Tag Archives: ワーク・シフト

キャリアの下り方 – 2

前回の続きで、キャリアのひとつめの山を下りるときの話。
「稼いでいた頃の私症候群」は心理的な抵抗感ですが、キャリアを下りたときに生じる経済的損失の方が多くの人にとっては恐怖だと思います、これが怖くて沈みかけた船から下りられない人は多いはず(今、船から下りないとその船は沈んでしまうので、『どうせ痛い思いをするなら早めにしよう』なのですが)。

対策としては当たり前のことしか書けないですが、

  1. 1. 山を下りる前に次の山に登る
  2. 2. 生活レベルをダウンシフトする
  3. 3. 夫婦でシングルインカムで暮らせるよう支出を抑える
  4. 4. 山を下りる前に生活費を貯金しておく

1. は『ワーク・シフト – 孤独と貧困から自由になる働き方の未来図〈2025〉』でも勧められていた方法ですが「これができたら苦労しない」ってやつです。 そもそも今後の世界で通用するレベルの次の山を築こうと思ったら、本著でもマルコム・グラッドウェルの『天才! 成功する人々の法則』でも述べられているように、何をマスターするにしても1万時間(1日3時間を10年)を費やさなければいけないので、フルタイムで働いている人がこの時間を捻出するのは難しい。
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キャリアの下り方 – 1

屈指の『未来に備える本』と言える『ワーク・シフト – 孤独と貧困から自由になる働き方の未来図〈2025〉』から気になった箇所をいくつか。
イケダハヤトさん(@IHayato)のブログ『「死ぬまで働く」時代の「カリヨン・ツリー型」キャリアについて』でも引用されている「カリヨン・ツリー型」キャリアが私にも響きました。

今後主流になるのは、いくつもの小さな釣鐘が連なって職業人生を形づくる「カリヨン・ツリー型」のキャリア。 精力的に仕事に打ち込む期間と、長期休業して学業やボランティア活動に専念したり、仕事のペースを落として私生活を優先させたりする期間を交互に経験し、ジグザグ模様を描きながら仕事のエネルギーや技能を高めていくのである。

これからは富士山型ではなく「八ヶ岳連峰型の人生観じゃないと、人生後半がさみしくなりますよ」とある日経ビジネスオンラインのこの対談も趣旨が似ています。
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未来に備える本

ようやく子どもが2人になり、「これで子どもが小学校・中学校に入る年がわかる!」と喜んだのも束の間のこと(→『人生の駒がどんどん決まる幸せ』)。 これからどんどん老いる先進国に生まれ、地球温暖化を初め課題は山積み、待ったなしでグローバル化が進む世界で、地球の裏側のハングリーで貪欲な同世代との競争を迫られる子どもたちにはどのような教育を受けさせるべきか、もっと根本的な問題として親としてどういう背中・姿勢を見せたらいいのか、考えていました。
『20、30、50年後を想像しながら動く』を書いたのは2年半前ですが、つらつらと漠然と考えていた将来をもっと具体的な未来予想図を提示しながら動く方向性を示してくれた本に出会いました、先日書いたリンダ・グラットン著『ワーク・シフト – 孤独と貧困から自由になる働き方の未来図〈2025〉』

やっぱり無料で読める誰かが切り取った本の抜粋や5分で読めるニュース記事をちらちら追いかけるのではなく、こういう何百ページもある骨太の本を読まなきゃだめですねー もちろん未来の「答え」ではありませんが、ビジネススクールの教授らしくわかりやすいフレームワークを提示して、たっぷり考えるきっかけと動く方向性を示してくれました。 逆にこの本読んでも動けない人はどういう危機感持ってるんだろうと思います。
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