Tag Archives: ユーモア

“Very British”なオリンピック

オリンピック、盛り上がってますかー?
生後10日の新生児を抱え、体もまだ痛むので家から出られない、となるとオリンピックは格好の暇つぶしです。 イギリスではBBCが全競技をストリーミング中継しているのでテレビがなくてもオリンピック見放題(残念ながらイギリス国内からのアクセスのみ)。

楽しみにしていた開会式(→『オリンピック開会式のテーマは”田園”』)は開始時間が遅かったので寝落ちしてしまい録画で観ました(開会式フルプログラムはこちらから、ハイライトはこちらから)。
女王をジェームズ・ボンドと一緒にヘリからダイブさせたり(→)、かの正当派ロンドン交響楽団をMr.Beanのネタのバック演奏に使ったり(→)、極めつけは100時間のダンス・トレーニングをした本物のNHS(National Health Service、イギリスは医療・保険は国営で無料)ナース(看護婦)が踊る、というイギリス通にしか全く意味不明なネタを延々と披露したり・・・

イギリス国内では2,240万人が観たというこの開会式、イギリス人の間では自虐芸含め”Very British”と概ね好評、私はThe Economist記事のこの評に集約されるのではないかと思います。

In Beijing in 2008, for example, the Chinese conveniently highlighted long-standing institutions such as the Great Wall and Confucius, but managed to leave out most of the Mao years, including national incidents such as the great famine and Cultural Revolution. London’s version, though, was not by Britain Inc but Danny Boyle, a talented choreographer who chose his own line. (The Economist : The wisdom of crowds)
2008年北京オリンピックでは、中国は万里の長城や儒教には都合よくハイライトを当てたものの、大飢饉や文化革命といった毛沢東時代には蓋をした。 2012年ロンドンオリンピックの開会式ははイギリス株式会社による国威顕示ではなくダニー・ボイルという才能溢れる振り付け師が自らの言葉でイギリスについてのストーリーを語ったのである。

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オリンピック開会式のテーマは”田園”

ロンドンオリンピックでひとつ楽しみにしているものがあります、それは開会式!
芸術監督がダニー・ボイル(『スラムドッグ$ミリオネア』)で音楽監督がアンダーワールドなんて期待が高まらないわけがありません☆

で、期待のテーマは・・・「田園」・・・

まあ確かに北京があんなに派手にやった後で、派手さを競ってもしょうがないけど、スタジアムの中に本物の牛や馬が登場するそう。
The Economistいわく、

Opening ceremonies are a country’s opportunity to sell itself to the world. Britain appears to be selling irony.
開会式は開催国が世界に向けて自分を売るチャンスである。 イギリスはどうやら「皮肉」を売ろうとしてるらしい。
(The Economist: The Olympic opening ceremony

あっ・・・そう・・・  ユーモアが通じるといいね・・・ 以前、Ricky Gervaisのユーモアはハリウッド俳優には全然通じてなかったしね・・・(→『爆走するイギリス・ユーモア』)。 「田園」については当のダニー・ボイル自身が「全世界の観客全員にユーモアをわかってもらおうなんて不可能だからわかる人にだけわかればいい」的発言をしてますが・・・
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爆走するイギリス・ユーモア

先日発表されたゴールデン・グローブ賞の司会を務めたイギリス人コメディアンRicky Gervaisのスピーチがやりすぎだ、と話題になっています。

ここで炸裂しているハリウッドのゴシップネタの半分もわかりませんが(ぜんっぜんわかんないですよね? 解説はこちら↓)、注目すべきはネタの内容ではなく出席している大物ハリウッド俳優の表情。
exciteニュース:「主催者は賄賂を受ける」ゴールデン グローブ賞の司会者がスパーク!
明らかに目が笑ってません(笑)。
アカデミー賞の司会でジョークを飛ばしたヒュー・ジャックマンについて以前『オーストラリア、ニュージーランドを笑う』で書きましたが、今回のハリウッド俳優たちをメッタ斬ったジョークはそんなに温かく受け入れてもらえなかったようです。

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理想郷ってこんなとこ

このブログを始めたときに、「世界級ライフスタイル」の定義を以下のようにしました。

  • 日本国内だけではなく世界中から自分のライフステージに合わせてベストなライフスタイルを選ぶ生き方
  • 人の肩書き(国籍、年齢、学歴、会社名etc.)ではなく、内面(価値観・経験の共有etc.)を重視し世界中の魅力的な人との交流を楽しむ生き方

このうち2番目の点について、「そうそう、私が理想とするのはこういう世界!」という例を見つけました。
見つけたといっても、INSEADを卒業されたばかりのtrottolinaさんのブログの中で、ですが。
「INSEADならではのことって何ですか?」という質問に対し、「Diversity(多様性)が日常になっていること」を挙げられ、以下のように続きます。

そして、更に素晴らしいと思うのが、この多様性の環境が当たり前になっていること。
レバノン人とイスラエル人が一緒にパーティーで盛り上がっていたり、ギリシャ人とトルコ人が親友だったり。
先日、皆がくつろいでいる中、ポルトガル人のMが読んでいた雑誌の記事から顔をあげて、ギリシャ人のCに「なんでギリシャの軍事費はこんなに多いんだ?」と聞いたところ、隣にいた彼の親友でトルコ人のGが自分を指さして「私たちがいるから」と言ってギリシャ人と顔を見合せながら笑っていたのは面白かったです。

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シンガポールに長く居すぎる・・・のか?

