Tag Archives: キャリア

未来に備える本

ようやく子どもが2人になり、「これで子どもが小学校・中学校に入る年がわかる!」と喜んだのも束の間のこと(→『人生の駒がどんどん決まる幸せ』)。 これからどんどん老いる先進国に生まれ、地球温暖化を初め課題は山積み、待ったなしでグローバル化が進む世界で、地球の裏側のハングリーで貪欲な同世代との競争を迫られる子どもたちにはどのような教育を受けさせるべきか、もっと根本的な問題として親としてどういう背中・姿勢を見せたらいいのか、考えていました。
『20、30、50年後を想像しながら動く』を書いたのは2年半前ですが、つらつらと漠然と考えていた将来をもっと具体的な未来予想図を提示しながら動く方向性を示してくれた本に出会いました、先日書いたリンダ・グラットン著『ワーク・シフト – 孤独と貧困から自由になる働き方の未来図〈2025〉』

やっぱり無料で読める誰かが切り取った本の抜粋や5分で読めるニュース記事をちらちら追いかけるのではなく、こういう何百ページもある骨太の本を読まなきゃだめですねー もちろん未来の「答え」ではありませんが、ビジネススクールの教授らしくわかりやすいフレームワークを提示して、たっぷり考えるきっかけと動く方向性を示してくれました。 逆にこの本読んでも動けない人はどういう危機感持ってるんだろうと思います。
Continue reading


イクメンの行方

先週末、友人(英伊カップル)の3歳の子の誕生日パーティーに呼ばれたのですが、当たり前のようで個人的には衝撃的なことを発見しました。 招かれていたのは、0 – 4歳までの子ども(兄弟もたくさん)を持つファミリー6組ほど。 初対面の家族ばかりでしたがフレンドリーにいろいろ話したのですが、親たち全員が疲れていた!!!
母親だけでなく父親も育児と仕事の両立で疲れ切っていたのが印象的。 みんな睡眠不足からくる疲れと子の成長を眺める幸せが入り交じった独特の、とても身に覚えのある雰囲気を漂わせていました。 やはり”Generation Xhausted”である(→The Economist : Generation Xhausted)。

現代の父親たちは一世代前の父親と異なった次のようなトレンドにさらされています。
1. 父親の育児参加は当然に
私は「育児参加」という言葉が嫌いですが(「明日の飲み会参加する?」「うーーん、明日はちょっとやめとく!」くらいのノリで「参加」されても困る。 共同責任だし育児に休日はない)、イギリスでは働く母親が多いこともあり、父親と母親が育児の負担をシェアするのは(シェア比率はともかく)ごく一般的になってきました。 産前クラスでもさんざん強調されます(→『出産・育児は2人でするもの』)。
もちろんその形は家庭によりけりですが、例えば息子のナーサリーで送り迎えをしているのはパパ40%くらいの比率でしょうか(ほとんどの家庭は送りとお迎えを分担)。
Continue reading


妊婦CEO誕生!

いやはや、たまげた、このニュース。
長く混迷している米Yahooの新トップにGoogle幹部のMarissa Mayerが就任。
NY Times : A Yahoo Search Calls Up a Chief From Google
TechCrunch : Longtime Google Exec Marissa Mayer Is Yahoo’s New CEO

Yahooはおそらく最もターンアラウンドが難しい大企業のひとつではないかと思うのですが、そのトップに37歳女性が就任、しかも妊娠中!(10月出産予定)
さすがのアメリカでもFortune 500企業のトップが在任中に妊娠・出産というのは初めてだそう。 まあ、妊娠できる年齢の女性が大企業トップに就くこと自体が超レアなケースなので当たり前と言えば当たり前ですが。

妊娠を理由に躊躇しなかった彼女もすごいし、それをモノともせずオファーを出したYahooのボードもすごい。

妊娠・出産を控えた女性がキャリアのブレーキを踏んでしまうことに対し、Facebook COOのSheryl Sandbergが「実際にその時(休まなければいけないとき)が来るまでアクセルを踏み続けて」と啓蒙し続けているので、今日はこの話題を機にそれを紹介。

