Tag Archives: バカンス

イスタンブールを見て死ね。

あけましておめでとうございます。 年末年始はどのように過ごされましたか?

我が家は、5歳9ヵ月(♂)、3歳5ヵ月(♂)、1歳4ヵ月(♀)の怪獣たちを連れてイスタンブールに2週間行ってきました。 次のホリデーの予定がないと落ち着かない私、夫婦2人の頃は身軽に飛び回っていたのですが、子どもが産まれ、2人に増え、3人に増え、とチャレンジが増えるたびに旅行スタイルを試行錯誤してきました。 乳幼児連れでリラックスすることが目的の旅のスタイルについては『子連れバカンスを劇的にラクにするTips』に書いていますが、このスタイルも数年続けているので飽きてきました。 特に冬のヨーロッパから行けて、かつ泳げるほど暖かいところとなると、アフリカかカリブ海まで足を伸ばさないとないのですが、そんなお金がない! もともと歴史のある街を観察しながら街歩きするのが大好きなので、改めて「子連れシティー・ホリデー・デビュー」と題して、人生3回目の大好きなイスタンブールへ!(トルコ沿岸部を入れるとトルコは5度目)

文化や歴史建造物を訪れる子連れシティー・ホリデーとして大きな学びがあったので、改めて後でまとめることにして、まずイスタンブールについて。

イスタンブール2000年前後にバックパッカーとして1人で2週間くらい、2005年にビジネススクールの友人の結婚式で友人たちと1週間くらい滞在したことがあります。 前回から10年経って記憶が朧げになっていたところなのですが、今回改めて、、、

いやーーーー、すごい都市である。
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ポルトガルでのシュールな1日

Algarve map年末年始は南ポルトガルのAlgarveという地方に行ってきました(右の地図はWikipediaより、より詳細な地図はポルトガル観光局のサイトをどうぞ)。 日本では馴染みのない地方かもしれませんが、大西洋と地中海に面するこの地方、海辺にはお隣のスペイン、コスタ・デル・ソル(太陽海岸)並のリゾート・マンションが立ち並び、イギリス人・ドイツ人を初めとする北ヨーロッパ人で賑わうリゾート地です。 夏はビーチ、冬はゴルフが人気で、年末年始も海辺の町には北ヨーロッパの観光客が多く訪れていました(2012年には「ヨーロッパ一のビーチ」に選ばれています→Tourism : Portugal Top of the list at World Travel Awards 2012)。

私たちは、Algarveの玄関口Faro(ロンドンからは直行便就航)から内陸へ車で30分、農家の古い納屋を改装したセルフ・ケータリングの宿に泊まり毎日周辺の見どころを訪ねました。 海辺の漁村で食べる魚介類の新鮮さはヨーロッパ一、(ロンドンではままならない)毎日シーフード三昧していたのですが、内陸部の土地のものも食べてみたいなあ、と観光パンフレットを頼りに出かけました。

Louleという郡のSalir区が作成したと思われる小さなパンフレットには、”places of interest”(見どころ)として、チョリソー・チーズ・蜂蜜・藤製品など、生産農家・工芸家の場所が詳しく地図に載っています。 たくさんあるので、町の観光案内所にお勧めなどアドバイスを聞こうと行きました。
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Interrupting Interruption

遅ればせながら、あけましておめでとうございます。
年末年始は10日間、家族で南ポルトガルに休暇で行ってきました。

子どもがまだ5ヵ月と2歳9ヵ月なので「普段の週末でも疲れるのに10日間もどうするんだ?」と行く前は不安でしたが、10日間行ってよかったです。 次男が産まれて以来初めてリラックスすることができました。

以前、英テレグラフ紙の記事で「イギリス人はホリデーに出かけて4日目にようやく仕事からスイッチオフして日々のストレスを癒すことができる。 1週間の休暇だと2, 3日しかリラックスすることができない」とありました(→The Telegraph : Week long break gives just three days rest because it takes four days to switch off)。 まさにその通り、10日間同じ場所で過ごして(子どもと一緒だと移動がとにかく疲れるので)、ようやく心からリラックスすることができました。