出所(↓)はだいぶ前のモノみたいですが・・・
You know you’ve been in Japan too long when…
「外国人が”日本に長く居すぎてしまった”と思うとき」というアメリカ人がつくったジョークがだいぶ前ネットで話題になってたようです(火つけ役はたぶんらばQ)。
私が「そうそう、そうよね!」と納得したのを抜粋(カッコ内に私のコメント付き)。

  • トラックがバックしてくるとき、”It’s a Small World”が流れても驚かない
    (そうそう、音楽が流れるトラック、フツーです。 信号の『通りゃんせ〜♪ 通りゃんせ〜♪』も普通。 『蒲田行進曲』は結構好き。 山手線の音楽集めた人もいます→山手線音楽館。 外国人はこの街で流れる電子音、すごーーく気になるようです)。
  • 赤の反対は白である
    (たしかに赤の反対は白だ・・・ アメリカ人に聞くと赤(= 共和党)の反対は青(= 民主党)と答えるんだろうか?)
  • 「バーモントカレー」というコンセプトに驚かない
    (御丁寧にハウスの広報室に電話した人がいる。 「創業者の浦上社長が、カレールーを開発中、リンゴとハチミツの健康法がバーモント州にあることを知って命名した」だそうだ・・・ 私はメガネの『パリ』ミキの『パリ』もずっと気になっている)
  • 非日本人が電車で隣に座ると席を移動する。 差別してるわけじゃないけど、何するかわかんないし
    (東京ではさすがにもうこういう人いないかなー? どうだろう?)
  • タクシーとJRに27本コンビニ傘を寄付した後もまだ玄関に100本残っている
    (傘は天下の回りもの)

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イギリスで新たなスター誕生

友達のmixi日記で知った。
すでにネット上ではすごいことになってますね。
“Britain’s Got Talent”という“American Idol”のイギリス版TV番組オーディションに出たSusan Boyleというおばさんのお話。 47歳、スコットランド出身。 曲は私の一番好きなミュージカル『レ・ミゼラブル』の”I dreamed a dream”。
YouTubeの画像埋め込みができないので、リンクから見てください、損はさせません(笑)。 歌う前の審査員と聴衆の反応に注目。
YouTube : Susan Boyle – Singer – Britains Got Talent 2009 (With Lyrics)
『日豪ユーモア考』というエントリーでイギリス系の国のユーモアセンス(= sarcastic、ブラック)について書いたのですが、もうひとつの特徴としては、underdog(負け犬)が事前予想に反して勝っていく姿を応援するのが大好き、ってことでしょうか。
私の好きなイギリス映画もすべてこのunderdogが勝ち上がっていく物語かも。
– スラム街で育った少年がクイズ番組で勝ち上がる『スラムドッグ$ミリオネア』
– イギリス北部の鉄工所を解雇された中年男6人組がストリップショーを始める『フル・モンティ』
– 女子のものとされていたバレエでプロを目指す少年の物語、『リトル・ダンサー』
– 父の急死で靴工場をつぐことになった主人公が孤軍奮闘する『キンキー・ブーツ』
susan_boyle.jpg彼女のプロフィールは、もーまさにピッタリ。 
– 見ての通りの容姿(眉毛、何とかしようよー)
– 無職、教会のボランティアワーカー
– 独身(猫と住んでいる)、結婚経験なし、キスの経験もなし

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オーストラリア、ニュージーランドを笑う

話題が古いですが、先日のアカデミー賞で司会をつとめたヒュー・ジャックマンのオープニング・ショーがよかったと聞いたので、YouTubeで見ました。

ヒュー・ジャックマンはこちらで紹介した映画『オーストラリア』主演で、米ピープル誌に”世界一セクシーな男”に選ばれた超イケメン俳優なのですが、ひとりでここまでやるとはあっぱれ。 すっかりファンになりました。
彼のオープニングのブラックジョークが効いてましたねー

I am an Australian who played an Australian in a movie called “Australia”.
(私は『オーストラリア』という映画でオーストラリア人役をやったオーストラリア人です。)

と、自己紹介した上で、

Everything is downsized because of the recession. Next year, I’ll be starring in a movie called New Zealand.
(不況のせいですべてが縮小されています。 来年は、『ニュージーランド』という映画で主演します。)

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日豪ユーモア考

以前、友人に「結婚して一番大きなカルチャーショックは何だった?」と聞かれたのですが、答えは「ほとんどない」です。
留学時代に欧米人4人と家をシェアしていたので彼らの生活様式には慣れていましたし、朝食はご飯に味噌汁、という和食家庭だし。
唯一あるとすれば「ユーモアのセンスの違い」でしょうか。
オーストラリアはイギリスから来た移民が建国の祖となっているので、ユーモアのセンスはイギリスとかなり似ています。 イギリス人のユーモアのセンスはひと言で言うと「皮肉」、かなりブラックです。
オーストラリア的ユーモアの例をひとつ。
私が「オーストラリア人と結婚することになった」という報告を複数のオーストラリア人友達にしたときの反応。

“Are you sure you want to marry an aussie?”(本当にオーストラリア人と結婚したいわけ?)
“Oh, no… You’ve made a bad decision.”(えー、判断間違えたねー)

これが、私がイタリア人やアメリカ人と結婚すると仮定してイタリア人やアメリカ人に報告した場合、こういう反応になるんじゃないでしょうかねー?(あくまで想像)

“Why not me???”(何でボクじゃないの?)
“Good choice of your husband!”(いい趣味してるね!)
“He is a lucky, lucky guy…”(彼はなんて運のいいやつだ・・・)

“You’ve made a bad decision.”と”Good choice of your husband!”の違いは結構すごい(ちなみに本当に「判断間違えたね」と思っているわけではなく、ユーモアですからね、ユーモア)。

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