Tag Archives: フランス

Frenchman in London

昨日書いた、ロンドン & ニューヨーク→香港 & シンガポール、という人の流れの話の続き。 ロンドンから人が流れている、と言えど、彼らはイギリス人ではない、という話。
シンガポールでも金融とコンサルは外国人ばかりでしたが(→『絶滅寸前? 駐在員手当』)、ロンドンも似たようなもの。 夫(戦略コンサル)が、最近ミーティングした投資銀行とPE(プライベート・エクイティ)では20人のうちイギリス人は25%だけだった、と言ってました。
後の75%は、フランス人、ドイツ人、デンマーク人、アイルランド人、アメリカ人、オーストラリア人、南アフリカ人・・・etc.
EU内は移動が自由なので、EU出身者が多いのはもちろんのこと、コモンウェルス諸国出身者も多い(→『ロンドンにとっての地方』)。 特に、フランス人バンカーは本当に多く、シティで石を投げるとフランス人バンカーに当たります(たぶん)。
その国・都市にいる外国人を見ると、彼らが魅せられるその場所の魅力がわかる、という話は『Englishman in New York』に書きましたが、今日はその第2弾、”Frenchman in London”、The Economistの記事より。
The Economist : Paris-on-Thames

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フランス仕込みのコンフィチュール

confiture_cherry.jpgmaison ferber(メゾン・フェルベール)というフランスのコンフィチュール(ジャム)ブランドをご存知ですか?
「ジャムの妖精」と呼ばれるクリスティーヌ・フェルベールがつくる、季節の野菜や果物をふんだんに使った宝石みたいな綺麗な色合いのジャム。
日本では新宿伊勢丹で買えます→伊勢丹新宿店:メゾン・フェルベール
フランス・アルザス地方のニーデルモルシュという人口300人の小さな村にあるこのお店でマダム・フェルベールのもとでコンフィチュールを学び、続いてストラスブールのパン屋さんで修行をした高校時代の友人が、去年帰国し、Webショップを開きました。
Le fruit de l’aurore
彼女と私の出会いは高校1年の15の春、大阪の高校のバスケ部で3年間一緒に汗を流した仲。
大学卒業後、東京の洋菓子メーカーで商品企画をしていた彼女がパティシエになる夢を叶えるため会社を辞めて渡仏。 その後、滞在ビザの壁が高いフランスで何度もビザで苦労しながらパティシエ修行を続けていました。

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Julia ChildのBoeuf Bourguignon

一般的に男性の方が女性より(その対象が何であれ)オタク度が高いのではないかと思う。
私は特に何でも興味を持ってしまう代わりに興味の対象が散漫になりがちで昔から極めてオタク度が低い、一方で夫の方はマイブームが比較的深く長く続くようです。
その特性が適切な方向に向くと、とてつもない恩恵を受けられてしまった、というお話。
義母は昔ル・コルドン・ブルーでディプロマを取ったとかで家でスフレとか焼いちゃうし(家でスフレって焼けるのね・・・)、義父もこちらの通りのグルメ、という恵まれた食環境で育った夫ですが、独身の時はパスタのソースを(買ってくるのではなく)自分で作る程度でした。
結婚後、なぜかみるみる料理に目覚め、旅行先の料理(スパニッシュ→イタリアン→南インド)に片っ端からはまっていきました。 ところがシンガポールは食糧自給率が5%くらいというお国なので、とりわけ西洋料理食材は高く(質の高いものはオーストラリアから航空便で輸入している)、鶏肉以外の肉は目玉が飛び出るほど高かったので、夫の不満は募るばかり・・・(& 我が家にはオーブンがなかったのが致命的)。
ロンドンに引っ越すことが決まってからは、「オーブンで○○作るんだ! △△も作るんだ!」と食べ物の話ばかりしてたし、家探しの際には一緒に近所のbutcher(肉屋)も探してたし・・・(苦笑)。
そんな彼の料理ブームに見事なタイミングでヒットしてしまった映画が(日本でも上映中?)『ジュリー&ジュリア』

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フランスの自殺率はなぜ高いのか?

