Tag Archives: インテリアデザイン

スケルトン・リノベーション完成 in ロンドン

揺れているイギリスで政治的な話が多くなっているこのブログですが、お仕事もしております。

今年の初めに竣工したロンドン北部の高級住宅街ハムステッドの築30年マンションのスケルトンリノベーション。 お話を頂いたのが2015年夏。 日本だとこの規模の工事だと設計と工事を合わせて半年程度で終わるのかもしれませんが、そうはいかないのがイギリス。 何だかんだと時間がかかり、お話を頂いてから1年半近く経ってようやく終了しました。

自分の事務所を立ち上げて間もない頃に、私たちを信じて最初から最後まで任せて頂いたクライアントには本当に感謝しています。 ウェブサイトには、完成写真はもちろんのこと、ビフォーアフターの写真、各エリアごとのデザインポリシー、クライアントの感想まで盛りだくさん載せています。 日本とイギリスの比較という意味でも面白いと思うので、ぜひご覧ください。
こちら
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インタビューされました。

アンティーク/ビンテージインテリア商品専門のオンラインマーケットプレイス“Layer Home”が運営する人気ライフスタイルブログ“THE LAYER BLOG”のインタビューを受けました。
Layer Home – MEET THE DESIGNER: YOKO KLOEDEN(英語)
過去にはJo BerrymanShaun Clarksonなど著名デザイナーが登場しています。

せっかくなので(?)下に訳してみました、英語で答えたので日本語にしてみると若干違和感がありますが・・・
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Layer interview1
キャリアの初めの10年を東京ベースの大企業で過ごしたYokoは、アジア、ヨーロッパ、北米での居住経験があります。 旅が情熱という彼女は他にも数々の世界の壮観な土地を訪れました。 仕事・趣味での旅を通して、Yokoは毎日の生活の中での場所や環境の重要性に気づきました。
ロンドンへの引っ越しと一番上の子供の誕生をきっかけにYokoはサラリーマン生活にさよならをしデザインへの情熱にフォーカスします。 2015年にはYoko Kloeden Designを設立し、プロジェクト管理、予算管理、クライアントとのリエゾンまでビジネスでの豊富な経験を活かしています。
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劇的ビフォーアフター ロンドンの家!

建築インテリアデザイナーとして手がけていた自宅の改装プロジェクトシリーズ。 インテリア含めてビフォーアフターと建築途中の写真をご紹介します。
今までのプロジェクトに関するエントリーはこちら。
『築120年の家を買いました。』
『工事が始まりました。』
『古い家を改修しながら住み続けるということ – 1』
『古い家を改修しながら住み続けるということ – 2』
『築120年の家を現代仕様に改装すると?』
こちらがビフォーアフターの平面図(クリックすると大きくなります)。 内部の壁はすべて取り壊し、1階と2階合わせて25%ほど増築する大きなプロジェクトで(家は小さいですが)、家を購入してから区の建築許可を取ってビルダー(施工業者)を選び、工事開始までに6ヵ月、着工してから完成までに7カ月かかりました。
Plan Before & After
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ゴスロリとちゃぶ台ひっくり返し

『「北欧インテリア」って何?』の続き。 日本における西洋インテリアの成熟度はまだ「イタリア料理といえばナポリタン」だった時代のイタリア料理と同じレベル、というお話で、1. 日本ではインテリアを表現する言葉が曖昧、の続きです。

2. 日本では一斉に同じスタイルが流行る
これはインテリアに限らずファッションでも同じですが、日本では皆が同じものを欲しがります、ひと昔(ってほど昔でもないか)「エビちゃん風ファッション」が一世風靡したときのように。 告白すると私もあの時代、何を血迷ったか白のふわふわモヘアカーディガンを買ってしまったことがありますが、エビちゃんファッションの特徴である純白とかベビーピンクっていわゆるイエロー肌の人には全く似合わないんですよねー 猫も杓子も同じものに飛びつく現象のイタいところです。

日本の新築住宅に輸入住宅というのがありますが、あれも本格派○○住宅という触れ込みのものすごい「なりきり住宅」が登場します、ほとんどゴスロリなどコスプレを思い出してしまう。 コスプレはひとつの文化なので別にいいのですが(話がまた飛びますが、日本のゴスロリはイギリス屈指の名美術館V&Aの特別展示になったほどユニークなもの)、自分という軸はないのか?と気になるのも事実。
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「北欧インテリア」って何?

