もともといわゆる観光は好きではない上に、シンガポールはたいした観光資源がないのでちゃんと観光したことがないのですが、「シンガポールを去る前にDuckTourに乗りたい!」と夫が言うので、あきれながらも先週末付き合ってあげた優しい私。
こういう(→)風貌で陸の上を走ってたかと思うと、そのまま水の中にも入ってクルーズできちゃう、という
アホっぽい子供っぽいコンセプトの水陸両用車でシンガポールのマリーナ・エリアを海から観覧できます。
一応、シンガポール・フライヤー(世界最大の観覧車)、F1シンガポール・グランプリ会場、エスプラナード(ドリアン型のコンサート会場)、金融街のビル群、世界3大がっかりの1つマーライオン、etc.シンガポールの見どころをツアーというのがウリなのですが、普段見慣れていてあまり興味がないので、私たちの関心の矛先は来春オープンするカジノ・リゾートの建設現場に集中。
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疾走するシンガポール
はたらけ シンガポール
今日はこのブログも情報収集のために活用しながら見事、シンガポールで職を見つけ1月から新生活を始める本間さんのお話(『渡辺千賀のはたらけシリコンバレー』風にお届けします)。
本間さんと言えば『世界級ライフスタイルのための婚活』に登場したご夫婦(JTPAツアーでシリコンバレーで出会う)の奥さまの方です。
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JTPAシリコンバレーツアーに参加して以来、「30歳までに日本以外の国で働きたい」と思っていた。 ツアー中に会って、性格も夢も近い旦那さんと結婚したのが2008年9月。 2009年5月には『第2回 世界級ライフスタイルをつくる会@シンガポール』参加ついでに旦那さんとともにシンガポールを視察。 暮らしやすそうなシンガポールの環境に「ここだ!」と確信した。
帰国後、シンガポールの大手日系人材紹介会社の登録会兼相談会に参加し、シンガポールの仕事状況について話を聞きに行った。 事務職の給料はSGD2,500からなのに、家は安くてSGD1,500(=約10万円)からと聞いて、シンガポールの家賃の高さにびっくり(後に、もっと安い賃貸もあるとわかって一安心)。 さらに希望する出版関連の仕事はほとんどない!という現実を突きつけられて、「シンガポールで働くなら営業事務や一般事務で手を打つしかないのかな・・・」と、意気消沈。 いちおう人材紹介会社への登録だけはしておいた。
日本人女性のステレオタイプ in シンガポール
渡辺千賀さんの『アジア人女性のステレオタイプ in アメリカ』(=頭が良くてセクシー)を読みながら、「アジア人が多いのに、そんな単純でいいのか、アメリカよ」と思ってしまいました。
シンガポールはアジアなので、さすがにステレオタイプはもう少し国別に細分化されています。
そこで今回は「日本人女性のステレオタイプ」。
なお、ほとんど個人的な経験に基づいております・・・
まず、シンガポール人男性が日本人女性に対して持ってる幻想は「夫のために、めちゃくちゃ尽くす妻」です。
専業主婦で夫・子供のためにいっさいの家事を一人でこなし、ひたすら尽くす妻像・・・
私の夫の会社の後輩(シンガポール人)は、私が働いていて夫も家事をすることを聞いて驚愕したらしい。 いったいどんなテレビ見て育ったんだ・・・
その中でも私たちが「スリッパの謎」と呼んでいるものがあります。
これは私ではなく、夫がしょっちゅう聞かれる質問なのですが「日本人の奥さんは、夫が帰ってきたら玄関にスリッパを揃えて差し出すのか?」というもの。
夫は今まで5, 6回聞かれてるんじゃなかろうか?(私たちの結婚式で余興の司会をやった中国系マレーシア人には余興のネタにまでされた)
「スリッパの謎」の出所がわからずググったら台湾に住まれている方も聞かれるらしいので(→日本人の奥さんと台湾人の旦那さん )、アジアに広く出回っている風説と推察されます。
どうせアジアで大ヒットしたドラマかなんかの影響なんだろうけど、「おしん」と「星の金貨」しか思い浮かばない。 そんなストーリーなんでしたっけ???
国境を越えた大気汚染
昨日ヨガの先生が、「散歩やランニングを日課にしている人は、ちゃんとヘイズ予報をチェックしてひどい日は外に出てはダメよ」と言ってました。
ほとんど天災のないシンガポールですが、毎年この時期はヘイズ(haze)の時期です(ヘイズは人災)。
ヘイズとはインドネシアでの焼畑農業や山火事などが原因で起る煙害で、煙が風で運ばれ大気が汚染され、ひどい日は外が視界不良となります。
National Environment Agency(シンガポール環境局)が毎日PSI (Pollutant Standards Index) と呼ばれる汚染指数を発表しており、101を超えると体に悪いのだそう。 300を超えると学校が休みになります。
NEA : Ambient Air Quality
散歩やランニングをしてはいけないほどひどい日もあるのか・・・ 気づかなかった私は鈍すぎ???