ちなみに、

男性は成功すると人に好かれるのに対し(出世と好感度は比例)、女性は成功すると人に嫌われる(出世と好感度は逆比例)

というショッキングなデータがあるのですが、彼女は大企業トップなのにLikable(好かれやすい)な稀に見る女性。 たしかに、ヒラリー(クリントン)・メグ(ウィットマン)・カーリー(フィオリーナ)、etc. パワーウーマンは怖い人多いものね・・・(メグ・ウィットマンはINSEADにスピーカーとして来たときに実物の話を聞いたことあるけど、怖くなかったのでマスコミがつくりあげるイメージはかなり影響してると思われる)
Continue reading


要注意なお仕事リスト

『クリエイターになりたい。』に書いたように、ゼロベース思考でクリエイターになりたいと思った私ですが、どういう種類のクリエイターになるのかが問題でした。
以下のような職業じゃないか、はチェックしました。 時代はものすごいスピードで変化してるから難しいのですが、環境の変化への最良の対処法は自分を変えることなので、時代を見据えながら変化し続けるしかないんですよね。
1. テクノロジーの進化がプロとアマチュアの境界を限りなく曖昧にした職業
Chikirinの日記『ライターとカメラマン』がずばり指摘しているけど、
ライター:ブログの普及で一般人でも簡単に世界各地からほぼタダで文章を世間に公開できるようになり「文章力」「取材力」で食べていくのはとても難しくなった。
カメラマン:一眼レフとPhotoshopで誰でも気軽に息を飲むような写真を生み出せるようになった。
この2つはわかりやすい例だけど、どんな仕事にも高付加価値の仕事と低付加価値の仕事があり、破壊的テクノロジーは高学歴・ハイスキルの代名詞のような職業でもローエンド側からどんどん侵略しています。
(例)
弁護士:過去の判例検索はネット上で無料でできるように。 アメリカには弁護士が質問3つまで無料で答えてくれるSNSができたり(→The Economist : Bargain briefs)。
医者:医師へのオンライン無料相談サイトが登場。 レントゲン写真やMRI画像をインドの放射線科医に送るアメリカの病院もある(FOCUS :誰があなたのレントゲン写真を診るのか?)。

Continue reading


「好き」を仕事にしない理由

今週、昔の会社の先輩から届いたメールの一部。 思わず声をあげて笑ってしまいました。

ブログ見てるぞえ。 おめでとう!
昔、何かの拍子でソニー時代、ようこに「休日なにしてるの?」って聞いたら、「タイル集め」って言われたことをなぜだか思い出した(笑)

タイル集め・・・(笑)
よく覚えてますねー・・・ 自分でも忘れてた。
正確には「休日」じゃなく「長期休暇」だと思うけど、そういやあの頃は旅に出るたびにタイルを買っていました。 使う予定がないからいつしかやめちゃったけど度重なる引っ越しでも捨てられずにいまだに持っています。
タイル集めじゃ飽き足らず、黒のブラウン管テレビをスプレーで真っ白にペイントしてテレビの表面全体に青タイルを貼ったりしてました。
世界で一番美しい建築はイスタンブールのブルー・モスクだと思ってるくらいタイルが好きで、タイルを見にシチリアのCaltagironeやメキシコのPueblaまで行ったことがあります(両方ともタイル好きには息ができなくなるほど興奮する町)。
blue_mosque_interior.jpg