我が家では、休暇中に仕事をすることはもちろんのこと、メール・インターネット・携帯・テレビ一切禁止です。 携帯電話は基本的にオフ(休暇中の目的以外では使用しない)。 ニュースも見ないので、世界で何が起きているかも知らない。 一緒に休暇を過ごしている目の前にいる相手と、その場・その瞬間の時間を楽しむことから気を逸らすことは必要ないという考え。
私が20代でバックパッカーだった頃(→『バックパッカー時代も悪くない』)は、旅に出た瞬間から日常からスイッチオフすることは簡単だったのですが、最近の敵はスマホ。 休暇だけではなく趣味でも仕事でも、何かをしながら数十分おきにスマホをいじる生活では、目の前の仕事・人に100%向き合っておらず、クオリティの高い仕事やクオリティの高い時間にはならないとつくづく思います(関連エントリー:『Zappingする世代』)。
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旅とデジャヴ

先週バタバタと学校のプロジェクトを終えて、日本から両親が来て一緒にミュンヘンに行って帰ってきました。
ミュンヘン(& ニュルンベルク)に行ったのはクリスマスマーケットを見るため。
クラスメイトは「日本からわざわざ見にくるほどのもの?」って笑ってたけど、日本人にとっては十分に異国情緒に溢れる体験だと思う。
新卒2年目くらいの頃、ドイツに日本製のある装置を輸出する仕事をしていて、代理店との交渉のために何度かスイスとの国境にある小さな町まで飛んだ。 何度目かの出張はちょうどクリスマス前で、優しい取引先のドイツ人が気を利かせて近いシュトゥットガルトまでクリスマスマーケットを見せに連れていってくれた。 実物を見るまでそんなものがあることも知らなかったけど、氷点下の中、白い息を吐きながら飲む甘いワイン(ドイツ語ではGlühwein、英語ではMulled wine、我が家のレシピはこちら)、やけに美味しく思えるソーセージ、シンプルな色合いが好みのイルミネーション、木が主体のオーナメント、すれ違う人たちの楽しそうな笑顔、、、クリスマスには宗教的にもイベント的にも特に興味のなかった私は勝手に「クリスマスの原点を見た」と思った。

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おうち交換で格安旅行!

バカンスの話になると筆が進む私。
ヨーロッパは格安航空が本当に発達しています。 クロアチア旅行はピークシーズンだったので、3人で約£400(約5万円)したのですが(easyJet、3人とはいえ息子はまだ2歳に満たないので膝の上で往復£40)、クリスマス前のロンドン⇆ドイツでeasyJetで(かの有名なクリスマスマーケットにずっと行きたかった)、片道£23(約3,000円)からあります。 行かない理由がありませんね〜(笑)。
宿の値段はそれなりにして、大都市だったら1泊1部屋€120(約13,000円)以下でまともなところに泊まるのは難しい(田舎は田舎度や国によるけど、€70はするかな)。 円高の日本在住者には、たいしたことない金額かもしれないけど、収入がポンド建ての私たちには安くはないのです。
加えて、いよいよ息子が狭いホテルの部屋じゃ厳しい年齢になってしまったので、他人と家を貸し借りできるAirbnb(*1)のようなサービスはかなり前から注目していました。 不況の影響もあって個人間の貸し借りサービス、充実してきましたしね!(参考本:『What’s Mine Is Yours: The Rise of Collaborative Consumption』(邦訳:『シェア からビジネスを生みだす新戦略』))
*1・・・知らない方はこちらの体験談をどうぞ→『AirBnBを使って宿を探したらファウンダーの家だった。』『IDEA*IDEA : 台湾旅行でAirBnB.comを初体験!』
Airbnbにはけっこうトラブルもあったし(*2)、今の家は家探し3日で決めた賃貸(→『日・星・英 不動産屋考』)でかなりボロが出てきているので、引っ越して思いっきり綺麗にしてLuxe Home Swapに登録しようか?など、いろいろ悩んでいました。
*2・・・部屋を貸した相手に荒らされた事件(→『TechCrunch -The Moment Of Truth For Airbnb As User’s Home Is Utterly Trashed』)。 今はAirbnbはセキュリティを強化しています(→『TechCrunch – On Safety: A Word from Airbnb』)。
そんな折、ちょっとAirbnbっぽい事件がありました。

