Category Archives: MBA・教育

MBAの10年後

以前、『MBAの同窓会』『5年目の同窓会』というエントリーでINSEAD卒業後、5年目の同窓会の話を書きました。 これを書いた時からさらに4年経ちました。 ・・・ということは来年は卒業10周年なんですね。 月日が経つのは早い・・・

日本でのMBA論と言えば東洋経済オンラインで『超一流MBA校で戦う日本人』という勇ましい連載がありましたが、とうの昔に卒業し、MBAキャリアからは程遠い道を歩んでいる私にとっては、MBAは終着駅でも人生最大のイベントでもなく新しい旅路の始まりです。 今でもMBA生活を一緒に過ごした友人たちの動向を知るたびに懐かしい気持ちになり励みになります。

そんな折、私が行ったINSEADでOB(Organizational Behavior、組織行動論)の教授が”Memoirs of Life and Work a Decade after an MBA”(MBAの10年後のメモワール)と題したケースを執筆したそうで“Is There Life After an MBA?”(MBA後に人生はあるの?)という記事がINSEAD友人たちの間でシェアされていました。 ちょっとおセンチになってる感はありますが、なかなか良かったので訳して紹介しておきます。
自身もINSEADでMBAを取得したこの教授Jennifer PetriglieriはClass of 2002(2002年卒業生)19人にMBA後の10年間の生活を振り返ってもらいそれをまとめたそうです。
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バイリンガルの頭の中 – 2歳8ヵ月

時が経つのは本当に早い。
『日英バイリンガルへの道 – 1』『 – 2』を書いた頃は長男はまだ生後3ヵ月、ここに書いた通り、息子には私が日本語で、夫が英語で話す生活を続けてきました。 2歳を過ぎた頃から急に言語能力が向上、当時は週5日ナーサリーに通っていたため口から出てくるのは英語ばかり(でも私が言うことは理解している)、「バイリンガルなんてまだまだ先の話だわ」と思っていたところ、最近急に日本語がたくさん出てくるようになりました。
近所の日英バイリンガル家庭の女の子(3歳)が、在ロンドンの日本の幼稚園サマーコースに行ったところ、それまで英語オンリーだったのが日本語が出てくるようになった、とのことなので、うちもウィンターコースに2週間入れてみることにしました。 さて、念願の日本語上達は見込めるでしょうか?(車のない我が家が車で30分の幼稚園まで送迎するのでわざわざその期間はZipcarするのです)
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「女はクリスマスケーキ」説をマーケティング的に斬る – 2

『「女はクリスマスケーキ」説をマーケティング的に斬る – 1』続編。

「何歳が希望ですか?」のように定量的に計るのではなく、男性側の心理を定性的に知るためにインタビュー(もしくは定性アンケート)という方法を取ることにします。 ここで大事なのは調査対象の母集団と対象者の抽出法です。
前も書いたように、Sさんは誰でもいいのではなく合った人を見つける必要があります。 かなりグローバルなバックグラウンドなので、私のTwitterフォロワーの方に対して以下のようなお願いをしました(Yahoo!知恵袋なんかで聞くよりは遥かに母集団が限られていると思います、1日でできる方法を考えたらこれだった、というのもありますが)。 私が知っている男の友人に聞くという方法を取らなかったのは私が選ぶことによる恣意性を排除するためです。

【フォロワー(男性)の方に質問】「独身女性としての魅力は26歳前後でピークに達し、後ゆるやかに下がる」「人生経験、仕事、内面の魅力などもあるが男性は年齢を重要視するのが現実」についてぶっちゃけ自分ならどう思いますか? 解説ではなく「自分ならどうか」、回答は年齢記載でお願いします。

以下、年齢順にもらった回答です。 協力してくださった方、ありがとうございました!(スペースの関係上、編集した部分もあります。 ごめんなさいっ!)
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「女はクリスマスケーキ」説をマーケティング的に斬る – 1

『人生の駒がどんどん決まる幸せ』を読んだあるブログ読者の方(24歳女性、Sさんとします)からメールを頂きました。

日本を含めたアジア圏と北米に住んだことがあり、欧米の大学を卒業。 就職活動のため帰国し、某外資系金融機関から内定をもらった。 しかし、内定先の上司は東京オフィスではなく、某アジアの国のオフィスを勧めている(東京から仕事が移っているため)。 上司はさらにアジア内での都市の異動も考えているようだ。
が、すでに今まで複数の都市に住んでおり、これからも移り住むとなると一つの場所で継続的な人間関係を築くことができない、ましてや恋愛できない。 人生の先が見えない。この先どの国にいるのか分らず、根なし草感を感じる。

今回、帰国した際に周囲の人から
「独身女性としての魅力は26歳前後でピークに達しその後ゆるやかに下がっていく。 26歳前後にめぼしい相手をみつけ、数年間付き合い、30歳前に結婚するべし」
「人生経験、仕事、内面の魅力などもあるが、男性は年齢を重要視するのが現実」
「結婚したいなら海外よりも、日本にいるべし」
と言われた。

このようなライフスタイルをしてていいのだろうか? 結婚するため、内定を断って何が何でも東京に残るべきだろうか?