Continue reading


クリエイターになりたい。

『今日は私の キス記念日』に書いたとおり、私の幸せ構成比はたぶんこんな感じ。

1. 家族 70%
2. 環境・プライベート 20%
3. 仕事 10%

夫がいるシンガポールに引っ越し子どもが生まれたことで1.を押さえ、ロンドンに引っ越したことで2.を押さえたので、3.の大幅てこ入れが必要でした。
キャリアチェンジは、「場所(Location)・業界(Industry)・職種(Function)の3つ全部を変えることは難しいが、1つか2つなら可能」という言い方をよくするのですが、いろいろなケースを見ていると、場所(Location)を変えるのが一番大変(特にアジア→ヨーロッパなど地域を超える場合、もちろん社内異動などは除く)、次に業界(Industry)、いったん業界または会社に入ってしまえばその中で職種(Function)チェンジすることは意外と簡単(『求職者の心構え』で書いたフェラーリにアルバイトで入って最後は戦略部門に移ったケースなど)。
なので、住みたい場所がある人はまずそっちを押さえるのはけっこう重要だと思います(住む場所よりやりたいことの方が重要って人はこの限りではない)。 日本人の海外就職に一番大きく立ちはだかるのはVISAだし。
話を戻して、去年の夏頃からちょこちょこと友人から依頼があった仕事をしていた私ですが、今年の初めからまじめに就職活動を開始しました。 就職活動は自分ができることと相手(雇用主)が求めることをマッチさせる作業なので、自分の経験(業界・地域・プロダクトetc.)やスキルをブロック化していきます。 ヨーロッパでの仕事経験がないので圧倒的に不利な上に、自分ができること(イメージは大きなブロックがけっこうたくさん、笑)から今いるマーケットで求められていないことを除いていくと、どんどんブロックが小さくなっちゃうんですよね、やったことある人はわかると思いますが。

Continue reading


始まりの季節、秋

気がつけばこのブログを始めてから3年以上経ち、このエントリーで600回目となりました。
100回ごとに記念エントリーを書くことになっているので(過去のエントリーはABOUTページからどうぞ)、今日は私の近況でも。
来週からフルタイムで専門学校に通いArchitectural Interior Design(建築インテリアデザイン)を学びます。 期間は1年、資格はPostgraduate Diploma(大学院レベルの職業専門知識)。 終了後は建築インテリアデザイナーになる、予定。
私は新卒入社以来、会社は変われどずっとテクノロジー業界のビジネス系(投資・海外営業・コンサル)にいたので、ビジネス系からクリエイティブ系へ、と「左脳系から右脳系」くらいのチェンジです(でも業界の人には、ビジネスとして成功させるためにはクリエイティビティーが10%くらい、後はビジネス・センスやコミュニケーション力etc.とアドバイスされましたが)。
「なぜ建築インテリアデザインなの?」とお思いだと思いますが、長くなるので、追々書くとして、今日は「建築インテリアデザインって何?」という話を。

Continue reading


やっとここまで来ました – 女性とキャリア

私の母はその昔、大学を出て英語教師になり、その後、通訳になりました。 新卒で商社に内定したばかりの私に母が言った言葉。

私たちの頃は女性は公務員か教師しか職がなかった。 今は女性でも民間企業に入れるようになったけど、入った後はどうなのかしらね? 楽とは思えないけど。

母の時代と異なり、民間企業のドアはほんのわずか開いていたけど、入った後のことなんてよくわからなかったし情報もなかった大学時代。 こういう包括的な記事が出ていたら少しは参考にしたのかなー?と思います。
まあ、大学時代なんて自分が何になりたいのかわかんないもんだけど。
The Economist : The wrong way to promote women
The Economist : Still lonely at the top

大企業の女性取締役比率はアメリカで15%、ヨーロッパでは10%、いやー、いろいろやってるのに何で増えないんだろうねー?

という記事(貴重な人材を活用するという観点もさながら、ダイバーシティに富む企業のパフォーマンスがいいという調査結果から、こういう議論になっている)。
さまざまな施策を打っているのに増えないのは、「取締役にまであがるような男性は性差別するから?」「女性はお手本となるロールモデルや引っ張り上げてくれるメンターがいないから?」・・・ 好循環を生み出すループになかなか入らないことに業を煮やしたヨーロッパ各国政府がクォータ制の導入に次々と踏み切っています。
ところが、2008年にいちはやくクォータ制を導入したノルウェー、上場企業のボードメンバーに女性を4割以上当てるよう義務づけた結果、能力主義であれば登用されない経験不足の女性が多数取締役になってしまい企業のパフォーマンスが落ちているという調査が出ました。

Continue reading


今さら戦略コンサル?