私はロンドンに来て建築インテリアに目覚めました。 「インテリア」というと「女性のもの」「素人が手作りするもの」「何か特定のスタイルを目指すもの」という感覚が日本ではあると思いますが、こちらでは住む人の生き方そのものが現れていて人々の関心度・深みがレベル違いです(→『あなただけの家 – 1』『- 2』)。 女性だけのものではなく、「男のインテリア」も多いし、もちろんDIYは盛んですが、ある一定レベル以上の家ではプロ(デザイナー)を雇って完成させます。
なぜ皆そんなに関心があるのか?にはいろいろ理由がありますが、衣食住の優先度が「住→食→衣」であること(日本では「衣=食→→→住」)、生活の優先順位が仕事ではなく家族や友人なので家で過ごす時間が長いこと、家に人を招いたり招かれたりすることが社交の中心であること、でしょうか。

昔、日本ではイタリア料理といえばスパゲティーナポリタンとピザ(Quattro Formaggiとかではなく、サラミやピーマンがのってるやつ)という時代がありました。 チーズといえば給食に出てくる剥いて食べるプロセスチーズ(笑)。 それが今や都内のイタリアン・レストランのレベルの高いことと言ったら・・・ 間違いなくロンドンよりレベルが高いです。

ところが、西洋空間のインテリアという分野ではイタリア料理に例えるとまだサイゼリヤが出てきた時代くらいに留まっている気がします(和空間のインテリア=意匠はまた全く別の世界)。 おそらくイタリア料理のように本場で修行した経験の長い熱いプロ層が足りないのでしょう、一般の人の興味がないというのもあるだろうし。

今日は日本における西洋インテリアがスパゲティーナポリタンっぽい理由を書きますが、インテリア業界の方を批判する意図は全くないので、「もっと知りたい」と興味を惹くきっかけになれば嬉しいです。
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ファイナル・プロジェクト – 3


客室はメゾネットタイプ。 すべての部屋の窓から絶景を楽しめるように窓枠にそのままベンチとして腰掛けて外を眺められるようになっています。 このアイデアは『親切で優しい成功哲学』で紹介した哲学者Alain de Bottonが行っているLiving Architectureというプロジェクトの家(→例えばThe Dune House)にインスピレーションを受けました。 窓の外の景色をアート、窓を額縁と見立て、景色が最も美しく見えるように窓枠を切り取るというコンセプト。

屋根にもちょうどロフトのベッドに寝転びながら星空が眺められる位置に天窓が。 ベッドのヘッドボードとマットレス台もチェックのファブリックでUpholstery。 ロフトの下の部屋はバスルーム、銅製のバスタブと洗面ボウルはWilliam Holland。 壁の木材は薄い色と濃い色を交互に組み合わせ、部屋が重くトラディショナルになりすぎないようにします。 もちろん壁にはローカルのアーティストの作品が。
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ファイナル・プロジェクト – 2


1階のエントランス(玄関)を入り右に曲がるとダイニングルームとオープンキッチン。 夜はアンティークストーブの前の大きなダイニングテーブルでゲスト全員がシェフお手製の料理を堪能しますが、朝は天気がよければテラスで朝食が楽しめます。
ホテルにある家具はスコットランドまたは英国内で求めたアンティーク品とモダンブリティッシュデザインの組み合わせ(上記ダイニングテーブルはアンティーク、椅子はBenchmarkのもの)。 すべてのUpholstery(*1)の椅子はスコットランド ハイランド地方に起源を持つ伝統柄にインスピレーションを得たファブリックを張っています。
*1・・・詰め物をして生地を張ること
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ファイナル・プロジェクト – 1


