Tag Archives: キャリア

アメリカ人ビジネスマンとメキシコ人漁師の話

地震前に読んだTim Ferrisの『The 4-Hour Workweek』、あまりに面白くて、あまりに良かったので、すぐもう1度読み返しました。 『なぜ、週4時間働くだけでお金持ちになれるのか?』という邦訳が出ているようですが、彼の文章力が最高(!)なので、ぜひ原書で読んで欲しい。
いまいちな邦題がついているので怪しい金儲け本のように聞こえますが、著者のTim自身はアメリカの名門プリンストン大学を卒業していて、同級生たちは米ビジネス界で花形職業につきキャリアのファーストトラックを邁進中。 身を削って長時間労働にいそしみ、高給を貯めてアーリー・リタイアすることが目的。
私自身たーくさん知ってます、こういう人たち(→『MBAの同窓会』『Factory for unhappy people – 不幸な人の製造工場』『自分に一番近い8人が「自分」』)。
で、Timの彼らに関する描写が本当に爆笑なのです(拙訳付き)。

Donald_Trump.jpgIf i offered you $10,000,000 to work 24 hours a day for 15 years and then retire, would you do it? Of course not – you couldn’t. It is unsustainable, just as what most define as a career: doing the same thing for 8+ hours per day until you break down or have enough cash to permanently stop.
How else can my 30-year-old friends all look like a cross between Donald Trump and Joan Rivers? It’s horrendous – premature aging fueled by triple bypass frappuccinos and impossible workloads.
もしボクが年収1,000万円で15年間、1日24時間働いたらリタイアできるよ、って言ったらやる? もちろんやらないよね – できないもん。 そんなの続かない、ほとんどの人が定義しているキャリア(精神的・身体的に参るか二度と働かなくていいほどキャッシュが貯まるまで1日8時間以上働くこと)だって同じだ。
そうでなきゃ、何でボクの同級生(30歳)がDonald TrumpとJoan Riversを掛け合わせたような顔してるんだ? 身の毛がよだつねー フラペチーノと到底不可能な仕事量で3倍速で老化してる(右がDonald Trump、Joan Riversの顔は続きを読むをクリック)。

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Frenchman in London

昨日書いた、ロンドン & ニューヨーク→香港 & シンガポール、という人の流れの話の続き。 ロンドンから人が流れている、と言えど、彼らはイギリス人ではない、という話。
シンガポールでも金融とコンサルは外国人ばかりでしたが(→『絶滅寸前? 駐在員手当』)、ロンドンも似たようなもの。 夫(戦略コンサル)が、最近ミーティングした投資銀行とPE(プライベート・エクイティ)では20人のうちイギリス人は25%だけだった、と言ってました。
後の75%は、フランス人、ドイツ人、デンマーク人、アイルランド人、アメリカ人、オーストラリア人、南アフリカ人・・・etc.
EU内は移動が自由なので、EU出身者が多いのはもちろんのこと、コモンウェルス諸国出身者も多い(→『ロンドンにとっての地方』)。 特に、フランス人バンカーは本当に多く、シティで石を投げるとフランス人バンカーに当たります(たぶん)。
その国・都市にいる外国人を見ると、彼らが魅せられるその場所の魅力がわかる、という話は『Englishman in New York』に書きましたが、今日はその第2弾、”Frenchman in London”、The Economistの記事より。
The Economist : Paris-on-Thames

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稼ぎたいやつはアジアへ行け。

去年初めに、「は? 子どもできるのにシンガポールからロンドンに引っ越すって順番逆じゃないの?」と言われつつ、シンガポールからロンドンに移って重税と高い家賃・チャイルドケアに苦しんでいる私たちですが(涙)、時代のトレンドはまだまだ人をアジアへと向かわせている、という記事がThe Economistに載っていました。
(私たちの話は→『ロンドンに引っ越します。』
The Economist : Go east, young moneyman
成熟国出身者が成長著しいアジア市場の勢いに乗ってキャリアアップさせようとしている現象は以前『成熟国出身者のキャリア戦略』に書きましたが、この記事は金融業界に限った話。 もっともモビリティーの高い業界ですね、それにしても彼らはよく頻繁に国境を越えて転職します。
financial-service_destinations.gif金融業界のプロフェッショナルが仕事を求めて他国へ行くときの行き先トップ3が右のリスト。 アメリカ(ウォール街)・イギリス(シティ)・香港・シンガポールの4都市で人材を取り合っているだけに見えますが・・・ 世界の金融の中心地はこの4都市(+プライベートバンキングのスイスと、やや見劣りするが急成長中の上海)になっているようです。

