3月15日未明に3,660gの男の子が産まれました。
母子ともに健康です。
すでに自分の命より大事な我が子を前に、夫と共に寝られない日々が始まりました。
本当にたくさんの方に励ましと応援のメッセージを頂きありがとうございました。
ブログは追々、再開します。
まずは、ご報告とお礼まで。
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産まれました。
人生をスローダウンする – 1
知ってる方もいると思いますが、私、現在臨月の妊婦です。
今週後半からは37週でいわゆる「正期産」、いよいよいつ産まれてもいい期間に突入します。 ふーーー、ここまで長かった~~~
最近あまりにも身体的に大変で思うところがあったのですが、まずは最近読んで気に入ったTracy Hoggの育児書『Secrets of the Baby Whisperer』(邦訳:『赤ちゃん語がわかる魔法の育児書』
)から一部引用。 イギリスではGina Fordの『The New Contented Little Baby Book』
(邦訳:『カリスマ・ナニーが教える赤ちゃんとおかあさんの快眠講座』
)と並び、ママ(to be)は全員読んでいる本(以下、長いので適当に端折って訳してます)。
アメリカで何百もの赤ちゃんのベビーシッターをしたTracyが出会った2人のママConnieとDaphneの話。 2人ともパワフルで自分のビジネスを持つビジネス・ウーマン。
■ Connie
35歳のインテリアデザイナー。 計画的に物事を行う性格で妊娠後期までに赤ちゃんの部屋の準備完了。 予定日前にスープ・シチューなど、温めるだけで済む料理をたくさん作って冷凍庫をいっぱいに。 クライアント全員に電話し、今後2ヵ月間は緊急時には、彼女以外の誰かが対応することを連絡した。
娘Annabelleが生まれた直後から、彼女の母・祖母・妹ら家族全員が協力して料理や用事を担当した。 そのため、彼女は1日中ベッドの中で過ごし、たっぷりと時間を取って母乳をあげ、娘Annabelleを知ることに時間を費やした。 彼女の母親が帰った後も、冷凍庫にたっぷり備えてあった料理を食べ、温める気力もないときはデリバリーをオーダーした。
太陽の恵みをシンプルに味わう
今回のメルボルンの帰省は12日間。
こんなにいても毎日することはないのですが、ひとつ帰省のすごいインセンティブがあります。 それは義父母の料理がバツグンにうまいこと!
義母は昔コルドン・ブルーでディプロマを取ったという料理の腕前なのでめちゃくちゃ料理が上手、というのは前から知っていたのですが、義父(→こちらに登場)が会うたびにスキルアップしていくのに驚いています。 今回は毎日ランチとディナーは義父担当で私たちはもっぱら食べる方専門。
彼の料理は「地元で取れる新鮮で質のいい食材と庭で取れるハーブをたっぷりと使って、料理自体は素材の風味を活かしてシンプルに仕上げる。 仕上げも良質のオリーブオイルと塩・胡椒でシンプルに」というもの(右写真はある日のディナー。 野菜をグリルしオリーブオイルで和えたサラダ、胡椒だけで焼いたステーキ、ポテトグラタン)。
このスタイルは、(食が不味い不味いと言われながらも過去10年に素晴らしい改善を果たした)イギリスで人気ですが、オーストラリアの方がピッタリ。 浴びている太陽の量が違うのでしょう、ちゃんとしたマーケット(もっぱら行くのはQueen Victoria Market)では風味豊かでとびきりフレッシュな食材が安価に手に入ります。 特に私の大好きなフルーツが笑っちゃうくらい安いのが素晴らしい!
Our Big Fat Croatian Christmas
1年中で最も大事な家族行事のクリスマス・ディナー。 夫の実家では、毎年親戚一同で集まるのですが、「親戚」にどこまで含めるかがビミョー・・・な上に、大家族になると必ず問題児が現れ、数年に1度はソープオペラ(昼メロ)のようなドラマが繰り広げられるのだそう・・・
今年は義妹(夫の妹)が婚約したので、義妹のフィアンセIの実家に招かれました。
彼はクロアチア系オーストラリア人。 本人はオーストラリア生まれですが、両親はクロアチア移民1世。 生粋のクロアチア文化を守っていて、叔父・叔母・弟夫婦とその子供も含めた7人の大所帯で暮らしており、さまざまな映画のようなドタバタ話を聞いていたので、だいぶ前からとーっても楽しみにしていた私。
祝日なのにラッシュアワーかというほどの渋滞を抜け(それぞれのクリスマス・ディナーに向かう車で大混雑)、iの実家にたどり着くと、庭で待っていたものはロティスリーで焼かれる2羽のターキー。 店じゃなくて自宅に本格的なロティスリーを持っている人を初めて見た私。 タ・タダ者ではないグルメだ・・・ 一気に興奮が高まります。
そして紹介された家族は・・・ ”My Big Fat Greek Wedding”(邦題:マイ・ビッグ・ファット・ウェディング)という映画をご覧になったことありますか? あの家族とそっくり。
スーパー・フレンドリー、すごいアクセントの英語でよくしゃべり、よく食べよく笑う、本当に映画に出てきそうな南ヨーロッパ人。
年の瀬ですが・・・
年の瀬ですね・・・ 季節を感じることのない常夏シンガポールでも年の瀬になると妙に焦ってしまうのは日本人だからでしょうか・・・?