元々、超空気の悪いエリアに住んでいるので(理由下記)、あまり気づいてませんでした。
– 飲食店の多い繁華街に住んでいる(常夏の飲食店街を想像してください、笑)ので常時臭い
– 近所で地下鉄駅建設と高速道路延長の工事をかれこれ2年くらいやっているので粉塵がすさまじい
– 今月はハングリー・ゴーストと言う日本のお盆にあたる季節のため、街中で紙(のお供え物)を燃やしているので、外に一歩出るだけで服に煙の臭いがつく
イギリス人医師の見たシンガポール
最近、ロンドンからシンガポールに引っ越してきた夫の同僚D(フランス人)と彼の奥さんA(イギリス人医師)とよく一緒に食事をするのですが(こちらにも登場)、医師であるAが見るシンガポールが、私たちが普段の生活で見るシンガポールと全く異なっていて毎回非常に興味深い話が聞けます。
私はブログでシンガポールのことをいろいろ書いてますが、日常生活では一部分しか見れていないと思います。
それもそのはず、職場にシンガポール人はいないし(これは少規模のプロフェッショナル・ファームに共通するが、シンガポール人は大企業志向が非常に強いので、小規模ファームが能力主義で採用すると外国人ばかりになる)、友人のシンガポール人はこういう人たちが多いし、規制が強くてつまんないから地元メディアは読まないし見ないし(→『メディア規制の影響』)。
私たちの環境の性質上、民間のビジネス目線でシンガポールを見て気づくことは多いのですが(*1)、Aのように医師として貧困層のシンガポール人を診ていて気づくことには全く気づきません。
*1・・・私は、1人あたりGDP上はアジア一になったシンガポールが(GDPが完璧な指標ではないことは百も承知の上で、→『「幸福度」をGDP算出に』)今後も成長を続ける上で一番障害となるのが、「多国籍企業に雇用されやすい人材」をつくるという国の教育政策ではないかと思っています(こちらやこちら参照)。 これって他国でもマネできる陳腐化しやすいモデルでは?
ところが、Aが見るシンガポールは「福祉のない国での貧困」です。
子供に優しい国って?
海部美知さんのブログエントリー『妊娠も育児も家事も、フツーに仕事じゃんか』で知った発言小町の、「混んだ電車で席を譲ってもらうように毎日周囲に頼んでいる、妊娠中幼稚園児連れのワーキングマザー」の話。
このスレッドに対する反応・コメントが怖すぎる・・・
掲示板は正直読むメリットを感じないので、普段読まないのだが、怖すぎてレス461本(投稿受付は終了)を読破してしまった・・・
妊娠6カ月で毎日幼稚園児連れで朝6時代に通勤しているが(これでもあまり混む前に朝早く起きている)、席に座れないので、優先席で元気そうな人に「席を譲ってもらえないか?」と頼んでいるのだが、ほとんど譲ってもらえない、「周りからはどう見られているか?」というお題。
「サラリーマンだって残業で疲れている」「妊娠も子連れ通勤も自己都合。 他人を巻き込むな」「始発に乗るとか時差通勤するとか努力しろ」というコメントが多くて背筋が寒くなった。
マジ~~~?
妊娠が自己都合なら残業も自己都合では?
優先席ってそもそも対象者がいれば優先するための席では??
東京で子連れ出勤するとこんなこと思われちゃうわけ~~~???
