日本から帰ってきたのに日本のことを書いていないのですが、関西は街を歩くと
1. 外国人観光客がほとんどいない!
2. 震災支援の募金活動が目につく
くらいで、ニュースさえ見なければ、ほとんどいつもと変わらず実に平和でした。
そして、今回の大震災で自分の人生の何を見直すべきなのか?ということをつらつらと考えていました。
1. 人
大地震の一報を聞いた直後、ほとんどの人は(当時やっていたことを放り出し)まず自分の家族、次いで大事な友人の安否確認に追われたのではないでしょうか?
連絡がつかなかった時間(ほんの数十分かもしれないし数日かかったかもしれないが)、何も手につかず、ただただ無事でいてくれることを祈っていた相手、その人たちこそがキャリア・財産・社会的地位よりも何よりも大切な人たちなのです。
私は自分の大事な人を毎日幸せにできない人は尊敬していないのですが(『文化の壁を超えるCM』で紹介したANA-読売新聞のCMのおじさんみたいな、笑)、今回の帰省ではいつものようにオフ会などで新しい人と出会うことを目的とせず、(息子にとって初日本だったので)家族や昔からの友人と過ごすことにしました。
実際は、長距離フライトが思った以上に大変で時差ボケに始まり時差ボケに終わった旅だったので、このくらいゆったりでよかったようです。
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震災後の人生棚卸し
きっかけはいつも個人的な経験
何か行動を起こすとき、特に大きな行動を起こすとき、きっかけはいつもすごく個人的な経験だと思います。 逆に言うと、自分がすごく揺さぶられるような経験には、大きな行動を起こす種が眠っています。
そこで今回、『プロジェクトPhoenix』を立ち上げた個人的な経験を書いておきます。
私は今回の地震はTwitterで知りました(→『痛みが距離を超えた日』)。 「M8.4」という数字を見た瞬間に(*1)、ただごとではない事態に気づき、次に頭に浮かんだのが”It took a devastating earthquake for Japan to change.”という言葉でした。 なぜか頭に浮かんだのが英語で、このフレーズが10年後くらいのThe Economistか何かの記事になっている様子が瞬間的に頭に浮かびました。
*1・・・ご存知の通り、後にM9.0に訂正されました。
It took a devastating earthquake for Japan to change.
このフレーズには
1. 失われた20年を経験しても自発的に変われなかった日本は、結局、こんなひどい惨事を経験してようやく変われたね〜
2. 日本って、あの地震以来、ホンットーに見違えるように変わったよね〜
いろいろな受け取り方ができますが、後世でどう言われるかは、今、まさに私たちがどう動くかにかかっていると思いました。
プロジェクトPhoenix(仮)始動
こちらでお知らせしたプロジェクトPhoenix(*注)、昨日のキックオフミーティングに休日なのに時間を割いて9名の方に参加していただきました。 ありがとうございます!
注:まだ仮名です。 ネーミング募集しているので最後まで読んでください♪
ミーティングに先立ち、アイデアを募集したので本当にたくさんのアイデアが集まりました、どれも捨てがたいアイデアばかりです。 ブログを読んですぐ「プロジェクトに寄付したい」という匿名希望の寄付者が現れ、相当の活動資金ができました(本当にありがとうございます)。
震災の記憶も生々しい今、多くの人が「何かしたい」という気持ちを持っていると思いますが、ほとんどの人は毎日の仕事や学校・育児など”day job”があるため、モーメンタムが続かないのが現実です。
一時的に寝食の間を惜しんでチャリティー・イベント開催に没頭したとしても、1カ月もすれば息切れしてしまいます。 一般の仕事を持っている人はその1カ月すら続かないのではないかと思います。
一方、この震災からの復興は実に苦しい長期戦になります。
特に被災者が心に受けた傷は一生完全に癒えることがないかもしれませんし、原発の影響が長引くと出ていった外国人が戻ってこないばかりか、将来の観光客・ビジネス客・留学生・住みたい人が激減するかもしれません。
前のブログにも書きましたが、「愛(Love)」の反対は「憎しみ(Hate)」ではなく、「無関心(Indifference)」です。
この相反する事情をどうやって仕組み的に解決しようか考えていました。
海外在住日本人による震災チャリティー活動
海外にいる人が震災チャリティーを立ち上げていることを初めて知った
とコメント頂いたので、いくつかご紹介します。
まずは、このプロジェクト(*)にも参加してくれるSOAS(ロンドン大学のThe School of Oriental and African Studies)交換留学中の舟越さんが作成したSOASからのメッセージビデオ”We are with Japan”。
*プロジェクトの仮名が決まりました! 「プロジェクトPhoenix」です。 The Economistの記事の中にあった”Phoenix in the east”という表現が気に入ったので。
The Economist : Nature strikes back
アイデンティティーとは何か。
海外在住の方、先週は日本から24時間流れてくるショッキングな映像を見ながら、心の一部がもぎ取られるような思いをしたのではないでしょうか?
