Tag Archives: イギリス

「イギリスは天気が悪い」をデータで見る

イギリスに対する2大悪口と言えば「天気が悪い」「食事がまずい」でしょう。
後者に対しても反論も山のようにあるのですが、今日は前者に対してのみ。
世界各地に住んできてつくづく思うことは”Everything is relative.”(すべての事柄は相対的である)。 世の中、「絶対○○」なんてものはほとんどない。
天気に関しては、ロシア人やベルギー人の友人は「ロンドンさいこー!」とまでは言わないものの「全然悪くないよねー」と言ってるし、ブラジル人やトルコ人の友人は「何年住んでも天気だけは慣れない」と(冬に向かう今の季節は)悲壮な表情をしています。
いずれも彼らの出身地を考えれば納得のいく話で、「”Everything is relative.”だなー」と思うのですが、東京に住んでいる人に「天気悪いんでしょ?」と言われても「いや、東京と比べると別に悪くもないよ(そりゃ、バルセロナとかと比べたら悪いけど)」なのです。
きちんとデータで見てみましょう(以前こちらに書いたけど統計好き)。

Continue reading


ロンドン名物2階建てバスが外資経営でも誰も気にしてない

double_decker_bus.jpgロンドンといえば真っ赤な2階建てバス(ダブルデッカー)。 ロンドンの大手バス会社のうち3社はNetherlands Railways(オランダ鉄道会社)、Deutsche Bahn(ドイツ鉄道会社)、RATP(パリ交通局)らしい。
東京の公共バスの経営を韓国の鉄道会社がやってるイメージ?
でも誰も気にしてない。 バスなんて時間通りに安全に便利なルートを走ってくれればそれでいい。 車内が清潔で料金が安ければもっといい。
ちなみに民営化された水道会社のうちVeoliaはフランスの公共事業会社、電気・ガスのEDFもフランスの電力会社。
東京水道局も東京電力も外資になるイメージね。
でも誰も気にしてない。 だいたい昔からイギリスって公共事業の「オペレーション」って全く得意じゃなかったから、得意な人に任せた方がいい。 フランスは昔から公共サービスの民間への委託が盛んで強い民間企業が育っているらしいから、どんどんやって欲しいよね(ついでに、ロンドン地下鉄もお願い、って感じ)。
イギリスでの公共サービスなんだから、もちろん雇われているのは現地人。

Continue reading


"生"Jamie’s 30-minute meals

去年のクリスマスシーズンに発売され「イギリス史上最も売れたノンフィクション」になったのが、セレブリティー・シェフJamie Oliverの『Jamie’s 30-Minute Meals』です(なお、フィクションではぶっちぎりでハリー・ポッター)。
一番売れたノンフィクションが料理本って・・・よっぽどイギリス人って本を読まないのか、よっぽど料理好きなのか? と一瞬悩みますが、Jamie Oliverがそれほど人気なのです。 近年は社会活動家としての顔も定着し(→『Jamie Oliverの食の革命』)、ただの「シェフ」って肩書きを超えて、それこそアメリカ人のオプラ・ウィンフリー好きに匹敵するくらいイギリス人の間で人気でないかしらん?(アメリカ進出は、あまりうまく言ってないみたいだけど)
私はそのうち「サー」の称号をもらうんじゃないかと勝手に思っています。
この『Jamie’s 30-Minute Meals』、「30分でディナー3品(スターター・メイン・デザート)をつくる」というありふれたコンセプトなのですが、本当に30分で見た目よし・味よしのディナーがつくれるというところがすごいらしい。
「らしい」というのは、もちろん我が家にもあるのですが夫しかつくったことがないため。 子どもが産まれて以来、Julia ChildでもなくRiver Cafeでもなく、料理は早さが命(!)になってしまったので、『Jamie’s 30-Minute Meals』は本当に重宝。

