アメリカ人

上記すべて欧米系のプロフェッショナル・ファームですが、ここに出てきた人全員(20 – 40代)、駐在員ではありません。 現地就職ではなく母国・第三国などから社内異動で移ってきた人も多いのですが、駐在員手当というものはありません(会社によっては引っ越し代が支給されたりする程度)。 グローバル一律の給与体系なので「現地給与」というものもなく、「(シンガポールは母国より個人所得税が低いので)手取りは逆に多くなった」、と喜んでいる人も多い。

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肩書きは重要、でも中身はもっと重要

某大学に勤めている高校時代の友人から聞きました。
1. 助教授は准教授(英語の役職:associate professor)
2. 助手は助教(同:assistant professor)
と呼称が変更された、とのこと。
理由は、今までの呼称では助教授はassistant professorなどと訳され、実際に行っている業務が研究であるにも関わらず教授のアシスタント的な業務であるかのような誤解を受けていたので、国際的な呼称に合わせたとのこと(コチラ↓のページに説明されています)。
東京女子医科大:学校教育法改正に伴う職名呼称変更のお知らせ
いい傾向ですね。 職責・職務内容に一致した肩書きにするのは当然だと思います。
意外かもしれませんが、欧米では肩書きは超重要です。 転職の時、前職の肩書き(タイトル)、と付随するマネジメント経験については厳しく突っ込まれます。 そして大企業でも将来の幹部候補には20代後半で管理職、30代前半で一事業部を任せることも珍しくありません。

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