11月4日(日本時間では5日)、アメリカ大統領選直後のブログでは選挙人の数しかわからなかったので、「フタを開けてみるとオバマの圧勝でしたね。」と書いたのですが(民主党オバマ:364、共和党マケイン:174)、実際の得票数で見ると全然圧勝ではありませんでした(オバマ:52%、マケイン:46%)。
The Economist : Signed, sealed, delivered
The Economistがwebsite上で実施した世論調査(世界中から誰でも次期アメリカ大統領はオバマがいいかマケインがいいかオンライン投票できる)の結果では圧倒的にオバマ支持でした。 The Economistの政治的立場はリベラルなので(→参考)、この差は当たり前と言えば当たり前だし、自国の国益を優先したいアメリカ国民とその他の国の利益が相反するのも当たり前なのですが、アメリカっていうのはやっぱりよくわからん(さらに言うと、キリスト教保守派っていうのが全くわからん)国だなー、というのが多くの人の感想かと。
そんな時に今話題(?)の『アメリカ人の半分はニューヨークの場所を知らない』を読みました。 どんなことが書いてあるかは、ぜひこちらの目次をどうぞ。
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アメリカが少しだけわかる本
歴史に残る名スピーチ
今日はみんな同じことを書く気がしますが、私も書きます。
昨日のオバマの勝利宣言スピーチはよかった(フルバージョンはこちら↓)。
BBC : Obama’s victory speech in full
私はビジネススクールもアメリカを避けてヨーロッパに行ったくらいなので、アメリカ礼賛主義からは程遠いのですが、そんな私でもこんなリーダーに”America can change”と言われると本当に変われるだろうなー、という気がしたし、こんなリーダーだったらついていってもいいかな、という気さえしました。
今日はこの素晴らしいスピーチを利用して役に立ちそうなことを2つ。
1つめは、パブリックスピーキングについて。
よく言われることですが、アメリカの政治・経済のリーダーのスピーチのうまさは日本の政治・経済リーダーのそれとは比べ物になりません。
「言葉の力で人種・性別・思想・信条が異なる多彩な人々を率いる」ことで鍛えられてきたからであり、似た者同士、仲間内のなあなあや密室会談でいつの間にか上にいたという人たちとは鍛えられ方が違うのだと思います。 逆に言うと、アメリカ人も初めからスピーチがうまい訳ではなく(人前に立つことが何よりも怖い、という人はそれこそ大勢いる)、訓練の賜物なんでしょう。
よし、選挙に行こう。
来週火曜日(11月4日)に迫ったアメリカ大統領選。
夫(オーストラリア人)が完全にハマっています。 ”It’s so entertaining!”だそうな。
毎日、毎日「コリン・パウエルがオバマ支持だよ!」(下記記事)
「アルカイダはマケイン支持だってさ。 ハハハ、マケインにとっては打撃だねー、でもマケインに打撃を与える目的だとすると本当はアルカイダはオバマ支持なのかなー?」(元ネタ不明だが一応、下記参考コラム)
・・・と実にかしましい。
CNN.co.jp : パウエル前国務長官、オバマ氏支持表明
NYTimes.com : The Endorsement from Hell
知らんがな・・・静かに応援してくれ・・・アメリカの選挙権持ってたら絶対投票するんだろうな、この人・・・(もちろん持ってません)
米大統領選が非アメリカ人をもこのように熱中させる理由は、もちろんテレビ、ネットその他メディアを駆使した一大エンターテイメントと化し全世界がリアルタイムで観戦できるからですが、やはり純粋にこれほどまでに今後の4年間(もしくは8年)の世界に影響を与える職種というのも他にないからでしょう。 8年間のブッシュ政権の間に世界も随分変わりましたもんね・・・
全世界の注目を集めているのだからさぞかし投票率も高いことだろう、と思って調べてみたら、「ベトナム戦争時以来の注目度」と言われていた2004年のブッシュ大統領再選時の選挙でも投票率は55.3%でした(Infoplease : National Voter Turnout in Federal Elections : 1960 – 2008)。 ふーん、そんなもんなんだ・・・
なお、オーストラリアでは投票は義務で行かないと罰金なんだそうです(よって、投票率は95%)。 夫はシンガポールに住んでからも、選挙の日はオーストラリア大使館まで投票しに行ってます。
大統領選なのでアメリカについて考えた
「オリンピックが終わるとアメリカ大統領選」、というのは「祇園祭が終われば夏」、みたいなもんで(京都の人しかわからないか・・・)、4年ごとに繰り返されるアメリカ最大のイベントが佳境を迎えています。
大統領が変わるとホワイトハウスのスタッフが総交代になるアメリカでは大統領任期4年のうち最後の1年が政治不能状態に陥り(特に政権2期目は)、この期間、莫大な選挙資金が使われるので、多大な批判もあるのですが、少なくても4年に1度、アメリカ国民はもちろんのこと世界中がアメリカの政治について考える機会を提供しています。
あまりにコロコロ変わるのでオオカミ少年状態となり、当事者の国民の関心が薄い日本の総裁選とは雲泥の差(もちろんこの差は直接選挙、間接選挙という選挙方法の差だけによるものではなく、もっと根本的な問題です)。
「新しい大統領になると自分の国との関係はどうなるか」、が米国外の国での焦点なのは日本もシンガポールも一緒。
シンガポーリアンの友達は「オバマとマケインのどちらが自由貿易路線かどうか」を議論していました。
なるほどねー、そういう視点になるのか。