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美しすぎる町の悲哀

昨日「Dubrovnikは観光地化されすぎててがっかりだった」と書いたのですが、「アドリア海の真珠」というフレーズに偽りはない、すごーくきれいなところなんですよ(ユネスコ世界遺産)。 特に丘の上に上って(スクーターが安く借りれます)見る町の全景は本当に言葉を失うほど綺麗。 美しさを現す自分のボキャブラリーの貧困さが悔やまれるほど。
ただ、住人の数に比して観光客が多すぎ。 城壁の中に住む人の数は1,000人を切りそうだとか(Wikipediaより)。 それに対して2010年に訪れた観光客の数は59万人!(Visit Croatiaより)
当然のことながら城壁の中は、土産物屋・観光客向けレストランなど完全にツーリスト向け、値段もツーリスト・プライスになっており「ローカルが好む隠れ家レストラン」を見つけることなど不可能。
美しすぎてしまったために住民の息づかいがしない町になってしまったのでした。 いくら観光客が殺到してもパリほどの大都市(人口220万人)であれば、まだ生活する街のままなんだけどねー(それでもシャンゼリゼのあたりは近づく気もしないけど)

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アドリア海の休日

地中海に近いからロンドンに住んでるようなもんですが(→『’la dolce vita’の由来』)、今年は2週間クロアチアのダルマチア地方に行ってきました。 陸(アグリツーリズモ)1ヵ所と島(Hvar島とLastovo諸島)2カ所(続きを読むをクリックすると地図が出てきます)。
以前から書いてますが(『Crowded & Discovered』、)、あまり観光地化された場所は好みではないので、7年前にINSEAD卒業旅行でDubrovnikに行ったときは若干がっかり。 でも、トルコに住む友人が毎年夏に通っては絶賛するので(私は大のトルコ好き)、そんなに彼女が絶賛するならいいんだろう、とリベンジ旅行。
1歳5ヵ月の幼児連れなので「移動時間が短い離島」という無茶苦茶な条件で選んだLastovo諸島の(ほぼ)無人島が少々ワイルドすぎて、子どもが体調を崩してしまったので、その後の予定をかなり繰り上げましたが、結果的にはそれが吉と出て後の日程はリラックスできました。
Twitterで小児科情報くださった方、ありがとうございました!
Adriatic_sea.JPG1. アドリア海の美しさは格別
圧倒的なのがアドリア海の美しさ、トルコ並みです、シチリアの小さな島よりさらに上(ギリシャは行ったことないので比較できず)。
本当にこんな色(写真はこちらから)、(ヨットが停泊する)マリーナの中でさえこんな色。
この中で泳いでいるとエメラルド色の中に体が溶けていくような感覚を久しぶりに味わいました。 元水泳部なので1時間くらい浮かんでいるのは平気、子どもを夫に任せて海の色に溶けていました。 この地中海独特の色はどこからきてるんでしょうねー?
観光資源としてはこの海さえあれば十分、陸の方の街(今回はSplitを通っただけですが)にはアジア人観光客もたくさんいたのですが、島(特にマイナーな島や町)にくると、ほぼ(クロアチア人を含む)ヨーロッパ人ばかりでした。

