Tag Archives: ワークライフバランス
去年の記事だけれど、読んでものすごく感じるところがあったのでシェアします。
“9 things I wish I’d known before I became a stay-at-home mom”(専業ママになる前に知っておきたかった9つのこと)
著者は米系銀行ロンドン支店でのバンカーのキャリアをあきらめ家庭に入った3人の男の子のママ。 2人の男の子を産んだ後もフルタイムでキャリアウーマンを続けていたが、3人目が産まれた時にもう続けるのは無理とキャリアをあきらめ専業ママに。 その決断を時が経ってから振り返ったもの。 努力次第で何にでもなれると男女平等に教育を受けて育ち、仕事を始めてからも男性と同様に仕事をこなし、同じ業界の人と結婚。 そんなに時間とお金をかけて受けた教育や築いたキャリアを簡単にあきらめるものではない、と教えられてきたけどあきらめた・・・ ぜひ全文(→こちら)を読んで欲しいですが、以下要約です(と言いつつ、ほとんど訳してしまいました)。
1) 私の自信は粉々になった
自己に対する自信とは子ども時代と青少年期を経て築かれるもので、大学を卒業する頃には自信は確固たるものになるのだと思っていた。 社会的な自信はついても、職業人(professional)としての自信は全く別物。 職業人としての自信は貪欲な獣みたいなもので、定期的な「職業上の成功」を餌として与えなければすぐに縮んでしまうものだと知った。
私の自信はあらゆる方向からダメージを受けた。 外の世界は進んでおり、自分は時代遅れになったと感じた。 誰も職業欄に「母」としか書けない人のことは相手にしないのではないかと思った。 数年経ってから職場復帰した時に私の周りは一気に若返っていて、仕事を辞めずに残っていた人たちは遥か上に昇進していた。
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6 Comments | tags: キャリアウーマン, ワークライフバランス, 専業ママ | posted in 2. ビジネス・キャリア, 7. 心・精神, 文化・アイデンティティー
以前、『MBAの同窓会』、『5年目の同窓会』というエントリーでINSEAD卒業後、5年目の同窓会の話を書きました。 これを書いた時からさらに4年経ちました。 ・・・ということは来年は卒業10周年なんですね。 月日が経つのは早い・・・
日本でのMBA論と言えば東洋経済オンラインで『超一流MBA校で戦う日本人』という勇ましい連載がありましたが、とうの昔に卒業し、MBAキャリアからは程遠い道を歩んでいる私にとっては、MBAは終着駅でも人生最大のイベントでもなく新しい旅路の始まりです。 今でもMBA生活を一緒に過ごした友人たちの動向を知るたびに懐かしい気持ちになり励みになります。
そんな折、私が行ったINSEADでOB(Organizational Behavior、組織行動論)の教授が”Memoirs of Life and Work a Decade after an MBA”(MBAの10年後のメモワール)と題したケースを執筆したそうで“Is There Life After an MBA?”(MBA後に人生はあるの?)という記事がINSEAD友人たちの間でシェアされていました。 ちょっとおセンチになってる感はありますが、なかなか良かったので訳して紹介しておきます。
自身もINSEADでMBAを取得したこの教授Jennifer PetriglieriはClass of 2002(2002年卒業生)19人にMBA後の10年間の生活を振り返ってもらいそれをまとめたそうです。
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悩み相談メールをもらってから時間が経ってしまいました。
「グローバルに国・都市を移動する生き方をしていて恋愛、そして結婚できるのか? 家庭は?」という24歳女性からの相談です(詳しい質問の背景はこちら)。
私の(特にビジネススクール時代の)友人は国境を越えて働いている人が多いですが、夫婦で国境を越えた移動をした場合、どうしても出産・育児でキャリアのギアスピードを一旦落とさざるをえない妻の方がペースダウンし、夫のキャリアを優先させることが多いです(→『MBA女性の10年後』、『女性MBAの出産後のキャリア – 1』、『 – 2』)。 MBAじゃなくても、夫の方が商社など海外異動が多いポジションに就いているカップルも同じ。
子どもがいないうちは期間限定の別居婚をする夫婦は数多く知っていますが、子どもが産まれてからはやはり妻の方が家庭重視にシフトするケースがほとんど。
「じゃあ、必死でがんばっても意味ないの?」と思うかもしませんが、難しいのは「夫婦共に会社員(つまり雇われる身)として海外異動すること」であり、「働くこと」ではないです。
以前書いた私の友人たちのうち、生まれ育った国以外の国で暮らしているケースだけを見ても・・・
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2 Comments | tags: キャリア, グローバル, ワークライフバランス, 女性 | posted in 2. ビジネス・キャリア, 5. 趣味・プライベート, 海外に住む, 企業・会社員
先週末、友人(英伊カップル)の3歳の子の誕生日パーティーに呼ばれたのですが、当たり前のようで個人的には衝撃的なことを発見しました。 招かれていたのは、0 – 4歳までの子ども(兄弟もたくさん)を持つファミリー6組ほど。 初対面の家族ばかりでしたがフレンドリーにいろいろ話したのですが、親たち全員が疲れていた!!!
