チュニジアに端を発した中東の政治不安がイエメン・アルジェリア・エジプト・バーレーン・リビアと次々と飛び火しています。 「ソーシャル革命」などと言われていますが、私は「世界がいよいよブラック・スワンになった」と思いました。
ブラック・スワンとは以下のような特徴を持つ事象のこと。
一つは予測できないこと。
二つ目は非常に強いインパクトをもたらすこと。
そして三つ目は、いったん起きてしまうと、いかにもそれらしい説明がなされ、実際よりも偶然には見えなくなったり、最初からわかっていたような気にさせられたりすること。
(ナシーム・タレブの名著『ブラック・スワン』については、以前ブログで紹介しています→『「果ての国」に生きる – 1』、『- 2』
もはや覚えている人は少ないと思いますが、チュニジアデモのきっかけは、去年12月17日。 大学卒業しても職を得られなかった若者が路上で野菜を販売していたところ、無免許だとして警察に商品を没収され追い払われ、そのわずかな生計を立てる手段さえ奪われたことに抗議し焼身自殺を図る。 その小さな街で、彼を政府の無策に対する殉教者だと人々がデモを行った様子がYouTubeに投稿されるやいなや全国規模のデモに発展します。
それがチュニジア政権を倒し、エジプトでは30年間独裁していたムバラク大統領を引きずりおろした、という・・・(NY Timesのupdateがよくまとまっています)