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The Future of Work

「過去最低の内定率に直面している日本の大学生はかわいそう」とはあまり思わない。
ゲームの途中でルールが天地ひっくり返るくらい変わるより、ゲームに参加する前にルール変更を知った方がいいと思いません?
私は新卒で入った会社がすぐ経営不振になったことを今では本当にラッキーだったと思います(→『米金融、未曾有の危機』)、あの頃は本当に身軽だったのですぐ動けたし。
私はもう人のキャリア相談にはあまり乗らないことにしてるし(→『業界の旬とキャリア相談』)、自分だったら就職活動せずに大学院留学しますが、(→『就活中の学生へ – 1』『- 2』『- 3』)、「将来の仕事ってどんなの?」という疑問にわかりやすいビジュアルで答えているプレゼンを見つけたので貼っておきます。

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年初にもらった素敵な話2つ

日本の年賀状(新年の挨拶)の習慣って(紙で出すかどうかは別にして)いいなー、と最近思うようになりました。
私は海外生活の方が長くなって以来、紙の年賀状を出さなくなった(& こなくなった)ので主にメールですが、すっかりご無沙汰している人から年1回近況を聞くことができるのはとても嬉しいです。
今年頂いた新年の賀状(賀メール?)の中から素敵な話を2つ。
お1人目は転職エージェントAXIOM社長の渡辺さん。 渡辺さんにお会いしたのは、私が日本で転職活動をしていた頃なのでもう何年前のことなのか記憶がないのですが、物腰の柔らか〜い紳士です。
渡辺さんが送ってくださったメールの中で知ったダライ・ラマのメッセージがシンプルですが心に響きました(下記のコラムで読めます)。
転職市場の明日を読め – キャリアと幸せ:現実を直視し、受け入れ、学ぶこと、努力することの重要性について

『思いやりと個人 “COMPASSION AND THE INDIVIDUAL”』

  • 人生の目的とは?
  • いかに幸せに到達するか?
  • 愛の必要性
  • 思いやりを深める
  • いかに出発するか?
  • 友人と敵
  • 思いやりと世界

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女性MBAの出産後のキャリア – 2

一昨日の続きでさらにサンプルが続きます。 ロンドンはどうしても金融が多いので金融以外の例もどうぞ。
6. アムステルダム在住日本人K、デンマーク人の夫との間に3歳と2歳の息子2人。
INSEAD後、アムステルダムでオランダ系電機メーカー勤務、出産後2回とも同じ職場に復帰。 夫は米系アパレル。
「オランダは本当に職・住環境がファミリー・フレンドリーで育てやすい。 アムステルダムにぜひおいで〜」
7. シンガポール在住シンガポール人M、シンガポール人の夫との間に4歳と2歳の娘2人。
家業のパームオイル・メーカーで父親の経営を手伝う。 住み込みメイド2人が家事・育児全般を担当(外食にも旅行にもメイド同伴)。 近くに両方の両親も住んでいるので(シンガポールは東京23区の広さ)、サンプルの中では最も余裕のある家庭。
8. シンガポール在住スウェーデン人S、デンマーク人の夫との間に5歳の娘と3歳の息子。
コペンハーゲンでブティック系コンサル勤務、パートナー(共同経営者)になるも夫と2人でアジアに住む夢を叶えるためシンガポールに移住、現在は独立コンサル。 夫は欧系海運業のExpat。
「子どもがいると人生のプライオリティーが全く変わる」
9. シドニー在住ベルギー人C、オーストラリア人の夫との間に4歳と2歳の息子2人。
INSEAD後、ロンドン・シティで英系大手銀行投資銀行部門に勤めるものの、Quality of Lifeを求めて夫の故郷シドニーに家族で移住。 しばらくfull-time mum(stay-at-home mumとも言う)を満喫。