特に普段あまり周りに日本人がいない環境で暮らしている人は、普段と何ら変わらない日常を送る周囲と東北の惨状とのギャップにショックと無力感を抱きながら、いてもたってもいられず募金活動などできることを始めた人が多かったようです。
最近、「日本脱出論」が盛んで、その中で海外在住の(特に日本に帰る予定がない)人に対して「日本を捨てたんだから日本人じゃない」的な発言をした人たち(*1)には、必死でチャリティーイベントを企画し実行している彼らの姿を見せてあげたい。 周りに日本人がいないということは、自分しかやる人がいないのです。「自分がやらなくても誰かがやってくれるだろう」はないのです。
*1・・・この種の人たちに対して古賀洋吉さんが切れてます→『日本に貢献すること、世界に貢献すること』
私が日本にいないのはこういう理由です→『20、30、50年後を想像しながら動く』
アイデンティティーって自分の「心がある」場所のこと、物理的な場所とは関係ないんですよ。 そのことを強く思い出させてくれた記事を紹介します。
ロンドン中の通勤客が読んでいるLondon Evening Standardという無料夕刊紙で、Ocado(*2)の共同創業者の1人Jason Gissingが日本への義援金を募ることにした経緯をインタビューで語っていました。
London Evening Standard: Ocado founder: I was about to get on a plane to Japan
*2・・・Ocadoとはロンドンで市場シェア50%以上を占めるオンライン食料品ショッピングサイト。 我が家の生活はOcadoなしでは考えられません。
遠く離れた私たちができること
もう”あの日”から1週間が過ぎようとしています。
Twitterで話題になっていた松山千春さんの言葉です。
知恵のある奴は知恵を出せ。
力のある奴は力を出せ。
金のある奴は金を出せ。
何もないよ、、って奴は、とにかく【元気】を出せ!
この言葉通り、ロンドンでも多くの日本人がチャリティー・イベントを開催しています。 パティシェのママ友はケーキを焼き、観光ガイドはチャリティーウォークを開催し、音楽家たちはコンサートを開き、手づくりの募金箱をいつも行くカフェに置かせてもらい・・・
一番有名なのはロンドン在住のバイオリニスト葉加瀬太郎さんが毎日ロンドン内各所で行っているチャリティーコンサート。
昨日の朝はBBCのショーに出演され(→「とにかく何かしたい!」という気持ちがにじみ出た素敵なインタビューはこちら)、私も昨日フォートナム&メイソンで急遽行われたチャリティーコンサートに行ってきました。
痛みが距離を超えた日
3月11日(金)朝8:00(日本時間17:00)、夫と息子をバタバタと送り出し、ひと息つこうとパソコンを開いたのと、携帯SMSの着信音が鳴ったのがほぼ同時だった。
パソコンを立ち上げながら、今送られてきたSMSメッセージを見る、ロンドンに住むINSEAD友達、中国人Yからだ。
Hope all is ok with your family and friends back home.
へっ??????
意味がわからず、今開いたばかりのtwitterで最初に目に入ったリンクをクリックしたら右の写真だった(時事ドットコムより)。
何これ???
次々に「M8.4」、「東北」などの文字が目に飛び込み始め、どうやら日本で大地震があったらしいことがわかった。 奈良にいるはずの親と東京にいるはずの弟に電話してみると、どっちもつながらない。
Facebookで「日本は電話がつながらないっぽい。 家族に連絡が取れない。」と英語でつぶやいたところ、世界中の友達から次々に「家族や友達は大丈夫?」とメッセージが入り始めた。
そうこうしている間に、親とは電話がつながり、歩いて帰宅したらしい弟がFacebookにサインインしてきてチャットできた。 家に帰れず職場で一夜を過ごすことにした友人たちが次々とFacebookやGmailにサインインしてくるため、そのたびに無事を確認。