以前、『業界の旬とキャリア相談』というエントリーで、マネックス証券松本さんの次の言葉を紹介しましたが、

もし今僕が就活生だったら、絶対投資銀行なんか入らないけどな。
実際僕がそこへ入ったのは投資銀行業界が栄えてきて10年くらいしたときで一番勢いがあった。
そこからもう20年経った今、もう外資金融の伸び時期はもう終わっている。
成功して盛り上がった後に相乗りするのは時代遅れ。

投資銀行と同じくMBA学生に人気の就職先、戦略コンサルも業界のピークは過ぎた、というお話。
私が行ったINSEADはコンサル輩出校と呼ばれるくらいコンサルに行く人が多かったので、石を投げればBIG 3(McKinsey、BCG、Bain)を始めとする戦略コンサルに当たるのですが(ターンオーバーの激しい業界なので、まだ残っている人はだいぶ減ったが)彼らと話していて薄々感じていたことがThe Economistに記事になっていました。

Harvard Business School卒業生のうち金融業界に進んだ人が10%以下の年は米株式市場は上昇局面を迎える、30%以上だと株式市場は暴落寸前。 2006年には42%の卒業生が金融業界に進んだ。

と書いたのは『Ahead of the Curve: Two Years at Harvard Business School』(邦訳:『ハーバードビジネススクール 不幸な人間の製造工場』)のPhilip Delvis Broughtonでしたが(著書はこちらで紹介、こちらも)、私には

The Economistに取り上げられたら個人のランダムな感覚・意見を超えて一般教養の域に入ってきている

という仮説があります。
最近のThe Economistにコンサル業界の展望について「戦略コンサルはビジネスモデルが限界に近づいている」と、ようやく皆が薄々気づいていたことが分析されていました(長い前置きだ・・・)。
The Economist : Advice for consultants

Continue reading


駐妻・現地妻の憂鬱

Twitterでたまたま流れてきた『NY駐在「妻」社会、見聞録』というブログを見てしまいました。 企業による社員の海外派遣がちっとも珍しくもないこの世の中、いまだに「駐妻」ってブランドなのか?と思いつつ、以前、小町かなんかで見た「現地妻」という言葉も同時に思い出しました。
「”現地人”の妻でもない私みたいな人の呼び方はないのか?」、「駐在ではない日本人の妻の呼び方は?」という疑問はさておき・・・
シンガポールでは、このブログで知り合った人以外、とんと日本人と出会うことがなかった私、ロンドンでは子どもの日本人プレイグループを通して日本人ママ友と知り合う機会が多くあります。 その中には、いわゆる「駐妻」も「現地妻」もいます。 加えて「オージーの妻」、「私費留学の夫の妻」、まあいろいろいるわけですが、個人がハッピーか・アンハッピーかは、

  1. 自分自身も主体性を持って(望んで)来たか?
  2. きっかけは自分自身の希望じゃなくても(例:夫に転勤の辞令)、積極的に頭を切り替えられたか?

によるようで、理由や立場の如何ではないようです。
「夫が駐在になったから、自分はキャリアを諦めた」という駐妻と同じく、「イギリス人夫との結婚で、好きだった自分の仕事を辞めてきた」という現地妻もいて、「夫についてきたために自分のキャリアを諦めた」感をずーーっと抱えている人ってたくさんいるんですよねー。
『MBA女性の10年後』というエントリーに、

MBAを取得した女性の半分が10年後は専業主婦になっている現状の大きな理由は、「夫の国境を越えた転勤(転職)」でしょう。

と書いたように、日本人に限った現象でもありません。

Continue reading