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女性MBAの出産後のキャリア – 1

HBS(Harvard Business School)留学中のGlobetrotterさんからだいーぶ前にリクエストをもらっていたのですが、お待たせしました・・・件名通りのお題です。
実は私「女性とキャリア」というトピック、苦手なのです。 リクエストが多いので、たまに書くのですが(類似エントリー→『MBA女性の10年後』『MBA女性の10年後 – 王道対策編』)、苦手な理由として、
1. そもそも限られた人生の時間をどう使うか、は女性だけではなく男性も持つ共通の悩み。 男性だって子どもが産まれたら、もっと一緒の時間が欲しい!と切望している(少なくとも私の夫は切望している)
2. 私自身はこういう(→『人生とはやりたいことを探し続けるプロセス』『究極のキャリアドリフト』)心境なので、長期のキャリア計画なんて全然ない
から。
・・・とは言え、サンプルは周りにいっぱいいるので今日はINSEAD同級生の例をご紹介。 全員30代女性、フランスのビジネススクールINSEADで6年前にMBA取得、過去5年以内に出産経験あり、です。
1. ロンドン在住イギリス人S、オランダ人の夫との間に3歳と1歳の娘2人。
英大手銀行の投資銀行部門にいたものの育休後、プライベートバンキング部門へ異動しプライベートバンカーに。 現在は週4日、8am – 5pmで働く。 夫はPE(プライベート・エクイティ)。 ロンドンからサリー州の実家近くに引っ越し、母親とベビーシッターのヘルプを借りてこなすものの、通勤に1時間以上かかるためダッシュで5pmにオフィスを出る毎日(娘の就寝後に1時間ほど家で仕事をすることも)。
「両立させるのは大変だがその価値あり、(子どもを産んだことは)私が人生でやったことの中で一番よかったこと」。

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仕事がなくなるのはミドル層

まず、このビデオをどうぞ。

1枚1枚じっくり見てから丁寧に端と端を合わせてタオルをたたむロボット、すごいなー ぜひ、うちの洗濯物もたたんで欲しいわ〜
このビデオの紹介から始まるThe Economistの記事がとても面白かったので、久しぶりにご紹介。
The Economist : Automatic reaction

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私が運転席に座るからあなたは後部座席ね

以前、『MBA女性の10年後』というエントリーで、MBAを取得した女性の半分が10年後は専業主婦になっている現状について書いたところ、「妻がバリバリ働き、夫が家庭をサポートするケースもある」というコメントを頂いたのですが、今まで私の身近にはいませんでした。
1. こちらこちらに出てくる中国人Yのように家事と育児は住み込みのフルタイムナニーにほとんど任せて自分も長時間働き高給を稼ぐケース(ただし少数派)
2. 夫の海外転勤などをきっかけに自分の仕事はうんとスケールダウンして育児を優先させるケース(乳幼児がいる年齢なので増えてきた)
3. 夫婦ともにワークライフバランスを目指しながら家庭と仕事を常にジャグリング・四苦八苦するケース
のいずれかしか知りませんでした(もちろん子どもがいない人は今まで通り働いている)。 また、シンガポールのようにメイドなどヘルパーが雇いやすい国に住んでいるとだいぶ事情は異なります(→『6家庭に1軒がメイドを雇う社会』)。
ところが、ついに見つけました、4. 自分が長時間働き高給を稼ぎ、夫が家事・育児をサポートするケース。 ロー・ファーム(法律事務所)でパートナーを目指すイギリス人L。
彼女はすぐ近所に住んでいる両親学級で知り合ったママ友達の1人(→『Yummy Mummyたちの集い』『Yummy Mummies’ Babies』)。 ここで知り合った7人(+7人のベビー)は今も毎週欠かさず会っていて、最近は離乳食や仕事復帰、チャイルドケアなどに話題が移ってきました。 時が経つのははやいなー・・・出会ったときは全員臨月の妊婦だったのに。

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衣食足りて礼節を知る

時間が経ってしまったのですが、『チャイナ・ドリーム』『”泣かせる”夢を持つ人、持たない人』のエントリーを読み、ブログの中でお勧めしたNHKスペシャル『インドの衝撃』を観た任宜(にんぎ)さん(中国人で現在コンサルファームにお勤め)から感想として以下のようなメールを頂きました。

中国やインドの人々は非常に努力をしています。 それは非常にすばらしいし、日本のぬるい大学環境よりもずっと共感できます。
ただ、その源泉が「貧困からの脱出」「現在恵まれている人に追いつき、追い抜くこと」であり、そのパラダイムが彼らの力の源になっています。 それでは本質的に「家族」、「地域」、「国」という枠を抜け出すことはできません。 どこまでいっても「自分と自分の所属するコミュニティ」の向上に終止してしまいます。
それも悪くは決してないのですが、もう一つ目線を上げれるといいなと強く思います。 競争をして勝とうとすることが生物の性ですが、、、、、、
孔子の言葉に「衣食足りて礼節を知る」という言葉があります。 マズローの欲求五段階説じゃありませんが、ある程度満たされた人でないと、本当の意味で世界をリードするというのは難しいのかなと思います。
エネルギーをできるだけ節約することが生物の本能ではあるのですが、お腹一杯の先進国の恵まれたエリート諸兄には、是非世界とはどうあるべきかに思いを馳せてほしいと思います。

そして、

(先進国の)恵まれている人にしかできないことがあり、それに向かって本気で努力する者がいてもいいのではないか。 もし、そういう人に会ったことがあったら教えてほしい

とのことでした。

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