Continue reading


マイホームへの道 – 2

昨日の続き、イギリス(正確にはイングランド)で家を買う手続きです。
1. 物件探し
方法としては、rightmoveFind a Propertyなどのサイトを見たり、エリアを歩いて”For Sale(売り出し中)”と看板が出ている物件があったらその不動産屋に電話をかけるなど。
昨日も書いたように、ライフステージに合わせて家を買い替える人が多いので、自分の今住んでいるエリアで違うサイズの家に買い替える人がたくさんいる。 彼らは住みたい通りの家の大きさや構造まで知り尽くしていて、狙った物件が出てくるのを待っているので、人気のある物件は市場と出てくると同時に買い手がついたりする。
物件探しと並行して金融機関に住宅ローンのあたりをつけておく。
2. オファー提出
欲しい物件が見つかったら「£xxxで買いたい」という口頭オファーを売り主に対して不動産屋を通して入れる。 売り主側の”Asking Price(言い値)”に対して(通常は)低く入れて価格交渉に持ち込むのだが、他に買いたい人がいれば応札合戦になったり、売り主の事情、買い主の他条件などにより、どの価格で決まるかは実にケース・バイ・ケース。
3. 売り主がオファー受け入れ
両者が価格に(不動産屋を通じて)価格に合意した時点でその物件は”Sold(売約済)”となり、市場からは外される。 が、この口頭合意には法的拘束力が一切ないため、心変わり可能。

Continue reading


マイホームへの道 – 1

なんだかすごく忙しい・・・気がするのは、「マイホーム購入」という慣れないことをしているからでした。 まだ道途上ですが・・・(イギリスで家を買うのは超ストレスフルと悪名高い)
『古いほど人気なマイホーム』に書いたように、マイホーム探しをしていました。 去年中に物件を見学しながら住みたいエリアを絞り、今年に入ってから本格的に物件探しを開始。 気に入った家が見つかってオファーが売り主に受領されたところ(売買プロセスが長いので、別途書きます)。
イギリス人は本当に家を買うのが好きです。 パブで(つまみもなしに)パイントグラス片手に天気の話から始まり、家(& リノベーション)の話か(男性なら)スポーツの話・・・
どのくらい一般的かと言うと、

  • 持ち家率はイングランドで70%、ロンドンで57%(Housing and Planning Statistics 2009)。 日本は全国で61%、東京都で45%(参照:『Property Ladderを昇る人々』
  • )。

  • 出産前クラスで一緒だった7家族のうち、家を買ったことがないのは私たちだけ。 すでに4ベッドルームの家を持つ弁護士Lを除く5人全員がこの1年の間に家を買い替え(ライフステージが変わる毎に、家を買い替えていくのが一般的)。
  • 私たちの銀行の担当者は、私たちが「家を買ったことがない」と言うと絶句していた。

Continue reading


ロー・コンテクスト社会の育児中の働き方

日経ビジネスオンラインで久しぶりに1ページに10回くらいうなずいてしまうこのコラム、『英語の公用化って何?』。 著者の河合江理子さんはINSEADの大先輩です、面識はありませんが。
特に全部蛍光マーカー引きたいくらいだった『英語ができても、意思が通じるとは限らない』から抜粋。

私が今でも意識しているのは、アメリカの文化人類学者であるエドワード・T・ホール氏による「『ハイ・コンテクスト文化』と『ロー・コンテクスト文化』についての概念」である。 コンテクストとは、ざっくりと言えば、状況や背景(バックグラウンド)を指す。
ハイ・コンテクスト文化圏としては、フランスなどのラテン系やアジアなどが当たる。 こうした地域では共通の価値観が長い間かけて作られているため、「いちいち言葉で伝えなくても、お互いに相手の意図を察し合うことでコミュニケーションが成り立つ」というのがホール氏の解釈だった。
一方、アメリカやドイツなどは、ロー・コンテクスト文化圏に属する。 こうした国々の人とは、理論的に説明しないと意思疎通できない。 移民国家は、たいていロー・コンテクスト文化である。
ちなみに、日本は「典型的なハイ・コンテクストの国」とホール氏は指摘していた。 実際、日本には「阿吽(あうん)の呼吸」や「空気を読む」といった独特の表現がある。 言葉を使わずに相手の言いたいことを理解するのは、高いレベルのコミュニケーションスキルと言える。

