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ヨーロッパ最後の中世 マラムレシュ – 3

マラムレシュ紹介シリーズ最終回!
前回までは今もほとんど変わらないBreb村の生活様式の話でしたが、今回は変わりつつある側面の話。 引き続き、William Blackerの著作“Along The Enchanted Way”から。

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共産主義政権が倒れた後、初めにやってきたのは文化人類学者や言語学者たちだった。 その後、国内経済が極度の困窮に陥り西側諸国のチャリティー団体から支援物資が送られてきたが、自給自足で食べるものにも着るものにも困らないBrebの人々はなぜ物資が送られてくるのかわからなかったそうだ。

生活が徐々に変わり始めたのは2000年代初頭だった。 村に舗装された道路が通った。 荷馬車が主な交通手段だった村に車がやってくるようになった。 それまで子どもたちは朝から晩まで自由に外を出歩いて農業を手伝ったり家畜の世話をしたりしていた。 村で初めての交通事故で8歳の男の子が死んだ。 西側の多国籍企業の商品をたくさん積んだ行商の車がやってくるようになった。 見たこともない品物の数々に人々は心を踊らせた。 今まで全ての物をつくっていたのに、物を持っているかどうかはお金を持っているかどうかのバロメーターになった。 若者は民族衣装ではなくTシャツにジーンズを着るようになった。
2010年頃には村にサテライトTVがやってきた。 外の世界の人々が住んでいる世界、見たこともない品々の数々に村の人々は驚愕した。

2007年、ルーマニアがEUに加盟してからは他のEU諸国に出稼ぎに行く人が出てきた。 村の男性は誰でも自分の家くらい建てられる。 出稼ぎ先で建設労働や農業などに従事して貯めたお金で帰国してからは高級車に乗ったりコンクリート製の家を建てる人が出てきた。
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ヨーロッパ最後の中世 マラムレシュ – 2

『ヨーロッパ最後の中世 マラムレシュ – 1』の続き。
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各家庭では野菜・小麦・とうもろこし・果物などを栽培している。 家畜から出た排泄物をもとにした有機肥料で土地の地力を保つ有機・有畜農業で農産物がよく育つが雪に閉ざされる冬の間に必要な食料品は全て秋の間に酢漬け・塩漬けにする。 農作物はすべて無農薬、現金収入がない農民は農薬を手に入れる現金がないからである。 薬もハーブやナッツを基本とした民間療法である。

(滞在した家で毎日出てきたブレックファスト。自家製バター・チーズ・ジャムと庭で採れたトマト・きゅうり・ピーマンに朝産み卵と朝搾り牛乳。 パンとコーヒー以外は全て自家製。)
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ヨーロッパ最後の中世 マラムレシュ – 1

昔からずっと旅が好きで、次の旅行の予定がないと落ち着かない私。
旅のスタイルは学生時代のバックパッカーから始まり、年を経るごとに変わってきましたが、子どもが産まれてからは(失敗の経験も踏まえ)子連れで行きやすいところがメインになっていました(*1)。 でもラクなリゾート地だと、旅のもたらす未知の世界との出会い、知的好奇心をびんびん刺激される感覚が満たされず、何年もフラストレーションが溜まっていました。
*1・・・過去の旅の記事はブログの「バカンス」カテゴリーから読めます→こちら。 小さい乳幼児連れ旅行のコツは『子連れバカンスを劇的にラクにするTips』

私が旅にもっとも求めるもの”Authenticity”ー観光客向けにパッケージされた体験でもなく、博物館に収容された展示でもなく、人々の生活の営みの一部として根付いている文化や生活習慣に直に出会いたくて飢餓感を抱えていました。
この夏行った場所は『ヨーロッパ最後の中世』と呼ばれるルーマニアのマラムレシュ地方。 私が旅に求めるもの、「本物感」、「過度に文明化されていない」、「衣食住全てにおける豊かな伝統文化」、「美しい景色」の全てが揃っていました。 夏の観光ピークシーズンだというのに、行くところに行けば観光客にほとんど出会わない! 穴場中の穴場です。

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