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住むように旅する京都

私が今まで「日本に(主に)ヨーロッパ人が喜ぶような滞在型ツーリズムがない」とこういうエントリー(→『インドに学ぶ田舎滞在型ツーリズム』『日本の田舎の魅力を世界に – 1』『 – 2』)を書いている理由は、日本政府がビジットジャパン・キャンペーンをしているから・・・では全くない。
よく日本旅行に行く友人からお勧めの宿を聞かれるのですが、彼ら(特にヨーロッパのツーリスト)は長期旅行(最低1週間、2週間以上も多い)なのでお勧めできる宿がないのですよ・・・(知らないだけかもしれないので、ご存知の方は教えてください)
東京は「オーセンティック(本物志向な)な日本旅館はあきらめて、交通の便を重視して都心のホテルにした方がいい」とアドバイスしているのですが、京都はやはり「日本旅館に泊まりたい」という人が多い。
でも俵屋などの老舗旅館は連泊するには高すぎる、グルメ度の高い京都で2食付きはいらない、かといってバックパッカー向け素泊まり宿やゲストハウスよりは高いクオリティが欲しい・・・という要望なので、本当に希望の宿を見つけるのに苦労していました。 ここ数年は「町家の自宅を改装した宿で集客は紹介のみ。 Webにもどこにも電話番号も載せない」という宿(というよりご自宅)を見つけたので、特別に親しい人だけに紹介していたのですが、ようやくお勧めできる長期滞在用の宿(バケーションハウス)が見つかりました。
オーナーはフランス在住、フランス人と日本人のご夫婦(& 昨日登場したtomokoleaさんの家の大家さん)、やはり『外国人だからわかる良さ』なのですねー

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住むことをシミュレーションする旅

ロンドンに引っ越してきてから丸1年経ちました。

シンガポールでは完全に外国人のお客さん気分だったので、もう少し地域のコミュニティーに浸かってみようかとも思ってます。

と書いた(→こちら)のはいいけど、逆にどっぷりNappy Valley的生活に浸かりすぎてしまったので、もうちょっと目線を上げようと年末年始はヨーロッパに関する本を何冊か読みました。
一冊目は安西洋之さんの著書『ヨーロッパの目 日本の目』

欧州文化を理解するには、古い教会や美術館にある、あの膨大な宗教画が分からないといけないという思いにとりつかれすぎている日本人が多い。
日本人が欧州に対していだく心理的距離感の短縮をはかるのがテーマ。

とあるように、実生活でのエピソードがたくさん紹介され、「うん?」と首をかしげるところに異文化のギャップを読み解く鍵がある、という趣旨で統一されているので、「なるほど、なるほど」と頷きながら読めます。
私も初めてのヨーロッパ旅行(20歳の時に40日間キャンプしながら西ヨーロッパを駆け足で一周)は「教会と美術館を回りあまりの多さに食傷気味になる」という旅行でしたが、今は教会も美術館の宗教画も完全に素通りです。
では旅先で何をするのか?ということを少し書いてみます(以前リクエストもらった「現在は習慣になっていること」にも当たるかな→『苦痛からの抜け道』)。

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アンダルシアの田舎でプチホテル経営

3ヵ月前に行ったコッツウォルズ地方ではファームB&Bに泊まったのですが、1日目の夜、息子をベビーカーに載せて近くのパブに出陣! ところがベビーカーの中で寝かせる計画は見事に失敗し、2日目以降はインド・カレーやTESCOのサンドイッチのテイクアウェイをB&Bの庭で食べる、という悲しい結末になりました。
そこで今回の旅のハイライトである宿は、田舎にある料理自慢の宿を対象に厳密にセレクト(フランスにはTable d’Hote付きのChambre d’Hote(→こちら参照)は一般的なのにスペインにはこのスタイルの宿はあまりないのです・・・)。 結果、大満足でした。
terrace_finca.JPGその宿とは、アンダルシアの真ん中自然公園内に位置する“Finca las Encinas”。 ウェールズ出身のシェフ歴20年のCliveと日本を離れて25年の日本人Makiさん夫婦が経営するプチホテルで、見渡す限りのオリーブ畑の山々の中にあります(写真は葡萄の蔦に覆われたテラスから臨む景色)。
ロンドンのシティでバンカーだったMakiさんは朝早く、レストランでコック長だったCliveは夜遅く、一緒に住んでいるのに2週間もほとんど会わない日が続いた日、「このままじゃいけない」と思い立ち、決めた移住。
スペインでのプチホテル経営を決め、イギリスからリサーチし物件を探し、古いオリーブ農家を購入したのが2004年。 詳しい経緯はMakiさんのブログ『スペイン・アンダルシアの田舎暮らし』でどうぞ。

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