Tag Archives: ヨーロッパ
一時帰国した関西では連日36℃の猛暑にもかかわらず、大阪も奈良も京都も外国人観光客で溢れていました。 東大寺や大阪城など9割くらい外国人(中華系)だったのではないでしょうか? 私はインバウンドツーリズムが本格的に飛躍する前にシンガポールに移ったので「おお、これが噂の”爆買い”ツーリストかー」と興味深く眺めていました。
そして、前回書いた祖谷にも大勢の個人旅行の外国人ツーリストがいました。 ワンマン一両列車の土讃線にも乗客は私たち以外にひと組欧米人カップルがいたし、宿泊したゲストハウス モモンガビレッジでは私たち以外は外国人ゲストという日が多かったです。 以前からこのブログで「日本の田舎のコンテンツの魅力は世界的にもすごい」と熱く語っていた私ですが(*1)、「ついに四国の山奥にも来るようになったかー」と感慨を覚えました。 もちろんこのブログとは何の関係もないと思いますが。
*1・・・参照:『日本の田舎の魅力を世界に – 1』、『- 2』、『住むように旅する京都』
ところで、私たちは訪日観光の市場セグメント的には「海外で子どもを育てる在外日本人」という非常にニッチなセグメントですが、同時に「ヨーロッパに住む家族旅行客」でもあります。 東洋経済に『新・観光立国論』
著者のデービット・アトキンソン氏が『なぜ欧州の観光客は日本よりタイを選ぶのか』という記事を寄稿しており、以下のように書いていました。
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3 Comments | tags: インバウンド, ヨーロッパ, 観光客, 新・観光立国論, 日本 | posted in 5. 趣味・プライベート, バカンス
地中海沿岸の南ヨーロッパが好きでロンドンに住んでいる私(なぜロンドンかというと仕事あるからです)、ブログで実名を明かす前は’la dolce vita’というニックネームでした(→『’la dolce vita’の由来』)。 英語で”live La Dolce Vita”と言うと「あくせく働いたりせずに、太陽がさんさんと降り注ぐ土地で美味しいもの食べて家族とゆっくり過ごして、のんびり人生を謳歌する」というニュアンス、日本語では「スローライフ」が近いかな?(日本語じゃないけど)
南ヨーロッパは大好きで休暇のたびに南へ飛んでいます。
2007年夏はフランスとスペインのバスク地方、2008年夏は南イタリア、2009年夏は南フランス(1、2、3)、2010年夏は南スペイン(1、2)、冬はアマルフィ(1)、2011年夏はクロアチア(1、2)。 そして今年は1ヵ月前に南スペインに行って(乳児と幼児を連れた旅は疲労困憊したのでブログに書けず・・・)、年末には南ポルトガルに行ってきます。
そんな愛すべき土地の羨ましい’la dolce vita’なライフスタイル(『人が自然に生きられる社会』とも言う)が危機に陥っています。
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昨日「Dubrovnikは観光地化されすぎててがっかりだった」と書いたのですが、「アドリア海の真珠」というフレーズに偽りはない、すごーくきれいなところなんですよ(ユネスコ世界遺産)。 特に丘の上に上って(スクーターが安く借りれます)見る町の全景は本当に言葉を失うほど綺麗。 美しさを現す自分のボキャブラリーの貧困さが悔やまれるほど。
ただ、住人の数に比して観光客が多すぎ。 城壁の中に住む人の数は1,000人を切りそうだとか(Wikipediaより)。 それに対して2010年に訪れた観光客の数は59万人!(Visit Croatiaより)
当然のことながら城壁の中は、土産物屋・観光客向けレストランなど完全にツーリスト向け、値段もツーリスト・プライスになっており「ローカルが好む隠れ家レストラン」を見つけることなど不可能。
美しすぎてしまったために住民の息づかいがしない町になってしまったのでした。 いくら観光客が殺到してもパリほどの大都市(人口220万人)であれば、まだ生活する街のままなんだけどねー(それでもシャンゼリゼのあたりは近づく気もしないけど)
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昨日紹介した『ヨーロッパの目 日本の目』
に、私が初めてのヨーロッパ旅行以来、ヨーロッパに惹かれていた理由(「落ち着く」という表現の方が正しいかも)が「これだっ!」と腑に落ちる言葉になっていたので引用。
人が自然に生きられる社会をどう維持するか、この点に努力をすることが文化の要諦だと考えています。 生活する一人ひとりの心のキャパシティを想像し考慮しながら、すべての経済活動がおこなわれることが鍵です。 良質と表現されてしかるべきモノやコトは、こうした社会からしか生まれようがありません。
「なぜアメリカではなくヨーロッパのビジネススクールに行ったんですか?」と聞かれたことは数えきれず、今まで「ヨーロッパにはQuality of Lifeがある」、「文化度が高い」(→『都市の文化度』)などの表現しか思いつかなかったのですが、経済性だけではない、人の平穏な生活を邪魔する権利は誰にもない、ことが社会の根底に行き渡っているとたしかに思います。
イタリアではイギリスに比べて街がHigh street chain(*1)に浸食されていないことに驚きます。 街には狭い地域に何軒も個人オーナーのバルがあり、どうやら経済的に成り立っているようです。
*1・・・スーパーではTESCO、Sainsbury’sなど、ドラッグストアはBoots、コーヒーはStarbucksやCosta、衣料品はNext、GAPなど、駅前のHigh streetの街並みはどこも一緒。 駅から離れるとindependent shopsがあります(→『日本の鉄道会社の事業モデルは海外でも有効か?』)。