記憶が怪しくなる前にThe Interior Design Schoolの最終プロジェクトをアップしておきます(今までブログに載せた『ロフトアパート・プロジェクト』『クリエイティブ・プロジェクト』とこの最終プロジェクト以外にもあるのですが、ブログに載せるのはこれが最後)。
卒業展で展示する最終プロジェクトはテーマは何でもよし。 学校の向い側にある建物を使ってどんなスペースをデザインしてもよく、イギリス国内であればどこにロケーションを設定しても構いません。

私は今回インテリアデザインを勉強しましたが、『空間が持つパワー』に書いたように、場所が人に与える空気・パワーが好き。 その空気をつくり出すものが結果的に建築(外の箱)なのか、インテリア(中に入ってるもの)なのか、ランドスケープ(景観)なのか、は分類上の違いでしかなく、素晴らしい場所というのは都市計画も含めこれらが一体となっているものだと思っています(そういう意味で将来インテリア以外の領域も学ぶと思うし一生かけても全部はカバーできないほど広くて深いトピック)。
常々アマンリゾートのような外の自然と建物と中のインテリアが三位一体となった空間が好きだったので、最終プロジェクトには隠れ家リゾートをデザインすることにしました。

「イギリス国内」という制限がついていたので選んだ場所はスコットランド北部に位置するスカイ島。 上がそのリゾートのイメージボードです(クリックすると拡大します)。
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クリエイティブ・プロジェクト – 2

昨日の続き。
フランスのスパークリング・ウォーターブランド ペリエがロンドンデザインフェスティバル中に出すポップアップ・バーのコンセプトは「ペリエを五感で体験する」、歩行者だけでなくサイクリストも自転車から下りずに入れます。 自分がミニチュアになってペリエのボトルの中に入ってしまうような感覚を再現するものですが、当日まで来場者に内容は秘密(クリックすると大きな画像になります)。

期間中の2週間だけ使われる建物は、ペリエのボトルを再現するためにドーム型のテント構造を採用。 クリエイティブオフィスが多数集まるClerkenwell中の路上にミステリアスな足跡と自転車マークが散りばめられ、その足跡に誘われるように追っていくと内から照らされた緑のドームが突如広場に姿を現します。
歩行者とサイクリストがぶつからないようにそれぞれ専用の入口から中に入ると初めてペリエのボトルの中に入ったんだとわかる仕組み。
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クリエイティブ・プロジェクト – 1

最近、育児の合間にちょっとずつ建築インテリアデザイナーとしての仕事を始めています。
去年の9月から今年の6月までプロフェッショナル・ディプロマを取りにロンドン北部のThe Interior Design Schoolに通い無事に卒業できたのですが、忙し過ぎてブログをお休みしていました。

学校が始まる前、『クリエイターになりたい。』と書いた私が果たしてクリエイターに近づけたのか、今の心境をまとめておこうと思います。
まず、私のワークブックは最後まで整然としていてフランク・ゲーリーのようなスケッチは描けませんでした(→『他人になろうとするには人生短すぎる』)。 大量のビジュアル・イメージから取捨選択してコンセプトを固めていくのがスタイルとなり、最後まで「何十枚もスケッチしながら考える」というデザイナーっぽいと私が思っていたスタイルは全く身につきませんでした。

その代わり、面白いことがありました。 学校のプログラムはプロジェクト形式でプロジェクト終了ごとに外部の現役デザイナーを呼んで発表会を行いましたが、私が学校の先生(チューターと呼ばれる現役デザイナー)からも外部デザイナーからも最も高い評価を受けたプロジェクトがその名もクリエイティブ・プロジェクト(3週間)と呼ばれるものでした。
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