Continue reading


ロンドン保育事情

一昨日は息子の6ヵ月のHalf year birthdayでした。 ・・・と言っても私は忘れていて、友達に「おめでとう」と言われて思い出しましたが。
3ヵ月頃から薄々気づいていたのですが、とにかくめちゃくちゃアクティブ。 ハイハイもできないのに(お座りはだいぶ上手に)、立ちたがり、歩きたがり、起きている間は始終”たっち”を要求し、”たかい たかい”をビギナーレベルとするアクロバティックな遊びが大好きなので、夕方になると親はへとへとです。
体力が持たないし遊ぶネタにも尽きているので、来月からはナーサリー(保育園)に行ってもらうことにしよう。
イギリスには3歳児以下の公的保育がありません。 3歳児からはプリスクールという幼児保育(たいてい公立小学校に隣接していて週15時間と短い)に通えますが、3歳までは以下のオプションから選ぶのが一般的、いずれも政府の補助金はありません(間違ってたら教えてください)。
1. ナニーを雇う
乳児・幼児の保育のプロフェッショナル。 住み込み(live-in)と通い(live-out)、フルタイムとパートタイムがあり、クオリティはピンキリ、給料もピンキリ。 フルタイムの場合、雇い主が税金やNational Insurance contribution(国民保険料負担)も支払うので、月間コストは2,000 – 3,000ポンド(約28 – 42万円)くらい。
EUの東方拡大で(→『移民の街 ロンドン』)、東欧系移民が非常に多いが、イギリス人のプロ・ナニーも多い。

Continue reading


現役イギリス首相の育児休暇

今週、イギリスではデイビット・キャメロン首相に女の子誕生(!)という嬉しいニュースがありました。 まずは誕生直後の喜びのインタビューをどうぞ。

「え?! 奥さん何歳?」と思いきや、首相夫人のサマンサさんは39歳でした。 現役の首相に赤ちゃん誕生といえば、2000年にブレア首相に第4子が誕生しています。 イギリスのトップ、若い(& 子沢山だ)な〜
キャメロンは期間は明言していないものの育児休暇(paternity leave)を取るそうですが、イギリスの新聞は概ね好意的、というよりすでに予定されていたので当然という受け止め方。

Continue reading


住宅バブル再び・三たび

少子高齢化が進み人口が減少に向かった国がある一方で、全体で見ると人口急増が進む世界。
今回の金融危機はサブプライムローンという住宅ローン債券が不良化し住宅バブルがはじけたのが契機になったにも関わらず、一部の都市ではすでに新たなバブルが進行しています。
The Economist : Global house prices – Froth and stagnation
(表が大きいので次のページに貼りました、「続きを読む」をクリックしてください。)
まず目につくのがこの1月まで住んでいたシンガポール。
去年の7月から今年の6月までの1年間で住宅価格が40%近く値上がりしています。 私が住んでいた時も『1年で家賃相場45%上昇』したと以前書きましたが、金融危機でいったん下落した後、半年くらいで再び上昇に転じすでにピーク時を上回ったよう。
国民の80%以上はHDBと呼ばれる政府供給の公団に住んでおり、民間のアパートは外国人用でもともと投機の対象になりやすいのです。 国土が狭く住宅用地が限られているにも関わらず、人口は増える一方(人口650万人を目指すという政府施策→『疾走するシンガポール』)、世界経済の中で存在感を増すアジアのハブとしてますます投資・投機マネーを呼び込んでいるのでしょう。 買って1年未満の転売も多く、住宅用不動産には頭金の支払いや印紙税を義務付ける規制も焼け石に水とか。
こういう街では、普通に賃貸物件に住むのも大変ですねー ある日いきなり大家に「更新したければ家賃2倍払え」とか言われるので・・・

Continue reading


イギリスの児童虐待対策

今回の大阪の事件は泣いた。
幼児2人が部屋の中で寄り添いながらママを待つ姿を何度も想像してしまい本当に泣いた。
自分に子どもが生まれてからというものの、以前のように冷静に三面記事を読めなくなってしまいました、というより以前は三面記事は読まなかったのに・・・(夫も同じ)。
それにしても今回の事件は救出できたよなー、と思わざるをえません。
児童虐待(ネグレクト含む)と言えばイギリスは先進国(そんな先進国いらないよね・・・)、深刻な社会問題となったのも対策が取られ始めたのも日本より遥かに前で、発生件数は(人口比を考慮すると)日本の15倍以上とか。 市民の関心も非常に高く、ロンドンの新聞London Evening Standardに記事がない日はないくらい。
背景には貧困・離婚率の増加・シングルマザーの増加・10代の妊娠などあるようですが、児童虐待はイギリスの大きな社会問題のひとつです。 今日は興味ある人のためにWebで見つけた下記の視察報告書と私がロンドンに来て以来のランダムな経験をメモしておきます。 まとまってませんが・・・
子供の虹情報研修センター:イギリスにおける児童虐待の対応 視察報告書

Continue reading