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ロンドンに引っ越してきてから丸1年経ちました。
シンガポールでは完全に外国人のお客さん気分だったので、もう少し地域のコミュニティーに浸かってみようかとも思ってます。
と書いた(→こちら)のはいいけど、逆にどっぷりNappy Valley的生活に浸かりすぎてしまったので、もうちょっと目線を上げようと年末年始はヨーロッパに関する本を何冊か読みました。
一冊目は安西洋之さんの著書『ヨーロッパの目 日本の目』
。
欧州文化を理解するには、古い教会や美術館にある、あの膨大な宗教画が分からないといけないという思いにとりつかれすぎている日本人が多い。
日本人が欧州に対していだく心理的距離感の短縮をはかるのがテーマ。
とあるように、実生活でのエピソードがたくさん紹介され、「うん?」と首をかしげるところに異文化のギャップを読み解く鍵がある、という趣旨で統一されているので、「なるほど、なるほど」と頷きながら読めます。
私も初めてのヨーロッパ旅行(20歳の時に40日間キャンプしながら西ヨーロッパを駆け足で一周)は「教会と美術館を回りあまりの多さに食傷気味になる」という旅行でしたが、今は教会も美術館の宗教画も完全に素通りです。
では旅先で何をするのか?ということを少し書いてみます(以前リクエストもらった「現在は習慣になっていること」にも当たるかな→『苦痛からの抜け道』)。
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この1週間、アイスランドの(いまだちゃんと読めない)Eyjafjallajoekull火山の噴火によるヨーロッパ空港閉鎖はイギリスに大混乱をもたらしました。
私の周りでも、まだメルボルンからロンドンに飛べない義父をはじめ(義母はひと足早く噴火の日に到着)、このロンドンで飛行機で飛ぶ予定がなかったのは(飛行機どころか電車に乗るのもままならない)私と(子供が生まれて1ヵ月は社則で出張禁止の)夫だけじゃないか?と思うほど多くの人が予定キャンセル・変更を余儀なくされていました。
いかにヨーロッパが空の足に頼っているかを痛感。 影響を受けた方、お疲れさまでした。
シャレになっていないのは、すでに経営不振に陥っているBA(British Airways)をはじめとする航空会社。 今回の空港閉鎖は航空業界に$1.7Bil.(約1,400億円)の経済的損失、700万人の足に影響を与えたとのことで、航空会社は政府の対応の遅さ、とりわけ国境を越えた空の安全に関する最終意思決定を行う機関がないことを責め賠償請求を始めました。
15(木)の閉鎖から20(火)のイギリスの空港再開までの政府のドタバタ劇のあらすじが昨日のFinancial Timesに載っていて面白かったので意訳しておきます。
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知ってたけれど、ロンドンは移民が多い。
なお、ここでは移民2世はすでに完璧なブリティッシュ・イングリッシュを話し、イギリス人というアイデンティティーを持っていることが多いので(『私はアジア人 – その他』に出てくるカリブ系黒人、インド系などの多くはそうである)、自らイギリスにやってきた移民1世を指すこととします。
シンガポールにいた頃、キルギスタン人とミャンマー人と知り合ったことがありました。 人口1,300万人のアジアの大都市東京に何年いても普通に暮らしていてキルギスタン人、ミャンマー人と出会うことなぞなかったので、「さすがアジア中から人が集まるシンガポール!」とミーハーにも(?)感嘆したものです。
シンガポールにアジア中から人が集まる一方、ロンドンではヨーロッパ中から人が集まっています。 特に飲食業・小売・サービス業は多いですねー(というのはどこの国でも同じだと思いますが)。
まだ来て1ヵ月ですが、今まで出会ったことのない国の出身者の話をメモがてら。
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7 Comments | tags: アイデンティティー, ヨーロッパ, ロンドン, 移民 | posted in 4. 教養・知識, 7. 心・精神, 文化・アイデンティティー, 時事
日本はトヨタのリコール問題で大騒ぎかもしれないが、ヨーロッパはここ10日間、何はともあれギリシャである。
ギリシャの国債信用力が急落したかと思うと、ポルトガル、次いでスペインと南欧諸国に飛び火し、欧州株式市場が下落、ユーロも下落・・・
毎日、毎日、ギリシャをEUが救済するのか、EU最優等生のドイツが単独救済するのか、EUではなくIMF(国際通貨基金)に頼るのか、それともデフォルト(債務不履行で破綻)させるのか、さまざまな情報・憶測が飛び交いニュースを賑わせています。 今日のブリュッセルEU首脳会談でだいたい大筋決まるのかなー?
JB Press : The Economist – 極めて欧州らしい危機
JB Press : Financial Times – ユーロ圏の次の一手
週末会った友達が英系投資銀行に勤めていて、今週は緊急アテネ出張で「ギリシャ政府に”解決策提案しろ”と言われてるけど、根本的な解決策がないのよ~」と頭を抱えてました。
今回「ギリシャをユーロ離脱させろ」論が高まったのが、なぜかもの悲しいのは、ユーロという通貨同盟を大きな柱としたEUという壮大な構想が美しすぎた夢物語だったのか・・・、という気がしてしまうから。
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5 Comments | tags: ギリシャ, ユーロ, ヨーロッパ | posted in 4. 教養・知識, 時事