夫婦お互いの母国ではない第3国に住むのを結構気に入っている私ですが、自分の文化の季節のイベントや伝統の行事が全く盛り上がらない、というのがネックです(→『多民族国家の祝日の過ごし方』)。
今、街中ではもちろん商魂たくましくクリスマス・イルミネーションでいっぱいですが、まあ風情はゼロです(暑いってのも風情を感じさせないのかもしれない、というと、「クリスマスは夏のものだ」という南半球出身の夫が怒るが)。 やっぱり中華の国なので街中が一番盛り上がるのは中国正月、次いで中秋節。
私が実家に住んでいた頃は、家に帰って玄関のドアを開けると靴箱の上のスペースに必ず季節の飾り付けがしてありました。 それを見て「ああ、もうすぐ雛祭りだなー」とか感じ、雛祭りにはちらし寿司を食べ、端午の節句には柏餅とちまきを食べたものです。
私もそうしようと決心していたのに親元を離れてひとり暮らし時代はそんな面倒なことするわけもなく(笑)、結婚してからも全くしていません。 シンガポールには明治屋と伊勢丹スコッツという品揃えバツグンの日本食スーパーがあるので、買おうと思えばいくらでも買えるのに・・・
去年の大晦日に年越しそばを食べて、今年のお正月にお雑煮をつくったのが、最初で最後でした・・・
家庭の幸せと職場の幸せは分れない
ボルネオに行く直前、嬉しいサプライズがありました。
前世界銀行副総裁の西水美恵子さんのことを書いた『教育における重要な変化』に、ご本人からお礼のメールが届いたのです。
雲の上のようなキャリアの方でも、名前をアラートにかけて、パーソナライズなメールまで出されるのですねー、としばし感動。
で、本当に考えさせることが多い西水さんの過去の寄稿アーカイブを引き続き読んでいるのですが、その中で涙が出てしまったものを紹介。
『おねしょの教え』というタイトル、一部抜粋。
優秀な部下の成績が下がり、目に見えて元気がなくなっていくのに気付いた。
理由を聞くと、小学生の息子。 「成績が下がり、海外出張で留守する度に寝小便。 心配で仕事が手につかない」と嘆く。 仕事と家庭が両立せず、いっそ世銀を辞めようかと迷っていた。 母性本能か勘か、何がそう言わせたのかは知らないが、ふと思いついて「出張に連れていってみたら」と勧めた。 やる気があるなら旅費も出すと約束した。
原宿・巣鴨・新橋・秋葉原
日本に行ったことのある外国人友達はだいたい「日本スゲー!」と驚愕して帰ってきます(そんな友人たちの様子→『ドレスコードは”日本人”?』)。 とりわけ東京は「世界どこの都市とも違う、見たことのない都市」だと言います。
「見たことのない」というのは、日曜に明治神宮前に集まるゴスロリ女子たちと神宮の伝統建築のコントラストだったり、世界一電子音がうるさい新宿ネオン街とのコントラストだったりするのですが、私は東京を東京たらしめているものは、全く異なったジャンルのエリアが隣同士で共存してひとつの巨大都市をつくりあげていること、特に「原宿・巣鴨・新橋・秋葉原」の4エリアは東京だけの特異なエリアだと思います。
この4エリアに共通するのは、「同性だけで集う場所」ということ。
原宿→ギャルのメッカ、巣鴨→おばあちゃんの原宿、新橋→サラリーマンの憩い場、秋葉原→オタクの聖地、といずれも同性の特定グループが集う場所です。 特定グループの嗜好に合わせてエッセンスを昇華させていったこれらの街は純度が高すぎて、他のグループに属する人々が足を踏み入れにくい街でもあります。
欧米の街でこれにもっとも近いのは、エスニックタウン(中華街・インド街など)やゲイ・レズビアンなどマイノリティーが集うエリアであり、同性だけで集う場所というのは見当たりません。 なぜなら、欧米人(とすると曖昧なので、白人がマジョリティーの文化)はカップル(婚姻関係の有無は問わない、同性パートナーでもよい)を行動の基本単位とするので、アフターファイブと週末は日本のように同性同士で群れないから(ティーンエージャーというほんの一時期を除くが、彼らにも刷り込みされているので憧れている)。
あな奥深き日本語
こ・これは面白い・・・
シンガポールに出張で来ている高校時代の同級生が買ってきてくれました、『日本人の知らない日本語』。 日本の日本語学校で日本語教師をしている先生と熱心な外国人学生の笑えるバトル、漫画です。