まさに今流行りのグローバル人材! 私がいろいろな国を転々とする生活を始めたのは就職してからですが(→『Home Sweet Home』)、彼女は就職前にすでに根なし草感を抱いてるんですね。

メールの本題は前半なのですが、後半(「女はクリスマスケーキ」説)に私も昔同じようなこと言われたなーと思い出しました(→『ロングテールな人たち』)。
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未来に備える本

ようやく子どもが2人になり、「これで子どもが小学校・中学校に入る年がわかる!」と喜んだのも束の間のこと(→『人生の駒がどんどん決まる幸せ』)。 これからどんどん老いる先進国に生まれ、地球温暖化を初め課題は山積み、待ったなしでグローバル化が進む世界で、地球の裏側のハングリーで貪欲な同世代との競争を迫られる子どもたちにはどのような教育を受けさせるべきか、もっと根本的な問題として親としてどういう背中・姿勢を見せたらいいのか、考えていました。
『20、30、50年後を想像しながら動く』を書いたのは2年半前ですが、つらつらと漠然と考えていた将来をもっと具体的な未来予想図を提示しながら動く方向性を示してくれた本に出会いました、先日書いたリンダ・グラットン著『ワーク・シフト – 孤独と貧困から自由になる働き方の未来図〈2025〉』

やっぱり無料で読める誰かが切り取った本の抜粋や5分で読めるニュース記事をちらちら追いかけるのではなく、こういう何百ページもある骨太の本を読まなきゃだめですねー もちろん未来の「答え」ではありませんが、ビジネススクールの教授らしくわかりやすいフレームワークを提示して、たっぷり考えるきっかけと動く方向性を示してくれました。 逆にこの本読んでも動けない人はどういう危機感持ってるんだろうと思います。
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当事者性と専門性 – 2

昨日の続き。

「日本人は専門性よりも当事者性(経験の有無)を重視する傾向にある」という話を企業経営という分野を例にとって。

当事者性と専門性再び昨日の図登場。
①・・・経営を「専門知識・スキル」として学び、そのような場も経験してきた人。 世界ではGEの幹部候補生育成塾は有名、国内でもユニクロの経営幹部育成計画は話題になりました。 これらは企業内で専門性と経験の両方をつけさせようとする試み。
②・・・経営を「専門知識・スキル」として学んだものの実地経験に欠ける人。 MBA(経営学修士)を取得したての若者がその典型。 彼らがその学位を活かして企業に入る場合は、通常その専門知識・スキルを活かしながら必要な経営経験を得られる場を求めます(以前書いたサムスンの戦略グループなど→『Samsungに見る黒船の効果と限界』)。
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Google幹部の子どもが通う学校

シリコンバレーにeBayのCTOやGoogle、Apple、Yahoo、HP etc. テクノロジー企業の社員の子どもが通う私立小学校があります。
さぞかし最新鋭のコンピューターが揃っているのでは?と思いきや、この小学校では授業中にコンピューターを使うことは皆無、家での使用も控えるように指導されています。 使う道具は先生は黒板にチョーク、生徒は鉛筆とペン。 毛糸を使って編み物をすることもあれば、割り算の授業ではりんごやケーキをナイフで1/2・1/4・1/8・・・と切り分ける。
全米の学校が授業にコンピューターを導入する中で時代に逆らうかのような、Waldorf School of the Peninsulaという私立学校(全米に160校ある)の話がThe New York Timesに載っていました。
NY Times : A Silicon Valley School That Doesn’t Compute
テクノロジーの可能性や利点を知リ尽くしてるトップ0.1%に属するであろう人たちが、あえて自分の子どもには使用を禁止するには次の理由があります(私が『iPhone中毒症』で書いたように息子にiPhoneを一切見せないようにした理由でもある。  また我が家にはテレビはありません)。

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MBA留学に大学の学歴は関係あるのか?