母親だけでなく父親も育児と仕事の両立で疲れ切っていたのが印象的。 みんな睡眠不足からくる疲れと子の成長を眺める幸せが入り交じった独特の、とても身に覚えのある雰囲気を漂わせていました。 やはり”Generation Xhausted”である(→The Economist : Generation Xhausted)。
現代の父親たちは一世代前の父親と異なった次のようなトレンドにさらされています。
1. 父親の育児参加は当然に
私は「育児参加」という言葉が嫌いですが(「明日の飲み会参加する?」「うーーん、明日はちょっとやめとく!」くらいのノリで「参加」されても困る。 共同責任だし育児に休日はない)、イギリスでは働く母親が多いこともあり、父親と母親が育児の負担をシェアするのは(シェア比率はともかく)ごく一般的になってきました。 産前クラスでもさんざん強調されます(→『出産・育児は2人でするもの』)。
もちろんその形は家庭によりけりですが、例えば息子のナーサリーで送り迎えをしているのはパパ40%くらいの比率でしょうか(ほとんどの家庭は送りとお迎えを分担)。
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日経ビジネスオンラインで久しぶりに1ページに10回くらいうなずいてしまうこのコラム、『英語の公用化って何?』。 著者の河合江理子さんはINSEADの大先輩です、面識はありませんが。
特に全部蛍光マーカー引きたいくらいだった『英語ができても、意思が通じるとは限らない』から抜粋。
私が今でも意識しているのは、アメリカの文化人類学者であるエドワード・T・ホール氏による「『ハイ・コンテクスト文化』と『ロー・コンテクスト文化』についての概念」である。 コンテクストとは、ざっくりと言えば、状況や背景(バックグラウンド)を指す。
ハイ・コンテクスト文化圏としては、フランスなどのラテン系やアジアなどが当たる。 こうした地域では共通の価値観が長い間かけて作られているため、「いちいち言葉で伝えなくても、お互いに相手の意図を察し合うことでコミュニケーションが成り立つ」というのがホール氏の解釈だった。
一方、アメリカやドイツなどは、ロー・コンテクスト文化圏に属する。 こうした国々の人とは、理論的に説明しないと意思疎通できない。 移民国家は、たいていロー・コンテクスト文化である。
ちなみに、日本は「典型的なハイ・コンテクストの国」とホール氏は指摘していた。 実際、日本には「阿吽(あうん)の呼吸」や「空気を読む」といった独特の表現がある。 言葉を使わずに相手の言いたいことを理解するのは、高いレベルのコミュニケーションスキルと言える。
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今週、イギリスではデイビット・キャメロン首相に女の子誕生(!)という嬉しいニュースがありました。 まずは誕生直後の喜びのインタビューをどうぞ。
「え?! 奥さん何歳?」と思いきや、首相夫人のサマンサさんは39歳でした。 現役の首相に赤ちゃん誕生といえば、2000年にブレア首相に第4子が誕生しています。 イギリスのトップ、若い(& 子沢山だ)な〜
キャメロンは期間は明言していないものの育児休暇(paternity leave)を取るそうですが、イギリスの新聞は概ね好意的、というよりすでに予定されていたので当然という受け止め方。
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以前、『MBA女性の10年後』というエントリーで、MBAを取得した女性の半分が10年後は専業主婦になっている現状について書いたところ、「妻がバリバリ働き、夫が家庭をサポートするケースもある」というコメントを頂いたのですが、今まで私の身近にはいませんでした。
1. こちらやこちらに出てくる中国人Yのように家事と育児は住み込みのフルタイムナニーにほとんど任せて自分も長時間働き高給を稼ぐケース(ただし少数派)
2. 夫の海外転勤などをきっかけに自分の仕事はうんとスケールダウンして育児を優先させるケース(乳幼児がいる年齢なので増えてきた)
3. 夫婦ともにワークライフバランスを目指しながら家庭と仕事を常にジャグリング・四苦八苦するケース
のいずれかしか知りませんでした(もちろん子どもがいない人は今まで通り働いている)。 また、シンガポールのようにメイドなどヘルパーが雇いやすい国に住んでいるとだいぶ事情は異なります(→『6家庭に1軒がメイドを雇う社会』)。
ところが、ついに見つけました、4. 自分が長時間働き高給を稼ぎ、夫が家事・育児をサポートするケース。 ロー・ファーム(法律事務所)でパートナーを目指すイギリス人L。
彼女はすぐ近所に住んでいる両親学級で知り合ったママ友達の1人(→『Yummy Mummyたちの集い』、『Yummy Mummies’ Babies』)。 ここで知り合った7人(+7人のベビー)は今も毎週欠かさず会っていて、最近は離乳食や仕事復帰、チャイルドケアなどに話題が移ってきました。 時が経つのははやいなー・・・出会ったときは全員臨月の妊婦だったのに。
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HNWIs(High Net Worth Individuals)という人種がいます。