このコメントが東京の通勤人口の意見の総和ではないことを祈るばかりです・・・
シンガポールで乳児・幼児を持つ日本人お母さんの友達が口を揃えて言うのが「シンガポールは子供や子連れに優しい。 ここを経験すると東京で育児はできない!」。
街中の様子を見ていると私でもそうなんだろうなー、と思うけど、今日のエントリーはシンガポール礼賛物語ではないです。 「子供天国ってこんなんでいいのか?」と思うこともあります。
私は子持ちではないので、気づいていないことやわからないことがたくさんあると思うので、お子さんがいる方のコメント歓迎~。
Happy National Day
昨日はシンガポールNational Day、44周年の建国記念日でした。
『多民族国家の祝日の過ごし方』に書いたように、シンガポールの休日は民族・宗教に関連したものが多く、National Dayはシンガポール国民全員の唯一のお祭りの日。
街中がこの日に向けて国旗を飾りhdb(公団)のバルコニーから垂れ下がった国旗がはためくのは毎年お決まりの光景。
戦闘機が空中ショーを行うため1ヵ月ほど前から練習が始まる(日没時に耳をつんざくような爆音を響かせて上空で練習する)のも毎年同じ。
この日のクライマックスは夕方から巨大スタジアムで始まるナショナルデーパレード(NDP)。 簡単に表現すると、北京オリンピックのオープニングセレモニーのスケールダウン版みたいな音楽あり踊りありの一大ショーです。 これに国軍やPAP(シンガポールの与党、人民党)などの行進、毎年異なるナショナルデーソング、クライマックスの花火が加わり、最後の国歌斉唱で国を想う気持ちが最高潮に達する、という趣旨の国威発揚イベント。
政府が大変な予算をかけて行うイベントで今年は不況だから地味にするのかな?と思いきや何のその、今年も派手にやってました(結局、気になってテレビで見てしまった私たち)。
今年の様子は→National Day Paradeオフィシャルウェブサイト。
ヨーロッパをマネする日本をマネするシンガポール
シンガポールでは日本食はもはやブームを超えて、外食のオプションのひとつになっています。 ハイエンド(高級日本食レストランでは本場日本と変わりない味が堪能できる)とローエンド(リーズナブルに若干ローカライズされた寿司・焼き鳥などが楽しめる)の二極化という世界中の大都市で当たり前の光景とは一線を画していて、「日本の食べ物はアレンジなしですべて人気」状態。 よって、ミドルレンジ(ランチS$20 = 1,500円、ディナーS$40-60 = 3,000 – 4,500円くらい)が非常に充実しており、焼魚定食、炉端焼き、山菜釜飯、鍋焼きうどん、何でもあります。 日本食のミドルレンジの充実度は量・質ともに世界一ではないかな?(全く根拠はありませんが・・・もちろん日本を除きます)
最近の面白い傾向は日本食っぽい日本食に飽き足らず、日本でアレンジされた洋モノが人気なこと。 それもオムライスやハンバーグなどいわゆる「洋食」ではなく、パスタやアイスクリームなど普通のものです。
例えば、去年オープンしたこの大人気アイスクリームショップ。 marvelous creamという日本のチェーンなのですが(私は知りませんでした、有名?)、コンセプトはcold stone creameryと同じ、冷たい石の板の上でアイスとトッピングをミックスするもので、価格帯も同じ(ハーゲンダッツより高いプレミアム価格)。
メディア規制の影響
週末は上海からアメリカ人友人Aが我が家に泊まりにきていました。
金曜日に家に到着するなり、うちのテーブルに置いてあったThe Economistに食いつき離れないA。 土日も友人たちと食事し談笑する時間以外は、本屋に入り浸るか、うちで古いThe Economistを延々読み続けるA。 よっぽど欧米活字メディアに飢えていたようです。
3週間くらい前から中国でFacebookがブロックされているなあ、というのは気づいていましたが、Twitter、YouTube、Flickr、etc. 私たちの生活の一部となっているほとんどのウェブサービスは以前からブロックされているとのこと。
Guardian : China blocks Twitter, Flickr and Hotmail ahead of Tiananmen anniversary
TechCrunch : ウルムチの暴動の後、中国政府はTwitter、Facebookをブロック中
イラン選挙後の争乱で次々に現地の様子がTwitterやYouTubeに投稿され一瞬にして世界に伝わったことに比べ、ウルムチ暴動の際は現地の生の声というのはほとんど伝わってこなかったことからもメディア規制の効果がわかります。
中国では、Aいわく、International Herald Tribuneなど欧米メディアのウェブ版は中国に関連しないニュースは自由に読めるものの、中国関連(特にウルムチ暴動など)のニュースはトップページのヘッドラインは読めるのにクリックできないようになっているそうです(クリックできないので記事が読めない)。 キーワードでブロックをかけているのでしょうか?
人材の海外流出を防ぐには?
3カ月ほど前の渡辺千賀さんの「海外で勉強して働こう」エントリーの後起こった数々の議論の中に、「日本の英語教育が役に立たないのは、日本人が海外に逃げないようにするための政府の陰謀だ」というコメントを読んだのですが、その真偽はともかく、それと全く反対のことが起こっている国がありました。
以下、シンガポール政府上級官僚がある高校で行ったスピーチ(いつも記事を送ってくれるYさんが送ってくれました、ありがとう!)
1996年から1999年までの4年間にAレベルをとったトップクラスのシンガポール人生徒5人に1人は、10年後の現在シンガポールにはおらず海外で働いている。 また、奨学金ではなく自前で留学したシンガポール人学生の3人に1人はシンガポールで就労していない。 こうした人材の海外流出問題は軽視できないまでになっている。
人材が不足しては経済発展・繁栄は望めない。 シンガポールのように出生率が低く、人口の小さな小国はなおさらである。
だが、今の若者はグローバル時代に生きている。 政府も海外留学・飛躍を奨励し新しい知識を吸収し経験を積むよう激励している。 だが、優秀な学生が仕事や結婚などを理由に帰国する者が減り続けたら、シンガポールはどうなるのか?
だからこそ、シンガポールへの帰属感を養い、シンガポールの国家社会に貢献するよう幼少から教えこむ必要があるのだ。 子供たちに、誰が育ていつくしんだのかをよく理解させ、持てる力を国家社会に還元するよう教えるべきである。(星日報より)