France_suicide.gif先月のThe Economistの記事で私の周りで話題になった記事がありました。 フランスの自殺率がヨーロッパの中で飛び抜けて高い、というこの記事(下記にリンクを貼っていますが、the economistはこちらで書いたようにサイトは一部有料化の流れなので、後で読みたい人はコピペするなどしてください)。
The Economist : Bonjour tristesse
右のグラフでもわかるように、国民100,000人あたりの自殺数がイタリアやイギリスの2倍以上、ドイツより40%高い(もちろん日本の自殺率はフランスより高いのですが・・・)。
私の周り(非フランス人)の反応は「おいおい、フランスといえば週35時間労働制で(*1)私たちの半分の時間しか働かず、夏は2ヵ月のバカンス。 失業しても2年間は前給料の70%の失業手当で暮らせて、出生率は2.0を回復する少子化先進国のお手本。 アムールでjoie de vivreな国の人が自殺してたら、いったいボクたちはどうなるんだ?」というツッコミ。 私も似たようなことを思いました。
*1・・・サルコジ大統領は35時間労働規制見直しの方針。
当のフランス人に聞かずに判断するのはフェアではないので、親友のフランス人J(こちらに登場)に聞いてみました(「マッキンゼーでワーカホリック」以外に彼のバックグラウンドを付け加えると、フランスのエリート養成コースであるグランゼコールではなく、3ヵ国の大学との交換留学ができる大学を選び卒業後はロンドンへ。 INSEAD MBA後はパリに戻ったものの、閉鎖的なフランス人社会と合わず、アジアに来たかったのでシンガポールへ。 フランスを冷静に外から見られるフランス人です)。

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「幸福度」をGDP算出に

最近、気に入ったニュース。
asahi.com : フランスのサルコジ大統領、国内総生産(GDP)の項目に幸福度や休暇の長さなどを加える、GDP算出方法の大幅変更を各国に要請。
FT : France to count happiness in GDP
こういうこと言い出すからフランスって好き(笑)。 こういう存在がいてくれないと世界はつまんないですもんね。
一国内で生み出される財やサービスの額だけではなく、国民が受けられるヘルスケアや福祉、長期休暇など生活の質や経済の持続的成長性・天然資源の有無などを盛り込んで、GDPの算出方法を大幅に変更しよう、という呼びかけ。 新たな算出方法を採用すると、フランス(1人あたりGDP : USD33,200、世界39位)とアメリカ(USD46,900、世界10位)のGDPのギャップが大幅に縮まるのだそう。
CIA World Factbook : GDP – per capita (PPP) – 2008 est.
ブータンのように独自の指標を設定したり(→『Crowded & Discovered』)、GDP以外の新たな指標を設けようと呼びかけるのが普通のアプローチのような気がしますが、GDP算出方法自体を変えようと世界に提案するところがフランスらしい。
世界標準のルール作り上手なフランスなので(→『ルール作り上手なフランス – 2』)、意外に本当に変更されたりして(?!)。

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惑いのキス

長らく気になっていたものの放っていたことを調べてみました。
それは人によって異なる挨拶の方法。

  1. ボディタッチなし(お辞儀、会釈、手を振るだけ、など)
  2. 握手
  3. 頬にキスする(チュッと音を出すだけ)
  4. 頬にキスする(実際、唇をつける)
  5. ハグする

と、挨拶を5段階に分けると、文化によって個人によって関係性によって、あまりにも千差万別。

友人同士がその日初めて会ったときの挨拶を対象とします。 カップルはお好きにしてください、だし、ビジネスでは通常2.です(日本は1.もしくは2.)。
主に、女性 x 女性、女性 x 男性の場合を対象とします。 私が女性であるため、自分の状況把握で精一杯、男性 x 男性まで観察対象に入っていません。

Kiss, Shake, Sniff: Greetings Across the Globe
Wikipedia : Cheek kissing
1. 通常のケースの日本人を含めアジア人が当てはまる。 アジアの細かいバリエーションはわかりませぬ・・・
2.以降、すべて主に欧米人が観察対象。 南米人もそうかも、中東・アフリカはよくわからん。
2. 男性 x 男性のケースは普通ですが、女性 x 女性、女性 x 男性のケースで、会うたびに握手って友達はいないような・・・ だいたい1回目は握手で2回目以降は3. 4. 5.に発展する気がします。 
そして、3. 以降がさまざまで大変・・・

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la vie en rose

フランスでいつも思うんだが(スペインでもそうだったな、イタリアはどうだっけ?)、何でワインよりジュースの方が高いんだろう???
特にシンガポールのように酒類にかけられる関税が驚異的に高い国から行くと、ワインの美味しさと価格はくらくらするほど魅力的で「この滅多にない素晴らしい機会を活かす論理的帰結は飲むしかない」ということになります。
なので、フランスではひたすら食べて飲んでました。
イタリア語ではこういう極楽な生活をla dolce vitaというのですが、フランス語ではla vie en rose(バラ色の人生)ですかね? ここからは有名なエディット・ピアフの”La Vie en Rose”をBGMに聞きながらどうぞ〜→Edith Piaf – La Vie en Rose
旅行中で一番素晴らしかったレストランがこちら、Auberge de la loube。 ピーター・メイルの『南仏プロヴァンスの12か月』に出てきたらしいのですが、山奥の小さなレストランなのに予約客でいっぱい。 土地の素材を活かしたオードブルがトレイにびっしりと並んで出てきて美しい! 美味しい!
ソースが決め手の北フランスの料理と異なり、太陽の恵みをたっぷり浴びた南フランスの料理は野菜が踊り出しそうにカラフルでジューシーで、私は断然こちらが好みです。
プロヴァンスのからっと乾いた夏には、ロゼがピッタリ。
私が好きな赤はこの気候には重く、プロヴァンス産の赤は武骨でラフなリュベロンの台地を思わせる味がするので、ロゼばかり飲んでました。
その土地でできるワインはその土地の食べ物に合っているのだなー、としみじみ。