某地方国立大学の大学3年生Tさんから、久しぶりにMBA関連の質問を頂きました。

MBAを受験するにあたり、各スクールは出身大学のレベルをどの程度参考にするものなのでしょうか?
東京大学、京都大学といった大学でないとTOPスクールには相手にしてもらえなのでしょうか?

私がINSEADに行ったのはもう7年も前になってしまったのですが、つい最近まで受験生のインタビュアー(面接官)をしていたこともあるので(→『”泣かせる”夢を持つ人、持たない人』)、回答を試みます。
まず、大前提として、
MBAに入りやすいように、自分の人生を曲げるのはやめましょう。
理由は、

自分の市場価値を上げるために生きる人って、「魚市場で高く売られるために生け簀で太らされながら生きる養殖場の魚」みたい。(『愛の日記:人の市場価値』より)

だからです。
その大前提で、ストレートに質問に答えると、日本の大学の学歴はあんまり関係ないです。 全く関係ないとは言わないが、学歴は小さな要素で他でいくらでも挽回可能。 他がつまんないと箸にも棒にも引っかからない。

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今さら戦略コンサル?

以前、『業界の旬とキャリア相談』というエントリーで、マネックス証券松本さんの次の言葉を紹介しましたが、

もし今僕が就活生だったら、絶対投資銀行なんか入らないけどな。
実際僕がそこへ入ったのは投資銀行業界が栄えてきて10年くらいしたときで一番勢いがあった。
そこからもう20年経った今、もう外資金融の伸び時期はもう終わっている。
成功して盛り上がった後に相乗りするのは時代遅れ。

投資銀行と同じくMBA学生に人気の就職先、戦略コンサルも業界のピークは過ぎた、というお話。
私が行ったINSEADはコンサル輩出校と呼ばれるくらいコンサルに行く人が多かったので、石を投げればBIG 3(McKinsey、BCG、Bain)を始めとする戦略コンサルに当たるのですが(ターンオーバーの激しい業界なので、まだ残っている人はだいぶ減ったが)彼らと話していて薄々感じていたことがThe Economistに記事になっていました。

Harvard Business School卒業生のうち金融業界に進んだ人が10%以下の年は米株式市場は上昇局面を迎える、30%以上だと株式市場は暴落寸前。 2006年には42%の卒業生が金融業界に進んだ。

と書いたのは『Ahead of the Curve: Two Years at Harvard Business School』(邦訳:『ハーバードビジネススクール 不幸な人間の製造工場』)のPhilip Delvis Broughtonでしたが(著書はこちらで紹介、こちらも)、私には

The Economistに取り上げられたら個人のランダムな感覚・意見を超えて一般教養の域に入ってきている

という仮説があります。
最近のThe Economistにコンサル業界の展望について「戦略コンサルはビジネスモデルが限界に近づいている」と、ようやく皆が薄々気づいていたことが分析されていました(長い前置きだ・・・)。
The Economist : Advice for consultants

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小学生だって社会起業!

『Blastbeat – 高校生の音楽ビジネスプロジェクト』で紹介した音楽を通した社会起業プロジェクトBlastbeatのファウンダーであるRobertに会ってきました。 ブラストビートはNPOとして日本でも活動しています。
・・・とはいってもNPOの話ではなく、私たちが今度引っ越す地域にRobertが住んでいるので、そこの学校事情を聞かせて欲しいと会いに行ったのでした。 以前こちらに書いたように、ロンドンのファミリー世帯は「学校」が住む場所を決める最重要ポイントです。 小学校(Primary School)は4歳から始まるので、息子が1歳になったばかりの私たちも「良い」小学校のキャッチメントエリアに入れるように調査していました。
年齢から推測して当然中高生の子どもがいるだろうと思っていたRobert、未婚で子どもはいなかったのですが(すごい思い込みですね、私)、ある地域の学校事情なんかよりも、はるかにいい話が聞けました。
イギリスにも全国高校ランキングのようなものがあり、「良い」高校(Secondary School)は私立高校(Independent School)と選抜試験で成績の良い生徒だけが入学できる公立高校(Grammer School)が独占しています。
FT.com : Secondary Schools 2011
小学校(Primary School)は評判の良い学校に入るにはかなり近くに住む必要があり、治安や学校の良し悪しと住宅価格は密接に連動しています。 当然、貧困家庭の子どもは良い学校に行けずドラッグ・暴力・アルコールなどの問題に巻き込まれやすく、社会的流動性(Social mobility)が少なくなるとイギリスの社会問題になっています。

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