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「正しいこと」がひとつの国、たくさんある国

いつも楽しみな渡辺千賀さんの『はたらけシリコンバレー』というコラム。
カリフォルニアのロースクールで弁護士資格を取った方の『行きたいところに行ける人生』コラムの以下の箇所に目が留まりました。

アメリカのロースクールで得られるのは、「弁護士のように考える」思考方法だ。 日本では「正しいことがまずありきで、それを間違った人が『悪い』」 という考えが強いが、アメリカの法学では 「両方正しい。どこで折り合いを付けるか」 という考え方をする。 「正しいこと」が一つしかない国と、沢山ある国の違いだ。

「みんなそれぞれに正しいんだ」 とわかるようになるのが、弁護士のように考えること。 そして、その思考訓練を受けるのがロースクールなのだ。

深いですねー・・・この箇所。 以前書いた『’different’と’wrong’』にも通じるような。
私は法学の素養は全くありませんが(仕事で必要な契約書は書けます)、常々アメリカの政治家になぜこんなに弁護士出身者が多いのか?というのが疑問でした。
現政権はオバマがハーバードロースクール、国務長官ヒラリーがエール、その他弁護士出身者がぞろぞろ。
politicians_occupation.gif以前、こちらのエントリーで国のトップのバックグラウンドが国によって大きく違うと書きましたが(右表参照)、アメリカは圧倒的に法曹界出身者が多いのです(単に弁護士の数が多いからだという人がいるが、絶対にそれだけではないと思う)。
言葉も肌の色も違う人たちをまとめるには「言葉の力」が必要で、弁護士は鍛えられているからだと思っていましたが、この「両方正しい。どこで折り合いを付けるか」という思考回路そのものが政治家の資質として必要とされているかな、とちょっと納得。

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歴史を変えるスピーチ

ブログに書くのが遅くなりましたが、6月4日にカイロ大学で行われたオバマ大統領のスピーチは感激しました。 去年11月5日の大統領選勝利宣言が『歴史に残るスピーチ』ならこっちは『歴史を変えるスピーチ』だろうなー
obama@cairo.jpg55分という長いスピーチで、大統領選勝利宣言のように派手さはないので、しっかり座ってじっくり聞く必要がありますが、一語一語噛みしめて聞くと良さが伝わってきます。 私はホワイトハウスのサイトで、ながら作業をしながら聞き始めたのですが、途中で目が(耳が)離せなくなり画面を凝視しながら聴いていました。
中東の苦悩を肌身で感じてない私でもじんわり涙が出てきちゃったんだから、中東のアラブ人が熱狂したのはわかる。
YouTubeにもありますが、BBCのフルバージョンのリンクを貼っておきます。
BBC : Obama’s Middle East speech in full
こちらがテキスト全文(BBCの解説付き)。
BBC : Obama speech: An analysis
アメリカとイスラムの関係(すでにイスラムはアメリカ社会の一部)、イスラエル問題、9/11、イスラムの女性差別、etc・・・こんなに複雑に絡み合い広範に渡る問題を、「一朝夜に解決できるという理想は抱いていない」ことを認めながら率直に語る人を見たことがない。

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音楽と腹筋

最近あまりに暗くなるようなニュースが多いですね。
インドでのんびりしていた間に加速度がついているような・・・
そんなニュースからひと息どうぞ〜、ということで、最近なごんだビデオとちょっと感動した写真の紹介。

最近なごんだビデオはこちら。

世界各地のストリートミュージシャンがBen E. Kingの”Stand By Me”を歌う姿をミキシングしセッションにしたもので、Where the Hell is Matt? (2008)を彷彿させます。
Playing for Changeというサイトの企画で、「音楽の力で世界に平和を」という趣旨。 “Don’t Worry”など他の曲や、実際に南アフリカに音楽学校をつくっている映像などYouTubeで見られます。
YouTube: Playing for Change

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