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ルール作り上手なフランス – 2

昨日の話、「フランスって国はルール作りが上手だなー」の続きです。
この理由は私はフランスは基本的にエンジニアが作っている国だからだと思います。
より正確に言うと理工系の教育を受けたエリートが作っている国。
フランスは超学歴社会で、グランゼコールと呼ばれるエリート養成機関出身者がフランス社会上層部を占めます。
Wikipedia : グランゼコール
なかでも理工系のグランゼコールのうちPolytechniqueと呼ばれる有名校出身者が出世し、ゴーンさんもPolytechnique出身。

フランスの上位200社の大企業では、社長の50%はENA(国立行政大学校)とPolytechnique(国立理工科大学校)の出身者である(日仏経済情報:『台頭する新たな産業エリート群像』より)。

なんだそうです。
politicians_occupation.gif話はちょっとズレますが、どういうバックグラウンドを持つ人が社会を作っているか、という点からいろいろな国を見ると興味深く、ちょっと前のthe economistに国のトップ(大統領、首相、総主席etc.)のバックグラウンドは国によって大きく異なる、という記事がありました。
The Economist : There was a lawyer, an engineer and a politician…
右のグラフにフランスは載っていませんが、フランスはENA(国立行政大学校)というエリート養成機関出身者が大統領・首相になるケースが多くサルコジは例外。
アメリカは法曹界出身者が非常に多いのは何でだろう?(オバマも弁護士出身)とか、いろいろ考えさせられて面白いのでぜひ原文でどうぞ。

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ルール作り上手なフランス – 1

以前、『地図が読める女の絶対年感』で書きましたが、私は地図が好き。 車の運転よりナビが好き。
そして、la dolce vitaな世界を地でいく南ヨーロッパの田舎が好きなので、過去3年、夏は夫と南欧をドライブ旅行というパターンが定着しています。
今回は同窓会があったので、フランス、それも私のブログ・ニックネームでもあるla dolce vitaの世界南ヨーロッパに導いたプロヴァンスに決定。
michelin_map.jpgいつもはその土地のミシュラン・マップ(こんなやつ→)を現地で購入するのですが、今回は結局道路地図を買わずに済んでしまいました。
理由は道路標識があまりにもわかりやすく旅行者に親切な制度が発達しているため。
一昨年のスペイン、去年のイタリアに比べるとフランスの道路標識のわかりやすさは秀逸。
久しく日本で運転していないので、日本との比較はよくわかりません。
またアメリカやカナダではよく運転したけど、ヨーロッパはもっと道路が複雑なので単純比較は無理かと。

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遠くにありて思ふ国、フランス

今日から久しぶり(といっても2年ぶり)のフランス♪
1週間ほど前から浮き足立っています、今度は飛行機に乗り遅れずに(→乗り遅れた話)ちゃんと到着するのが目標。
deneuve.jpg私にとってフランスはカトリーヌ・ドヌーブのような熟年女優や、よく熟したフルボディの赤ワインのような存在。 その魅力は年月を経たことでしか出せない圧倒的な美しさであり成熟であり、一方で恋いこがれる幾多の若者を軽くあしらい傷つけるファム・ファタル性であり、「遠くにありて思ふもの」
・・・の割には2年おきくらいに気になってちょっかいを出しにいく・・・そんな存在。
私とフランス(正確にはフランス語)との出会いは大学の第二外国語でフランス語を選んだこと。
第二外国語は必修なのでテストに通るためだけに受講し全く身に付かない(身に付けない)人がほとんどと言われていたのですが、私は無駄なことをやるのが嫌いなので、当時の京大ではフランス語だけ「フランス語8時間コース」なる集中コース(文字通り週に8時間のクラス)が開設されていたので、フランス語を選択したという、何ともdemand drivenではなくsupply drivenな理由がきっかけです。
そして世界中にプロヴァンスブームを巻き起こしたピーター・メイルの本『南仏プロヴァンスの12か月』と同名のテレビシリーズを見て、プロヴァンスに憧れ、1-2ヵ月という短期ですが語学留学も果たしました(私のフランス語力はこの頃がピーク)。

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