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立ち直る力 – 1

ワールドカップ準決勝でブラジルがドイツに1対7で大敗しました。

さほどサッカーに興味がなく時間もない私はこの試合まで今回のワールドカップを生中継で見たことがなかったのですが、前々日に会ったブラジル人の友人たちがとても興奮&緊張していたので「ブラジル、勝つといいなー」程度でした。 その時「○○が背骨を骨折した」と聞いて「誰か知り合いがそんな大怪我をしたのか」と思って聞き直したらブラジルの選手だった、というくらいの無知でしたが・・・

イギリス時間では夜9時開始というたまたま子どもが寝た後で私が起きている、という稀な時間の試合だったのでBBCサイトで生で観ていましたが、4点目以降は本当に直視するのが辛いくらいの試合でした。
呆然と観ながら思っていたことは、「あー、こりゃあ暴動起きるなー」がひとつめ、「この試合結果で追いつめられて自殺者が出ないといいなー」がふたつめ。 予想通り、大会後のブラジルは荒れていたようですし、メディアでは「ブラジルサッカー史上、最大の恥辱」、「国辱」などと書かれています。
ここまで全世界が注目する中で屈辱を受けたチームの選手・監督の心中は全く推し量れないものですが、試合終了後、ブラジルのスコラーリ監督が「責任は自分にある』とした上で、

Life goes on.(それでも人生は続く)

と繰り返していました(BBC: Brazil boss Luiz Felipe Scolari on ‘worst day’)。
本当にその通りで、どんなに敗北・屈辱感にまみれパブリックに辱めを受けても関係者にとって人生は続くのです。 あまり個人を追いつめるのではなく、立ち直れるような前向きな学習機会になってほしいなあ、と思います。
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高級住宅街の鬱病患者

3年前のことですが、夫の長時間労働が続き過労になっていたので、無理矢理仕事を休ませて病院の予約を取って送り込んでことがあります(詳しい経過は『一家の大黒柱が無職になった – 1』『- 2』『- 3』)。 その時、夫が医者で経験してきたこと。

1日数時間の睡眠で何週間も何ヶ月も働きゾンビのようになっていたので、私は夫に「隅々まで念入りに健康診断してもらってきて」と送り出しました。 ところが、診察した医者は夫から状況を聞き、簡単に血圧チェックなど診断を行ったあと「妻を殴ったり暴力をふるったか?」と聞いたそう。 そして現在の職場環境や労働時間よりも夫が生まれ育った環境、両親の夫婦仲、育てられ方などを詳しく聞き出した後、次のような話をしたそう。

過労による影響は身体面よりも精神面に現れる、精神の病の方がより深刻。
この地域(家の平均価格が£1 mil. = 1億7千万円の住宅街)のプロフェッショナル職の多くが過労によるストレスで医者を訪れる。 高給を得て美しい家に住みながら高額住宅ローンと仕事のストレスで精神を病む30 – 50代がいかに多いことか。
あなたは明らかに両親に健全に育てられたのでストレス耐性は強いはず、鬱病のリスクは低い。 早く帰って休みなさい。

帰ってきた夫からこの話を聞いて「興味深いなー」とは思ったものの、深く理解するだけの知識がなくそのままになっていました。
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