『ダーリンは外国人』と似てるのですが、あちらがトニーさんのキャラクターが異色で「いや、こんな外人いないから」だったのに対し、こちらはまさに私の日常です。
本には、任侠映画好きのフランスマダム マリーさんが「おひかえなすって! 私マリーと申します」と自己紹介し、「私のことは姐(あね)さんと呼んでください」と言う場面があるが、気持ちはわからなくもない(?!)。
私の夫の日本との出会いは大学時代にはまったオンラインゲームの”SHOGUN(将軍)”(たぶんこれ)とエバンゲリオンだそうだ(別に彼が特別オタクだったわけではなく、大学でエンジニアリング専攻になると突然周りがアジア系ばかりになり、彼はその中でもかなりマイルドな方だったらしい→『アジア人はなぜ数学ができるのか』)。
この前は「将軍」と「大名」と「侍」の違いを夫に教えてもらったし、「参勤交代」「百万石」という言葉も知っていた(しかし普段の日本語はたいしたことない)。 でも「忍者と芸者は大名の城の中の使用人(忍者を倒さないと大名にたどり着けない)」と言っていたので、そのへんの知識は怪しい(笑)。
そして私にはエバンゲリオントークはできないのが残念だ(時代が違う、キン肉マンやドラゴンボールトークならさぞかし盛り上がったことであろう)。
余計なお世話
日本にいた頃は、「余計なお世話な人が多いなー」と思っていました。
20代前半には「彼氏いないの?」
20代後半になると「結婚しないの?」
結婚すると「子どもはまだ?」
1人目が生まれると「2人目は?」
・・・と延々と続く社会のプレッシャー・・・というイメージであった。
ところがどっこい。
シンガポールに来て「日本(正しくは「東京」かな。 日本では東京以外で社会人したことないので)なんて全然甘いぜ」と思うことがよくあります。
今の私たちの場合は「子どもは?」ですね。
友達はもちろんのこと、初対面の相手(中国系シンガポール人)からも普通に聞かれます。 ちなみに、子どもがいる人の話によると、男の子だと喜ばれ、女の子だと「2人目は?」と聞かれるらしい。
結婚してから日本に住んでいないので比較はできないですが、子どものことに関する余計なお世話っぷりはおそらく中国系の方が上。
「子どもをたくさん産んで3世代の家族全員で中華の丸テーブルを囲むことが幸せ」みたいな価値観が根強く残っているのだなー、とつくづく感じます。
幸せって何だろう?
私は本屋をぶらぶらするのが大好きなのですが、昨日ぶらぶらしていると、どこかで聞いたことがあるフレーズがタイトルになっている本が・・・”Dance with Chance”。
どこだっけなー?と思いながら本を開いてみると、著者に見覚えあり。
去年行ったINSEAD卒業生対象のイベント”Meeting in Asia 2008″で語ったINSEADの統計学教授3人が著者で、そのプレゼンのタイトルが”Dance with Chance”でした。 同名の本『Dance With Chance』が先月出版されたよう(専用Websiteまでできていた)。
去年のプレゼンは面白く、ざっくり以下のような内容でしたが(→『INSEAD誘致失敗で失ったもの』)、
「昨今の金融危機で露呈されたように、人間は自らの力を過信し実際以上に現実をコントロールできると思いがちである。 この”コントロールできるという幻想”がさまざまな局面で「幻想」に過ぎないことを示し(例:5年後のダウ・ジョーンズ予想)、コントロール不能な現実が多くあることを自覚することによって、自分の人生を取り戻そう」というもの。
プレゼンに出てきた幾多の例はそのままに(*1)、本の後半ではさらに「では、自分の人生を取り戻すにはどうすればよいのか?」というところまで踏み込んでいます。
*1・・・現実を”コントロールできるという幻想”の例で私が好きなのが、「911後、航空旅客は急減し車に切り替える人が急増したが、航空事故の死亡者数は自動車事故の死亡者数よりはるかに少ない(2002年と2003年は米国での航空事故死亡者数ゼロ)。 「車のハンドルを握れば自分が生死をコントロールできる」と思うのは幻想である」、というもの。
私はこれが大きな理由で日常生活では車に乗らなくて済むところに住もうと決めています。 Not worth the risk…