Merrill LynchとCapgeminiが毎年出すGlobal Wealth Reportによると、US$1mil.(約9,000万円)以上の金融資産(居住用不動産除く)を持つ人たちのことで、全世界に860万人いるそうです(2008年)。
Wikipedia : High net worth individual
高給サラリーマンにも手が届く層で、私の同級生でも夫婦どちらかがバンカー(*1)でVPやMDレベル、もしくは夫婦両方バンカーの場合、この層に該当していると思います。
*1・・・一般的に”Banker”という場合、欧米投資銀行のフロント業務(トレーダー、ディーラー、ファンドマネジャー、M&A、セールス etc.)についている人を指し、30代前半(VPクラス)で3,000万 – 1億円、35歳以上(MDクラス)になると6,000万 – 10億円? という高報酬が得られます(過半がボーナスなので年によって大きく異なる)。 その代わり競争は熾烈で激務なので、辞めていく人も多い。 日系銀行の課長・部長とは全く異なる人種。
どんな生活をしているかというと、ロンドンであればセントラルの北・北西の高級住宅街に家賃120万円/月のアパートに住み、住み込みナニーに払う年間コストが1,000万円、私立小学校に通う子供の学費が年間300 – 400万円/人、といった感じ。 いるところにはたくさんいるので、生活は垣間見られます(見たいかどうかは別として)。
普通のサラリーマン(といっても幅広いが)の生活コストすべてにゼロをひとつ足したくらいの生活ですが、基本はサラリーマンなので、この生活を支えるために、少なくとも夫婦どちらかが身を粉にして働く必要があります。
そして、その上にUltra-HNWIs(Ultra-High Net Worth Individuals)という人種がいます。
US$30mil.(約27億円)以上の資産を持つ人たちのことで、全世界に95,000人いるそうです。
このクラスはサラリーマンはなれず、会社オーナー・大企業経営者・トップクラスのアスリートや芸能人・代々の資産家・・・etc.などでしょうか? この層は働かなくてもいい層で、生活はちょっとやそっとで垣間見ることはできませんが、今日はこのUltra-HNWIs(超富裕層)と接した友人から聞いた話。
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ボルネオに行く直前、嬉しいサプライズがありました。
前世界銀行副総裁の西水美恵子さんのことを書いた『教育における重要な変化』に、ご本人からお礼のメールが届いたのです。
雲の上のようなキャリアの方でも、名前をアラートにかけて、パーソナライズなメールまで出されるのですねー、としばし感動。
で、本当に考えさせることが多い西水さんの過去の寄稿アーカイブを引き続き読んでいるのですが、その中で涙が出てしまったものを紹介。
『おねしょの教え』というタイトル、一部抜粋。
優秀な部下の成績が下がり、目に見えて元気がなくなっていくのに気付いた。
理由を聞くと、小学生の息子。 「成績が下がり、海外出張で留守する度に寝小便。 心配で仕事が手につかない」と嘆く。 仕事と家庭が両立せず、いっそ世銀を辞めようかと迷っていた。 母性本能か勘か、何がそう言わせたのかは知らないが、ふと思いついて「出張に連れていってみたら」と勧めた。 やる気があるなら旅費も出すと約束した。
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17 Comments | tags: キャリア, ワークライフバランス, 家族, 幸せ | posted in 2. ビジネス・キャリア, 5. 趣味・プライベート, 家庭・育児, 企業・会社員
週末、友人の昇進サプライズパーティーに招かれました。
今まで誕生日パーティー、歓迎会、送迎会、婚約パーティー、いろいろ行ったけど、昇進パーティーってのは初めて(本人が企画したものではなく、同僚が企画したサプライズだったけど)。 ひょっとしてこれからもっと招かれたりするのかしら?
彼は私と同い年のフランス人。 留学時代のハウスメイトで、唯一マジ喧嘩をした相手であり、親友であり、留学後はお互い母国に帰ったのになぜか2人ともほぼ時期を同じくしてシンガポールに引っ越しました。
MBA前にプライベートエクイティー(PE)という珍しい経歴で(普通、PEってのはMBA後の憧れの就職先であり、新卒そこらのペーペーは滅多に入れない)、頭がスーパー良くて私はよく勉強を助けてもらったのだが、MBA後はあっさりマッキンゼーへ(彼の場合、PE出身なので年収ダウン)。
その後みるみる昇進して5年経たないうちにジュニアパートナーになったというめでたいお話。
私の非日本人友達の中では断トツのワーカホリック。
ワークライフバランスの「ワ」の字もなく、シンガポールから1泊3日ニューヨーク出張(飛行時間19時間!)とか、日曜の夜行便でシドニーへ飛び金曜の夜行便でシンガポールに帰ってくるプロジェクトを2カ月間とか、3日間寝てない、とか・・・ で、同じシンガポールにいるのに滅多に会えないです。
「昇進するまで(彼女に)プロポーズできない」という名言を吐いたことも(そういや、昇進したし、プロポーズするんだろうか?)。
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4 Comments | tags: キャリア, コンサルタント, ワークライフバランス | posted in 2. ビジネス・キャリア, 企業・会社員